021 細かい仕様変更
魔法のかけることのできるHPゲージ縛りが、面倒だったのでその辺りの事を伝える。
「魔法の設定が細かすぎて使いにくいですね」
「ゲージで縛りをいれないようにということですな」
「ええ」
「変更いたします。また必要なものがありましたら、日記帳に書いてくださいね」
そう言えばまだ日記帳は書いていなかったな…。今度使ってみよう。
「それでは卵をいただいていきますね」
「お好きにどうぞ」
一瞬で消えるすべての卵。そして時は動き出す。卵が一瞬でなくなり、混乱する羊戦士たち。冒険者の彼女たちも驚いているが俺は気にせずに作業に戻る。
確かボタンが付いたって言ってたな、バットのグリップの上の端の部分にボタンが小さく三つ追加された。丸が一体、三角が十体、星が百体と目で見なくても、触った感じでコントロールができそうだ。
星形のボタンを押して百体の俺の分身を作り出す。しかし、顔はのっぺらぼうで俺とは程遠い感じだが、動きや思考について問題なさそうだ。一斉にそれぞれの羊戦士の前に立ち処理を進めさせる。分身一人当たり二回目の作業で全部の羊戦士たちの処理を終えた。
次に落ちている武器を拾わせてそれぞれのアイテムボックスに収納させる。はい、作業終わり。
一気に分身を全部消す。これは使いやすくていいな。処分速度も格段に上がった。
野生化した羊たちの群れを狼のパキラは集団で移動するようにコントロールしている。残るは狼のパキラと冒険者の彼女たちだけになった。
動物たちとはここでおさらばだ。
俺はパキラを一度こちらに呼び寄せてHPバーを赤くしたあと、また羊たちをまとめ行かせてから、強制レベルダウン、能力永久無効化を遠方から実行する。
数秒後に野生に戻ったパキラだったが、記憶や命令のことは全て消えてしまったようで、腹が減っているのか、羊を襲い始めた。羊の毛が邪魔をするため胴体部分ではなく顔に噛みついたのは狼の勘なのだろう。羊の群れは大混乱で、散り散りになっていく。
おや、森からも野犬の集団が出てきて次々と襲い始めた。生まれたての弱い羊がどんどん襲われている。隠れて狙ってたんだな。
森の中からさらに大きな虎のような生き物が出てきた。うわーでけー!分析能力で確認するとジャイアントタイガーと表記され凶暴なことはよく分かった。
何体か食っては飲み込んでいく。
「ちょ、ちょっと、あんた何見てるのよ、早く助けなさいよ」
「あんなにでかいのはちょっと無理だな……」
無理ではないが、助ける気はまったくない。見ていると、毛がない奴が食われた。ラムだ!
「「「ラムさーーん!」」」
彼女たちは叫ぶが、パクリとジャイアントタイガーにくわえられて森の中へ消えていった。弱体化したのは俺だが、媚びる魔物は殲滅せよとの闇主様からのお達しだ。
世界は弱肉強食なんだよ。弱くてかわいい奴が残るわけがないだろう。それよりも他を心配している場合じゃないぞ。




