ダンジョン
昼は森の散策をすることにした。
バットを右手、おむすびを左手に森へと向かった。
この森は様々な植物が豊富に生えている。少し歩くと薬草や毒草などが生えている。散策ついでに多めに採取する。なにかの実験が出来るだろう。
野生の果物も採取した。
きのこや山菜も探す。きのこの毒は鑑定で回避できるので安全だ。山菜の下処理は正直わからない。米の磨ぎ汁や重曹がいいのは知っているが、どの山菜に適しているかがわからない。全部天ぷらなら問題ないかな?
大分歩いたが意外と野生動物、もしくはモンスターと遭遇しない。狩りで食べ物を賄うのは難しかったと実感した。しかし、異世界に送られてすぐの草原では、たくさん見た気がする。
定番のスライムやゴブリンはいないのか?
イノシシとウルフから魔石が出てきたこと、スキルがあるなど、異世界感は確かにあるがこうして森を歩いていると全く感じない。その場にしゃがみよく見るとアリがいたりする。始まりの草原と同じだ。
森ガールや登山者はいませんか?こちらは白TでGパン、バットを杖代わりにしてますが一緒に歩きませんか?
薬草や果物を採取しながら歩いていると、とても大きな木が現れた。
「これが世界樹か!?」
確実に違う。
そうとわかっているが気分が高揚し馬鹿なことを言っていた。
木の周りは一周50㍍ほどある。ト○ロがいそうなほど大きな木だ。
木の周りを一周歩き、ふと上を向くと枝の付け根の部分に黒い何かがあった。
「ん?あの黒いのはなんだ?穴のようだがなにか違う。わからん。」
一樹の好奇心は爆発した。高さはマンションの二階部分くらいの高さだ。はしごがあれば簡単に行けるだろう。
アイテムBOXからはしごを出して登った。
「鑑定!」
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【森のダンジョン】
:難易度2 全10階層
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黒いものはダンジョンの入り口であった。
「おぉ!マジか!散策ってか、散歩で思いもよらないもの発見だよ。難易度も低そうだし少し入ってみるか。」
今は装備もない、回復手段もないのだ。本来なら、危険極まりない行動だ。だか、好奇心には勝てない。目の前にダンジョンがあるなら入る、男なら!!
一樹は真っ黒ななにかに触れた。すると、景色が歪み洞窟の中にいた。焦って後ろを振り向くと真っ黒ななにかはそこにあった。黒渦とよぼう。
「とりあえず、様子見だな。1階層の探検だ!」
今いる場所は、小部屋風の洞窟、あるいは洞窟風の小部屋。
四、五メートル四方はありそうな正方形に近い部屋。
なんとなく周りが見えるが暗い。なので『灯り』を使った。
部屋からは道が延びていた。前に1本、右に1本、左に1本。
後ろには黒渦がある。
部屋から延びる道は、どれもトンネルのような薄暗い空間だった。
幅は学校の廊下くらいか。割と狭い。3、4人でパーティーを組んだ場合、剣は振れないし、魔法はフレンドリーファイヤーするだろうと予測できる。
『灯り』を使っても、奥の方まで見通すこともできない。
前方の道を歩いていると、L字の角が現れた。その角を不用意に曲がってしまった。
すると、前方に4体の人型の魔物が現れた。
鬼のような顔。
小柄で緑色の体。
粗末な格好。
薄汚れて、知性に欠ける表情。
剣、小盾、石斧、短槍をそれぞれが装備している。
(『鑑定ex』)
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【ゴブリン】(盾)
レベル4:ダンジョンモンスター:生まれつき武器を持っている。進化先が多いのだが、どうしたら進化するのかは謎である。死ぬと魔石を残す。
盾術LV1
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思っていた説明と若干違うが、不用意に角を曲がってしまったのでゴブリンに見つかっている。とりあえず、倒すべく行動に移った。
先頭に盾ゴブリン、次に剣斧槍と続いている。
盾ゴブリンの盾は直径30センチほどの丸盾。守られていない面積が多い。
いったん、来た道を戻り川で拾った石を準備。L字から出てきた盾ゴブリンの足を狙い、石を投げて倒す。あとはヒット&ウェイを繰り返した。
ゴブリンはバット1振りで倒せた。そして、殺されたゴブリンは煙となって消えて、いた場所には魔石が残っていた。
「ゲームみたいにドロップアイテム残して消えるのか。レアドロップアイテムもありそうだし今度、周回してみるかな。」
そんなことを考えながら、足を負傷し歩けなくなった盾持ちゴブリンをもう一度鑑定して、ダンジョンモンスターの部分を詳しく調べた。
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【ダンジョンモンスター】
ダンジョンで生まれたモンスター。生命を維持するための食事はしない。ダンジョン内の魔素で生きている。ダンジョン外から来た者を殺そうとする習性がある。本来、ダンジョンモンスターはダンジョン内でしか生きられないが、スタンピートにより外に出ると活動できる。
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理解してから、盾持ちゴブリンも倒した。
魔石を全て拾いレベルが1上った。今回のことを少し整理する。
①戦闘において前回よりも落ち着いて対象できた。装備ボーナスの棒術が働いていたかもしれない
②ファンタジー生物のゴブリン発見。鑑定を見るとダンジョン内にしかいない可能性がある
③ダンジョン内には魔素なる不思議物質があるらしい
④モンスターの身体は残らず、魔石のみ。解体が出来ない人はダンジョンがオススメだろう
⑤レベルの上がり方の法則性が謎。レベル4を4体倒して上がるとは思えない
こんなものだろうか?
ダンジョンに入り、ゴブリンに出会えた。きっと奥にはスライムだっているだろう。
今回は様子見だったし好奇心もある程度満たされた。焦らず帰ることにしよう。レベル上げは必須なので近い内にまた来ることになる。
黒渦に触れ木の枝に戻り、拠点へと帰った。
『柳に風』
柳は風の吹くままになびいて、巧みにやり過ごしていることから、従順で逆らわないものに禍のないのをいう。
作者は思ってたのと少し違いました。




