【匠君 ランチセット】その後 SS
「お母さ~ん、蘭ちゃ~ん・・・・・このままじゃ僕、デブになっちゃうよ」
『何のためにウインドやってるの!』
「だって練習にならないんだもん」
『ぬ・・・・・・』
匠人気でメニューに加えた【匠・・・・ランチセット】は大好評で、練習に来た日は匠は引っ張りだこだ。
でもそのせいで、練習になってないらしい。
確かに毎週毎週殺到して、練習の妨げにはなっている。
このランチセット、人気がまったく衰えず・・・・・既に2年。
匠の血のつながらない双子の妹たちももうすぐ3歳になるし、そろそろ世代交代か?
実は双子たちも毎週この店には来ていて、亨さんと浜辺で遊んでいる。
すっかり海の大好きな女の子に育った。
そして、地元のサーファーたちのアイドル的存在になっている。
小さいながらもカトラリーを運んだり、すっかり店の看板娘だ。
「おかえりなちゃいまちぇ~、ごちゅじんちゃま~♪」
「あいっ、あ~んちてくだしゃい♪」
翌週からは小さなメイドが大活躍で、匠のランチセットを抜いた売り上げをフォローした。
評判のよかった匠メニューは、【匠】部分を抜いて価格変更して残している。
小さくておしゃまなメイドたちが活躍できるのは1日2時間がいいところ。
それでも2人を可愛がってくれるお客さんはたくさんいて、でも無理をさせることはない。
そして、店の売り上げは、いつも通り安泰で・・・・匠といえば女たちを押しのけてウインドに夢中になっている。
苦虫を噛み潰したような顔をしているのは二人の男たち・・・・・・・・・・・亨さんと勝己だけだった。
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