↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Pale Witch | 蒼白の魔女「第二章連載中」  作者: Roi
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/34

第7話:日常 / Daily

 私は教会の奥の隅で胡座をかき、目の前には燃え尽きようとしているろうそくが一本だけ残っていた。


 私は目を閉じ、意識をゆっくりと体内に沈めていった。かつては荒れ狂う洪水のような温かな気流だったが、今では比較的安定しており、私はそれを感じ取り、導くことができた。私は慎重にそれを引き出し、極細の糸を引くかのように、意念に従って魔力を指先にゆっくりと導き、ろうそくの芯に優しく巻きつけていった。


 炎は「パッ」という音と共に、静かに燃え上がった。


 激しく燃え上がることも、突然消えることもなく、その穏やかで安定した炎は薄暗い教会の中で微かに揺らめき、常に同じ高さと明るさを保っていた。私は目を開け、その小さな炎をじっと見つめ続けた。


 ようやくこの力を比較的安定して制御できるようになった。まだ手慣れたとは程遠いものの、少なくとも最初のようにろうそくを火の玉に変えたり、炎を瞬時に消したりすることはなくなった。私はそっと息を吐き出し、魔力をゆっくりと体内に引き戻した。胸の奥に残る温かな余韻が、今も微かに脈打っているのを感じる。その感覚は、すでに飼い慣らされたものの、なお野性味を残している川のようなものだった。


 私は立ち上がり、最後の埃をちりとりに掃き集めて掃除を続けた。銀白色の長い髪が動きに合わせて軽く揺れ、ろうそくの光の中で冷たく静かな光を反射した。教会の中はとても静かで、私の足音と箒が床を優しく擦る音、そして時折ろうそくの火が立てる小さな音だけが響いていた。


 私はこの町を離れなかった。


 ここには痛いほどの思い出が溢れている。どの通りを歩いても、どの角を曲がっても、リリーの澄んだ笑い声、エレナおばさんが優しく私の頭を撫でる動作、カールおじさんがリンゴを売った後にポケットから赤いリンゴを取り出して分けてくれた姿が、否応なく蘇る。それでも私はここに留まることを選んだ。


 それはマーガレット修道女のおかげです。


 彼女は今、私の正体を知り、危険を冒してまで私を守ってくれる唯一の人だった。彼女の体は弱い。今私が去れば、彼女一人ではこれから起こりうる調査やトラブルに対処するのは難しい。だから私は残った。少なくとも自分を守れるようになるまでは、彼女のそばにいようと思った。


 今日は孤児院の子供たちと一緒に町へ買い出しに行く日だった。


 町の名前はエルウィン鎮といった。


 森の端に建てられた、かつてはリンゴ園と木材貿易で知られていた小さな町だった。町で最も目立つ目印は古い石橋で、その下をエルウィン川がゆっくりと流れていた。以前はこの町の空気はいつも新鮮なリンゴの甘い香りと木の爽やかな匂いに満ちていて、人々は顔を合わせれば挨拶をし、夜には子供たちの笑い声や時折犬の遠吠えが聞こえていた。貧しくても温かさのある生活だった。


 今は全てが変わっていた。


 私と一緒に行くのは十五歳のトビーだった。彼は孤児院で比較的年長の子供の一人で、主に重い荷物を運ぶ役割を担っていた。道中、彼はわざと私と二歩の距離を保ち、目には明らかな警戒と居心地の悪さが浮かんでいた。


 私たちは雪の積もった石畳の道を歩いた。空気は冷たく湿っていて、吐く白い息はすぐに風に吹き散らされた。トビーは数歩歩いた後、急に口を開いた。声は少し気まずそうで、探るような響きがあった。


「セレナ……一つ聞いていい?」


 私は軽く頷き、彼を見なかった。


「どうして……みんな少し君を怖がってるんだろう?」トビーは小声で言った。「嫌いというより……近づけない感じがするんだ。まるで……とても冷たい風みたいで、近づいたら凍えてしまいそう。君はすごく綺麗なのに、いつも人を寄せ付けない雰囲気があるってみんな陰で言ってる。目が冷たすぎて、心の中にいろんなことを隠してるみたいで、誰にも知られたくないんだろうって……」


 私はしばらく沈黙した後、静かに答えた。


「もしかしたら、私が本当にたくさんのことを隠しているからかもしれない。」


 トビーはそれ以上聞かず、「ああ」とだけ言って足を速めて前を歩いた。私は彼の背中を見つめ、心の中で小さく溜息をついた。孤児院の皆が私を避けるのには理由があった。私の銀白色の髪、寡黙な性格、そして時折見せる冷たい眼差しが、彼らに不快感と恐怖を与えていた。彼らは私を「普通じゃない」と思い、影を背負った、いつトラブルを起こすかわからない人間だと感じているのだろう。


