032 解散
チート持ち冒険者はHPの回復とバットを握られたときの馬鹿力で少し焦ったが、思っていた以上に簡単に終わった。さて、こいつらをどうするかだな……。
二足歩行の猫や牛がいなくなって、騒がしくなってきた。
「はいは~い、みんなちゅうもーく」
精神奴隷化魔法はオリジナルのままの奴もいる。
「トール、この者は捕らえたのではなかったの?」
あとから合流した女性たちに俺はネタばらしをする。
「残念ながら、逆に捕らえさせてもらいました」
「ええ~、なにそれ!」
定番の返し文句なのだが、うるさいな……。
注目と言っておきながら、あまり注目もされていないので精神奴隷化魔法をオリジナルからノーマルにして、強制的に注目させる。
まずは女性たちにこれまでの冒険譚などの話を聞く……。
旅先でいろいろな出会いがあって、チート冒険者に惚れたと……。まあチート持ちだからね、お金持ち以上に魅力はあるよね。四人の女性は似たようなエピソードだった……。
ふぅ、とため息をついた。
さあ、最後にお前だ。
男以外は精神奴隷化魔法でサイレントに切り替え、尋問を始める。
「ぼ……僕は……前世で車にひかれて死んだ」
と、男はとつとつと語り出した。
暗闇の中、女神がやってきて、死んでしまったことは手違いでした。ごめんなさい、と、謝ってくれるが戻る術はないので、転生先のこの異世界を生き抜くために、過剰な身体能力を与えてもらい、平穏に暮らしたいという思いもあったが、いろいろと巻き込れるも解決しながら旅をするのも悪くないと思い始めている……。
なるほどねぇ、俺も転生物の話をよく読んだがあったが、客観的に話を聞くと、女神なのか死神なのか、わからないな……。神と言うよりも労働力を強制的に連れてきているブローカーなのでは?と思わせてしまう。
そして男の話は続く。
いくつかの依頼などのクエストを解決するうちに、力もついてきて、ちやほやされるのも悪くなく、女の子も次々とメンバーに加わるし、重婚可能な国なのでハーレム作っちゃおうってなった訳だ。
よくあるパターンだな。
で、すでにこの四人とは結婚していて、肉体的関係も結んでいると……。ほっほー。お若いのに大したものだねぇ。
「お前を間違って殺して、この世界に連れてきた女神には会うことができるのか?」
と、俺は問いかける。
「普段は会うことはないが、日記に書けば来てくれる……」
いいじゃない、呼んじゃおうよそのドジっ子女神ちゃん。
なに神の癖して、ミスって人殺してこの世界に連れてきちゃってるの?一人だけじゃないよね?実際何人連れてきちゃってるの?そのあたりも問い詰めちゃおうか!ひゃっはー。のってきたぜ!
……テンションが上がり、かなり気味の悪い俺がそこにいた。
尋問タイムも終わり、考えた計画を行動に移す。
まずは男以外に強制レベルダウンをかけて、女神の加護も消しておきたいので能力永久無効化をかけ、一般人にする。




