外伝・第三話~ヴィーチェ=エルトリンデ編『偽りの《守護者》②』~
ヴィーチェ編、第二話目です。
「………今なんと?」
妾は族長より告げられた内容が信じられず再度確認すべく尋ねると…
「あら?ヴィーチェにしては珍しいわね?
なら、もう一度言いますから今度はしっかり聞きなさい」
我等が族長たるアンリエッタ=エヴァンス=トゥールは先程からの笑顔をそのまま(というか、基本的に笑顔という仮面を被っているかの如く滅多な事では眼を開かぬ御方じゃが…)に再び口を開く
「トゥールが長、アンリエッタが命じます。
有翼種族全部族長が集う族長会議に私と《白き翼の魔女》エリス=リッケルトも出席しますので、ヴィーチェ=エルトリンデはその護衛としてお供なさい。」
やはり聞き間違いでは無かったようじゃが…いや、しかしのぉ…
「……わ、妾が…ですか?しかし、エリス様が居られるならば…」
「アンリにヴェルちゃんの同行を提案したのは私だから拒否は出来ないわよ?」
族長の傍らに静かに佇んでいた女性が、会話に加わってくるが…確かに妾的に、この女性には例え冗談であっても逆らう事が出来ない。
というか、威圧感が半端無いのでその気すら起きない。
「エ、エリス様が…?一体、何故で…
「うふふ…それは簡単よ?ヴェルちゃんには次代の《白き翼の魔女》を継いで貰う為に族長会議の翌日に開催される部族代表の『腕試し』に出て貰うためよ」
…は?私が?エリス様の称号…《白き翼の魔女》を継ぐ?」
な、何を言っておるのかわかっておるのだろうか……!
称号を返上して直弟子たる妾に継がせる、それはつまり……
「あらあら?」
「ふふ……ヴェルちゃんが『わたし』と言うのは随分久し振りだわ」
族長とエリス様がニコニコと笑っている…いやいや、和んで良い場ではなかろう!?
「エリス様……妾に《魔女》の称号を継げ、と言うことはつまり……」
どうにもエリス様の笑顔は妾にとって、厄介事の贈り物をする機会の時こそ最高の輝きを放っておるのぅ……とほほ
「そうよ?私と族長が教え込んだ魔術とレスター殿が叩き込んだ技術の総てで《魔女》だけではなく《守護者》の称号も纏めてかっさらいなさい♪」
…………なぬ?今、なんと……
…………《守護者》……も?
「はぁぁぁぁぁ!!!?」
「「うふふふふ♪」」
うふふふふ♪……じゃ、なぁぁぁい!?
何を考えておるのじゃあぁぁぁぁ!!!!




