洞窟での野営
「露天風呂やぁ。アンタのスキル凄いわあぁああ」
一緒に風呂に入ってるセィソが大喜びだ
宿泊予定の洞窟に到着後、俺は愛用のショベルで地面に穴を掘り、穴の中を『〇頭放出樹脂』を表面に塗りつけ『頭皮紫外線発光』で硬化させて風呂桶をつくり、『〇頭発水』で風呂に湯を入れたのだった。
「冒険で水に困らへんってのは最高やなぁ。出て来るトコロはアレやけど」
「一応、頭からも出せるぞ」
「そっちは汗の塩水やろ、いらんわ。なんかバッチィし。この湯もアレやけど」
「まぁな」
「ほんで、簡易ベッドとかを骨組みと布にして、細長くせんと入らへんのは、ちょっと難儀やなぁ」
「しょうがないだろ、金玉袋の面積は限られてるんだから」
到着直後は、俺の金玉袋から野営グッズの取り出すという、人目があれば決してできない姿を披露するハメになったのだ。
「こんな快適で、ええんやろか。いままでは、風呂ものうて、マントにくるまって固ったい岩の上で寝てきたさかいなぁ」
「俺も、こんな風に野営するのは、久しぶりだ。一人だと面倒だしな。タマ袋も一人だと拡げきれないし」
「あ~、その辺不便やな。ブクブク」
セィソが湯に沈むと巻き上げてない、長い黒髪が、風呂桶に広がった
「おいっ、髪の毛……」
「ええよ、今から洗うんやし、十分湿らせてからにするわ」
「そうか。俺に毛髪は無いから、そういうのも忘れてしまったよ」
「おりゃ……アンタ毛のせたら、結構イケオジやん」
セィソの黒いロングヘアーが俺の頭に載る。
「昔はあったんだけどねぇ……」
「今はツルツルやもんな」
男性ホルモンが多すぎたらしい、30歳過ぎからどんどん抜けたんだよな。
ふんふんふん♪と、バスタブから出たセィソが全身を洗っていた。
「風呂ってええなぁ、昨日のシャワーもええけど」
「コッチでは毎日入らないのか?」
「せやなぁ、シャワー付きの宿も高いし、基本は桶に入った湯をもろうて、タオルで全身を拭くくらいやで」
「そういえば、そうだったな」
聖女以外は令嬢と王女だからなぁ。毎日当たり前のように異世界でも風呂に入っていた。
「ウチは、もう出るでぇ。洗ったパンツ乾かして」
俺の頭にセィソのパンツがかぶせられる。
「『頭皮熱光』ッ」
俺は頭を光らせた。湿った生地が乾いていくのが頭皮の感覚でわかる。
「ん、乾いたぞ」
「おおきに」
「あんまりやると、生地が痛むぞ」
「そんなデリケートな下着やないさかい、ええんよ」
「そういうもんか」
セィソは、俺の頭からパンツをめくりとった。
「今までのパーティーメンバーともこなえしてきたん?」
「ん~最初のころだし、聖女だけかなぁ。令嬢と王女はカネ持ちだったから、宿泊にも困らなかったのさ」
「そうなんや。ん~焚火の方の洗濯物は、まだ生乾きやなぁ」
焚火で乾かすのは少し時間がかかりそうだ。
「ほな、晩メシ作っとくで」
「あぁ、よろしく頼む」
セィソは道中で手に入れた野草やキノコを、飛竜の肉と一緒に炒めていた。鍋なんてないので。この風呂を掘った後、綺麗に洗ったショベルでだが。
風呂を出て、食事を済ませた俺達だが、大人のお楽しみタイムの前にやることがった。
「お前の装備作るから、飛竜の髭、使ってもいいか?コッチでは珍しい弾力素材だからな」
「ええよ~、ウチの装備なん?何作ってくれるん?」
「スリングショットだ、パチンコとも言うが」
「ん?パ……チ〇コ?かいな?」
「アホな発想はやめなさい。上空の飛竜に金玉が届かなかっただろ。アレを届くようにする、弾力性投石具ってトコかな」
「へぇええ、ええなソレ」
「昔、作るつもりだったけど、弾力のある素材の為に竜種とまで戦わなかったからね。で、悪役令嬢がパーティー参加して、投石力もあるし、作る必要がなくなったんだ」
「そうなんや」
そうして、金玉袋から、昔準備していたグリップやフレームを取り出す。
「これを、こう組み立てて……弾力素材の飛竜の髭を繋いでっと……………できた」
「なんや、コレ?」
「ここに飛ばしたいモノを挟んで、こうやって引っ張って、手を放す」
パシュンっ
俺は、転がっていた小石で、スリングショットのデモンストレーションをする。
「すっご。めっちゃ飛ぶやん。ウチにもやらせて」
セィソもタマタマ大の小石を拾い、スリングショットを引き絞った。
パシュンっ
「めっちゃ飛ばせるやん。すごい発明やでコレ。これなら、タマで長距離狙えるわぁ」
「俺の元いた世界だと、子供の玩具であるくらいだがな。こういう軍用形状はマニアしか買わないけれども。あとは、思ったところに飛ばせるように練習あるのみかな」
「オッケーや。練習しとくわ」
パシュンっ パシュンっ パシュンっ パシュンっ
と、セィソは地面の小石を何個も飛ばして練習していた。
練習をし終えて、夜もふけて来ると、設置したベッドへ俺達は一緒に入った。
スリングショットっていうかパチンコっていうか……
某漫画でカンシャク玉?クラッカーボールをパチンコで放つシーンがありますけど、真似しちゃ駄目ですよ。
カンシャク玉を挟んで、引き絞った時に爆発することが、たまーにありますから。
で、セメントとか固いモノに当たったら爆発するけど、地面程度の柔らかさになると爆発しないんですよねぇ。
だから、鹿とか猪に命中しても、爆発しないと思います。え?人間?ヨロイとか着けてたら爆発するかもですけど、音の威嚇にしかならないんじゃ……




