030 対決
冒険者トオルは自分の立場が完全に上だと思っているのだろう。
それならば焦っている感じを出せば、もっと隙をみせるな。まてよ、どんなチートを持っているか分からない以上、時間を掛けない方が賢明かもしれない。
奴は俺の問いに答える。
「……まあ、僕も人間ですからね、敵意むき出してはないので、あなたの出方次第で対応を決めようかと思っていましてね」
「なるほどね……」
俺が魔の者だから、様子を伺っていただけかのようだ。うん、さっさと終わらせよう。
スローモー発動!
万能バットを取り出し、冒険者めがけて突進する。
初めての人間相手に興奮しすぎたのか大振りになってしまった。服をかすめて空振りになった。さすがチート持ちだな、この速度に反応しやがる。切り返して当てようと思ったところを手で受け止められる。
なんちゅう握力だ。バットを持って行かれるかも。
「攻撃力の高いバットだな。欲しいなこれ……」
涼しい顔でつぶやく冒険者。誰がやるか!
服にバットがかすったことでHPバーが青から緑に変わり、続いて受け止めたことで、さらに黄色へ下がっているが、チートで刻々とHPが回復していて、もうすぐ黄色から緑に変わりそうだ。
間に合うか!?
肉体奴隷化魔法実行、実行、実行、実行、実行、実行、実行、実行、実行……。
スローモーの中、何度も唱え、十回を超えた辺りでかかった。
いよっし!
『バットを放せ』
「いやだね、誰が放すものか……」
言葉と裏腹に手を放す冒険者。
効いてる効いてる。ふふん、驚いている表情もなかなかいいじゃないか。ま、男には興味ないがな。
そして俺は奴の肩を叩く。
「チェックメイ……」
ト。と言いかけて両側から爆炎と氷柱が迫ってくる。
とっさにバックステップでかわすと、炎と氷がぶつかり爆発が起きた。
あっぶな!男も巻き添えにならず、かわしたようだ。
チート持ちの冒険者と一緒に残っていたんだ、黙って指くわえてみてるような玉じゃねえよな!
万能バットの十人増殖のボタンをポチッと押す。刹那十人ののっぺらぼうが周りを囲む。
「いや、なにこれ気持ち悪!」
「きもすぎっしょっ!」
素直な感想をのたまう女性陣たち。
うるせぇよ、強けりゃいいんだよ。ぺぺぺんと三度万能バットを当てる。
精神奴隷化魔法をかけ、その場にいる全員をHPバーを赤にして精神奴隷化魔法をかけた。
『俺に絶対服従だ。返事は?』
と、伝える。
「「「はい」」」




