炎の子、ちまちまチマリ
受験番号1020番こと、チマリ・シルベットは焦っていた。
なぜならば、これから相手するのがザック先生の試験を速攻で終わらせて、1018番と飛ぶは跳ねるわの高速の戦いを繰り広げた人間だからだ。
チマリは、ごく一般的な少女だ。平均よりも少し小柄だが、それ以外はいたって普通の少女である。
ナチュラルスキルは、火炎、という火を纏い火を操るだけのスキルだ。
自分的には、気に入っているが、可もなく不可もなくのスキルである。
そんなスキルを扱うため、魔法は多少は自信があるが、戦闘術はそうもいかない。
現に先ほど、ザック先生にはぼろ負けした。
どうやれば、1019番に勝てるのか、とんと見当がつかない。
しかしながら、時間は残酷に前に進み続ける。
もう、当たって砕けろ!
「1019番、1020番の模擬戦を始める。両者前へ」
チマリとヒイラギは、向かい合う。
「始め!」
「燃え上がれー!」
チマリはそう叫びながら、体に炎を纏った。
そして、炎を足元から噴射し、その推進力で前に進む。
正面からだと受け止められると思い、相手の直前で右にカーブする。
カーブした先には、勢いよく迫る、足があった。
急に止まることはできず、チマリは蹴り飛ばされた。
「わわわ!」
チマリはなんとか、空中で炎を逆噴射し、勢いを殺した。
まずい、まずい、まずい、まずい!
気づいたら、目の前に足があった!
今、炎が間に合わなかったら、確実にさっきの人のように壁にぶち当てられてた!
瞬殺はまずい。負けるにしても、アピールして点を稼いでから負けなきゃ。
てか、なんであの人、武器をなんも持ってないの!?
徒手空拳で戦うとか、玄人感高いよ!
ちなみに、チマリは小回りが効くように、ナイフを両手に装備してます!
それはそれとして、なんとか隙を作らなければ、チマリの力では勝ち目がありません。
とりあえず、炎で飛び回って逃げます!
それで、時間を稼ぐんです!
「逃げられると思うなよ!」
わっ!でた、ぴょんぴょん戦法!
色んなところを蹴って、三次元的に動いてきます!
お客さんとして見てるときよりも、こうして相手取ってみると、とても早いです!
まずい!これじゃ、チマリ、すぐに追いつかれてしまいます!
こうなったら、とっておきです!
「これでも喰らえ!」
そう言って、チマリはナイフを燃やして投擲した。
ヒイラギは、なんてことはなくかわす。
「あっつ!」
しかし、ヒイラギは炎の球を背中に受けた。
先ほど避けたはずの、ナイフから、炎が飛んできたのだ。
「ざまあみろです!」
よし!当たりました!チマリのスキルは火を纏うだけじゃなくて、操ることもできるスキル!
ナイフの炎を、操って、後ろから不意をついてやりました!
よし、この隙に、斬りつける!
そう考え、チマリが勢いよく炎を噴射しヒイラギに突っ込むと……
また、チマリの目の前には、勢いよく振り下ろされる、足がありました。
「ぎゃー」
間の抜けた声をあげ、チマリは思い切り壁に激突した。
「勝負あり!」
うー、勝ったと思ったのに!
なんで、また足があるんだよ!
反射スピードがおかしいですよ絶対に!
あー、背中痛い。チマリはもう一試合次にあるんですよ!そこのとこ考えてほしいものです!
「大丈夫か?」
そう言って、1019番が手を伸ばしてきやがりました。
「大丈夫です!」
チマリは、その手を取らずに自分で立ってやりました!
あんたの手なんか、取らないですよーだ!
すると、
「お疲れ、いい戦いだったよ。最後の不意打ちは、肝を冷やした」
と言ってきました。
「ほー、言うじゃねぇですか。勝者の余裕ですか」
「いや、そんなわけじゃ」
「まあいいですよ!こちらこそ、いい戦いでした。次は負けませんから!」
「おう!えっと、名前は?」
「チマリです。チマリ・シルベット」
「俺は、ヒイラギ・リーフ・ウッド。よろしくな、チマリ」
「はい、チマリは絶対合格しますから。その時は、勝ちますよヒイラギさん!」
ヒイラギさんは、どうやら良い人のようです。
この人は今日からチマリの目標です。
チマリは強くなって、いつの日か、ヒイラギさんを蹴り飛ばしてやります!
ーステータスカードー
[名前]
チマリ・シルベット
[能力]
体力……800
力……800
魔力……900
俊敏性……1200
耐久力……850
魔法耐久力……850
[スキル]
火炎……火を纏う、火を操る




