デザイン その2
さて、行動原理は少々アレだが。俺達は自分がゲームで使うアバターを自分好みに作成する。
なお、使用キャラクターの性別は、全員迷わず女性を選択。
五人が五人、揃いも揃って女性キャラクターを使うなんて、『偏ってる』とか言われるかもしれねぇし。無神経な奴は『男が女キャラ使うなんてダサい』とか『男のくせに女キャラ使ってキモい』とか吐かしやがる。
こういう奴は見ていて腹が立つ!! ゲームってのは、自分で好きな様にプレイして楽しめばいいと思う!
だから好きな様にアバターを作るのだ。
……まあ、個人的感情をぶちまけるのは、このぐらいにして。
俺達はアバターに使うイラストを着々と描き進める。
「できたぁ!」
真っ先にアバターを完成させたのは佳君だった。
「どれどれ?」
「どんなん描いたんだ?」
「俺にも見せてー」
佳君の描いたイラストを見ようと、他の四人が自分の作業も程々にやって来る。
「ほっ、ほぉ~」
佳君の描いたイラストは、長髪の童顔金髪ツインテールだった。
ちょっとマニアックなキャラデザ。
「しかし、相変わらず佳君の描いた絵は、やぶうち優先生みたいな作風だな」
「うん! 彼女は僕の師匠だからね♪」
って、佳君は言ってますが。実際にやぶうち優先生に直接教えを受けた訳ではなく、ただ作風を真似ただけ。
はっきり言って佳君の絵は、やぶうち優先生の贋作か劣化コピーみたいのもんだ。
「僕、やぶうち優先生のファンなんだ♪」
まあ、佳君は贋作だのコピーだの言われても気にしないたちだが……。
「しかし、佳君の女の好みがロリコンだとはなぁ……」
などと、信君が佳君を軽蔑しきったけいべつ様な、まるで汚いもの見る様な目で見る。
「信一郎! 何を言うか!!」
何を思ったのか、信君の言葉に音尾が敏感に反応。逆上した。
「音尾、どうしたんだ藪から棒に?」
「ロリコンで何が悪い! ちっこい女の子は最高じゃないか!!」
音尾が逆上した理由は、自分の好みを否定されたからだ。
誰だって自分の好きなものを否定されるのは、気分のいいものではない。音尾が怒るのも頷ける事。
「佳君~、一緒にロリっ娘同盟を結ぼう♪」
などと親しみの気持ちを込め、音尾は佳君に近寄るが……。
「はいぃ!?」
佳君のイラストの全体を見て音尾はビックリ。その訳は……。
「何だ、この下品な胸は!」
佳君の描いたイラストは顔こそロリだったが、体も胸も大きなグラマーな体型。これではロリとは言い難い。
「コレどれぐらいの大きさ?」
信君が佳君に尋ねる。
「身長は187センチです」
「デカッ!?」
とんでもない大きさ。
正直、佳君の好みはマニアックだと思った。
「佳君、キミにはガッカリだよ」
勝手に盛り上がって、勝手に落胆する音尾。落ち着きのない人だ。
「音尾君、僕にそんな事を言われても困るよ」
音尾の言ってる事に、佳君は困り顔。
「とにかく。俺は黒髪ロングヘアーのロリっ娘黒人を作るからね!!」
佳君のイラストにガッカリすると、音尾はちょいとヤケクソ気味に、自分の理想を叫ぶ。
……しかし、佳君の好みもマニアックだと思ったが、音尾は更にマニアックだった。
「音尾、マニアック過ぎじゃね?」
「信一郎、文句あるのか?」
音尾は信君をギロリと睨みつけた。自分の考えを否定さねない為の行為と思われる。
「いや、文句はない……」
ゲームを提供してくれる音尾に文句を言うとゲームをプレイさせてくれなくなると思ったのか、信君は黙ってしまった。
「そんで信一郎は、どんなん、作る気?」
「俺か? ……嫁さんは中国美人に限る♪」
信君は頬を赤らめ、だらけきった締まりのない顔で目を輝かせる。
「俺、ショートシャギーの魔法少女だ!!」
聞いてもいないのにマサが自分のアバターのデザインイラストを見せてくる。見せたがりな奴。
とまあ、そうやってバカやりながらも、男五人はアバター作りを進める。