 私は説明しなかったし、したくもなかった。


 エルウィン鎮は今、私の記憶とは全く違う姿になっていた。


 帝国から来た商人がこの町の貿易と物資の流通を完全に独占して以来、物価は手綱を切られた野馬のように狂ったように高騰している。普通の黒パンの価格は以前と比べてほぼ倍になり、新鮮な野菜や薬草、さらには基本的な食用油や塩に至るまで、その価格は一般家庭が呆気にとられるほど高騰してしまった。人々は買い物をする際、慎重に値切り交渉を行うものの、その顔には疲れ、抑圧感、無力感がはっきりと浮かんでいる。それでも、誰も大声で不満を口にする勇気はない。商会の者たちは地元政府の警備隊と密接な関係にあり、少しでも不満を漏らせば、「市場秩序の乱れ」や「デマの流布」といった罪名で連行される可能性があるからだ。


 治安も日増しに悪化している。


 中央市場に入った途端、私は一人の女性が支払いのために振り返った隙に、菜籠の中の数本の人参と小さなチーズが素早く盗まれるのを目撃した。気づいた女性は低く呪うことしかできず、通りかかった数人の町民は足を速めて何も見なかったふりをした。少し奥まった路地では、二人のならず者風の男が中年男性を壁に押し付けて身体を調べ、財布を奪っていた。男性は小さく哀願するだけだった。通りかかる人々は誰も助けようと立ち止まらなかった。空気は緊張と恐怖に満ち、息苦しかった。遠くでは誰かの口論の声が聞こえたが、誰も仲裁に入ろうとはしなかった。


 トビーは再び私の袖を引いて小声で急かした。


「早く行こう、そんなことに構わない方がいい。」


 彼の声には恐怖と緊張が溢れていた。


 私は頷いたが、これらの光景を心にしっかり刻み込んだ。


 町に来るたび、私は孤児院からもらったわずかな小遣いで、こっそり新鮮な野花を一輪買った。たいてい白や淡い青色で、シンプルだが清潔な花だった。


 リリーの家があった封鎖された廃墟の近くに来た時、私はトビーに言った。


「先に小麦粉と油を買ってきて。私は反対側で安い乾草がないか見てくる。」


 トビーは少し不思議そうな顔をしたが、頷いて先に歩いていった。私から離れられることを喜んでいるようだった。


 周囲に誰もいないことを確認した後、私は素早く廃墟の後ろの小さな庭の隅に滑り込んだ。そこはかつてリリーが一番好きだった遊び場で、私たちが一緒に花輪を編んだ場所だった。今は崩れた壁と厚い積雪に覆われた焦げた木だけが残っていた。


 私は袖から今日買った淡い青色の花を取り出し、雪に半分埋もれた石のそばにそっと置いた。


 花は灰黒色の廃墟の中でひときわ鮮やかで、ひときわ寂しかった。


 私はしゃがみ込み、小声で呟いた。


「リリー……エレナのお母さん……カールのお父さん……現在も調査中です。必ず真相を突き止めます。」


 いつの間にか、ここに置かれた花はどんどん増えていた。白、淡青、淡黄、淡紫……雪と灰の間に静かだが目立つ小さな花の山ができていた。小さな、沈黙の供養のようだった。


 私はすぐに立ち去らず、もう数秒留まり、それから素早く立ち上がってトビーを追いかけた。


 買い物の他に、私は慎重に情報を集めていた。


 市場の端に留まり、商品を選ぶふりをして周りの大人の会話を聞いた。誰かが声をひそめて話すには、あの二人の殺し屋は元々町の普通の従業員だったという——一人は黒棘商會の倉庫で働き、もう一人は町役場の雑役だった。彼らは以前傭兵だったらしく、表面上は普通の人と変わらなかったが、家族を町役場に握られ、仕方なくあの行為をしたのだという。


 また、現町長とカールおじさんの仲は以前から悪かったという噂もあった。おじさんは商會の値上げと独占に反対する小規模な抗議を何度か組織し、その結果町役場の公聴会に召喚され、「民衆扇動」の罪名をかけられそうになったという。以降、ずっと厳しく監視されていた。


 私は、これらの断片的な情報を一つひとつ心に刻み込んだ。


 夕方に戻る前に、私は何軒かの書店にも寄り、魔法関連の書籍を自学できないか探してみた。


 しかし、路地裏の小さな店でも比較的大きな書店でも、「魔法書」という言葉を聞いた途端、店主の顔色が変わり、慌てて在庫がないと首を振った。高額で買うつもりだと匂わせても、同じように拒否された。


 どうやら魔法関係の書籍は本当に教会によって厳しく独占されているようだった。


 夜、私はベッドに横になり、天井の木目を見つめた。


 銀白色の長い髪が枕の上に広がり、冷たい月光の溜まりのようだった。


 私はこの悲しい思い出に満ちたエルウィン鎮で、なおも生き続けていた。


 しかし私は逃げない。


 まだ成し遂げなければならないことがあるから。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。