学校からプチ非日常へ
二学期になったけど、一学期と同じように勉強会をすることになった。
変わらない学校生活。だけど俺らの関係は変わっていた。
恋人になってから初めての勉強会。勉強会自体は初めてじゃないはずなのに、緊張してしまう。
放課後になると、いつも通りクラスメイトたちは教室を出て、いつも通り颯太と机をくっつけて、いつも通り教材を出す。
いつも通り勉強会が始まる……って思ってたけど、いざ始めたら颯太との距離が近い!
颯太の声がすぐそばで聞こえるし、時々手ぇ触ってくるし、学校なのに大胆なことしやがる……!
「おい、颯太、やめ……」
「んー? わざとじゃねぇよ」
絶対わざとだろ……! わざとじゃなかったら、そんなニヤニヤした顔しねぇよ!
すると颯太が肩を抱いてきて、心臓が跳ね上がる。
「ばっ……」
「こんぐらい平気だろ。周りから見りゃただの友達同士の絡みだ」
「んなわけ……」
「それを利用すれば、堂々とイチャつけんだから良いだろ?」
「それはそれで嬉しいけど……じゃなくて! 暑いだろっ……!」
抵抗してみたけど、力が入らない。
「さっき嬉しいっつったよな?」
「調子乗んなっ!」
午後五時頃、俺たちは荷物をまとめて学校を出た。
颯太のせいで全然集中出来なかったし……。
「陽希、このあとどうする?」
「帰るんじゃねぇの?」
「えー、俺もうちょいデートしたいんだけど」
言葉が詰まった。
「俺……放課後に家族以外と夜出歩いたことない」
「マジか」
前の学校じゃ、そもそも友達いなかったし。というか考えたこともなかった。学校が終わったら真っ直ぐ帰るものだと思ってた。
「じゃあ俺が初めてなんだ」
「そうなるな」
「陽希の初めてどんどん奪えて嬉しい」
「言い方やめろ」
親に連絡を入れてから駅に向かい、いつも乗っている電車の逆方向行きに乗った。
まだ不思議な感じがする。
ワクワクするというか、ソワソワするというか。
「そういえば颯太、どこに行くんだ?」
「そうだなぁ……いつも行き当たりばったりなんだよなぁ。気になったとこあったら入るって感じ」
「そういうもんなのか……」
やがて目的の駅まで着き、とりあえず駅周辺にあるショッピングモールに入った。
「思ってたより人いっぱいだな……」
と、俺が呟くと、颯太は俺と手を繋いできた。こういう感じ何回もあったけど、未だに慣れない。
「陽希、気になる店あったら言えよ?」
そう言われて周りを見てみると、オシャレな店ばっかりだった。
普段なら全然行かないような店がズラッと並んでおり、なんだか無性に怖くなってきた。
それに気づいたのかどうかは知らないが、颯太が、
「ゲーセン行ってみるか?」
と提案してきた。
俺が頷くと、颯太は導くように俺の手を引っ張ってくれた。




