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18,王子カスケード

ピンチの状況には天才の一手

 「名乗り忘れていたんだけど」

 タクミさんが声を上げ、みんなの注目を集めます。

 私たちピンチなんです。助けてください。


 「私は天っ才科学者の、タクミですから、っと」

 懐から筒を振りながら取り出し反対の手のひらで円形の部分にふれます。


 すると筒が強く光り辺りを急速に霧で満たしていきます。

 

 「私は陛下に会いに来ただけですから。またの機会にお邪魔しますね」

 「まて、どうゆうつもりだ。こ奴らなどお前にはどうでもよいだろう」


 「じゃ、まずはここから出ますか」

 預言者さんを完全に無視した声が私たちのすぐそばから聞こえます。

 

 「君の力があればここから出られるだろう?これを持って」

 と、なにかをレンさんに渡しているようです。

 「……わかった。まずは外に出る」

 

 レンさんが[移動]を使うのが分かります。

 [チーム]に対しても使えるんですね、などと考えているうちに城門前の景色が目に入ります。


 「流石だね、一瞬だ」

 「どうして俺が移動の魔法を使えると知っている?」

 「なぜって、大男が逃走した時だよ、兵士の被害が少なかったのは私がそう誘導したから、だからね」


 「お前が仕組んだこと、ではないのだろう」

 「すぐに信じてくれるのはありがたいね。少し彼の持っていたものに興味があったんでね。まあ、君との戦いで使って壊れてしまったんだが」

 ほんとです。レンさんの信用はどこから?うーん扇から、なんでしょうか。


 それはそれとして、やっぱりあの時もやけにあっさり逃げられたんだなぁ、とは思いましたがそういうことですか。

 あの時の戦いも見られていたということは、私の歌も見られているってことですね。色々納得です。


 「で、どうするんだレン君タクミ君。じきにここにも追手が来るぞ」

 「そうですね、まずは行きましょう。おそらく町も攻撃対象になっているはずですから」


 レンさんから筒を回収し振ってから円の部分にふれます。

 ――よく見ると1方には3つの出っ張りがありそこに触れていたようです。


 「町も攻撃されるってどういうことですか?」

 「そのあたりは町についてから。皆さん私に近づいて下さい」

 

 私の質問に答えつつ移動の準備を始めるタクミさん。

 

 私たち5人が筒を中心にして集まるのまって筒が光と霧を放ちます。


 ~・~・~・~・~


 「さあ着いたよ」

 「ここはどこだ?」

 「ここは町の講堂、今の王が建設に助力してくださって完成できたものだ。つまり攻撃対象ってこと」


 「この町で真っ先に狙われるところ、なんですよね」

 「そ、察しがいいねひなちゃん」

 急に馴れ馴れしくなるじゃないですか。たぶんこっちが素なのかも。


 「でどうする、相手もじきに来るのだろう?俺たちの味方をしたということは少なくともあんたもここを使う人たちも預言者側じゃないってことでいいんだろ?」

 「そうだね、私たちはもし王がこのまま王位を降りるならそこにいる王子を次の王と認めるように動こうと思うよ」

 そういってタクミさんはヴォルカンさんの方を指さします。

 

 え、ヴォルカンさんが王子様ってこと?

 「やはりそうか、あのタイミングで遺跡にいたのは俺たちにとって都合がよすぎたからな。大方俺が王側か預言者側かを確かめるためだろう」

 確かにあのタイミングはばっちりでしたよね。レンさんは気づいていたようです。


 「まあ、向こうが認めなくても町も当時を知る一般の兵もあなたでなくてはならないと考えていますよ、カスケードさん」


 「え、ヴォルカンさんって名前嘘だったんですか?」

 「申し訳ないひな殿みう殿。預言者――いやジュリオンブルがここまで強引に事を進めるとは思っていなかった」

 ヴォルカンさん改めカスケードさんが私たちに謝罪して下さいます。

 

 「謝らないでください、知ってしまったら私たちを巻き込んでしまうからですよね」

 「君たち二人は普通の人だろうからこんな争いに巻き込みたくはなかった」


 「俺はいいのか?巻き込まれてるぞ」

 「君は王――父が呼び出した者なのだろう?なら大丈夫だ。君に常人は敵わないからね」

 カスケードさんもレンさんの素性を知っているのでしょうか。


 「ひなも普通の人以上の異能を持っている。その力でみうを人でないものに変えたくらいだしな」

 「そうなのですか。併用が可能とは聞きましたが接触回復を付与したというわけではないのですね」

 「ああ、意識してやってるわけじゃないようだから捕らえられても奴らじゃ使いこなせん。せいぜい人体実験だな」


 え、いや怖いですやめてください。


 「だから君が付きっきりで守っているのだろう?どこよりも安全だから」

 「そうなんですか?私お姫様ですか?」

 うれしいですね、ナイト様!

 「俺はほかにやることもないからな。だが王がいなくなると衣食住の確保ができなくなる。王子なら何とかならないか?」


 「だから私達でカスケード様を次の王にしよう、ということ。彼も手伝うそうだよ王子」

 「そうか。ジュリオンブルが人を使った魔術を繰り返していることも分かっている。遺跡にいたのはおそらく元私の部下だろう。そして」

 

 カスケードさまの表情がより曇ります。


 「遺跡を襲った兵は私の親衛隊なのだろう。意識があるのかはわからないが」

いつも読んでくださる方、本当にありがとうございます。

今日初めて読んでくださった方、いらっしゃいませ。

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