13C-45 『帰還、そして新たな扉』
13C-45 『帰還、そして新たな扉』
D3TVDによる決死の突撃を敢行し、次元の割れ目を突き抜けて別次元へと吐き出された遥がいた。
「ふむ、機体の損傷は皆無ですね。このまま運航を継続することに問題はありません。……それにしても、ここは何処でしょうか?」
遥は周囲を見渡す。どこかで見たことがあるような、それでいて違うような。
そんな不思議な既視感にとらわれていた。
ノイズが走り、不意に通信が入る。
『――遥、聞こえるか? 遥!』
D3TVDの通信装置から飛び込んできたのは、ひどく焦燥し、そして安堵に震えるクローディアの声だった。
「はい、マリ。聞こえていますよ」
『本当に遥なんだな……! おかえり、遥。よく無事に帰ってきてくれた』
「はい、マリ。マリのおかげで、戻ってくることができました」
遥はそう言って、心底嬉しそうに微笑んだ。
別次元で出会い、救い、共に戦ったもう一人のクローディアとゆり。
あの世界での濃密な体験と記憶は、紛れもなくこの個体に受け継がれている。
『……? 私が何かしたのか?』
「ふふ、いえ。マリ。そういうわけではありませんよ」
クローディアは遥の言葉の真意が分からないようで、通信の向こうで困惑していた。
無理もないだろう。
自分が送り出した分体の遥が、次元を跳躍した先で別次元の自分たちを救い、世界を救済し、あまつさえ途方もない技術を手にして帰ってきたなど、今の彼女に知る由もないのだから。
『よくわからないが……とにかく、戻っておいで。詳しい話を聞かせてほしいな』
「戻っておいで」――クローディアがそう言ってくれたことが、遥には何よりも嬉しかった。
「はい、マリ。今から帰還します」
別次元のクローディアから、こちらのクローディアへ。
世界を揺るがすほどの『盛大なプレゼント』を携えて、遥は帰るべき家へと帰還するのだった。
(Cルート 終了)




