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パンティ、ワテにくれへんか? スウィートバウム連続下着泥棒事件8

  ワーコル・クロッチーは蛙人族の画家で、『川に流れるエルフ』や『少女とドラゴンの戯れ』『振り向き蛙美人』などの名画を生み出して芸術界で知られる粋人である。

六十年以上生きているが、魔王大戦の最中、争いを嫌って大日国へ逃れ、そこで大日画の大人物であり現代の漫画という表現技法を生み出した鳥山明斎の人物をデフォルメした画風に影響を受け、愛らしくも肉感が良く、見る者に甘いイメージを与える独自の画風を生み出した男である。

魔王大戦後にカンティネント大陸に戻り、都市バルティゴで筆をとり名作をいくつも生み出している。

その絵はバルティゴ都市国家連邦の崩壊で大部分が失われてしまったが、現存するものには家を買える程の価値がつけられている。


 そのワーコル・クロッチーであるが、凄まじい程の女好きであった。(種族を問わず)


 「めんこい子は何人いてもいすぎることあらへん。ささ、こっちでワテと飲もうや」


 上機嫌で手招きするワーコルであったが、イチが欲しいのは連続下着泥棒の情報である。


 「ワーコルさん。私たちは酒を楽しみに来たわけじゃないんだ。実はお聞きしたいことがあって…」


 「なんや。酒飲みに来たんとちゃうんか。悪いけどワテ、そんな暇あらへんのや。また今度にしてくんなはれ」


 イチの言葉を聞いてワーコルは臍を曲げようとしている。

これはワーコルが正しい。

ワーコルは夜遊びを楽しみに来ているのだ。

その時間を見ず知らずの冒険者に邪魔される筋合いはない。

イチはまだ歳が若いせいかこの場での礼儀を知らない。


 が、ここでシーナが気まずくなり始めた空気を変えた。


 「ワーコルさんごめんなさい。私はシーナ・アハトゼヘル。こっちはイチです。イチが言う通り、ワーコルさんに聞きたい事があったんですけど、その前に一杯ご馳走になっていいですか? この街に来たのもこういう店に来たのも初めてなんです。だからどうしたらいいか教えてくれませんか?」


 シーナはそう言うとボックス席に腰をおろし、テーブルの上の瓶と氷の入ったアイスペールなどを取ると、

「ワーコルさんお酒が少なくなってますよ。私作ってもいいですか? あ、ゴメンなさい。勝手な事をして。ホステスさんの仕事を勝手にとっちゃいました」

とワーコルの酒をホステスの代わりに作ってしまう。


 このシーナの明るさに再びワーコルは機嫌を取り戻した。


 「なんやえらい面白い子やなぁ。それもえらいめんこい! ワテ気に入ったわ!今 日は特別ゲストや!こ の子にお酒作って貰うわ!」


 ワーコルは遊び方を心得ている粋人であったので、ベルとクリームに今度時計を買ってやる事を約束し気分良く席を離れさせた上でボーイに話を通し、ちゃんと店にも金を落とす事を約束した上でシーナとイチを臨時のホステスとして酒を作らせる事を認めさせた。

店としてもワーコルは太い客だったので特に何も言う事はなかった。


 「そしたら乾杯や! いやあ、こんなめんこい女子と飲めるなんてワテ、果報者やでえ!」


 ワーコルとシーナ、そしてイチのグラスがチンと音を立てる。

この時イチはシーナが着いて来てくれた事に深く感謝したと言う。

イチは酒が弱いのであまり飲めないが、シーナという魔法使いの少女には天性のホステスとしての才能があるらしく、飲んでも酔わずワーコルの他愛無い話に調子を合わせていつまでも笑顔を絶やさぬ事ができたのである。


 「ワテ、こう見えても画家や。シーナちゃんみたいなめんこい子を見るとこう、創作意欲が沸きまんねん」


 「いやーん! そんな事言われた事ないです! ねぇねぇ、今度私の絵を描いてくださいよ!」


 「ええがなええがな! なんぼでも描いたるさかい! 裸婦画でもなんでも描いたるさかい!」


 「いやーん! ワコールさんエッチです! そりゃ、シーナが魅力的なのは解りますけどエッチなのはダメです!」


 「エッチやおまへん! シーナちゃんのこのな、タンポポみたいな可愛らしい肌の色をな、こう、余すことなく表現してみたいんや! どや、今度ワテとデートせんか? デートの後に絵、描いたるわ。ワテに絵、描かれたおなごはみんな幸せになっとるさかい、イチちゃんもどや? ダブルデートっちゅーわけや」


 「いや、私は…」


 「ええー! シーナ困っちゃいます! でもでも、シーナちょっと興味があったり…」


 シーナとワーコルの会話にイチはついていけなかった。

逆になぜシーナがここまでワーコルに調子を合わせられるのかイチは不思議に思った。

実はシーナは都市ノアールカの名家の生まれで、小さい頃から舞踏会などで色んな人間を接待する真似事をしていたのでイチよりも遥に世慣れていたのであろう。


 「果報者や! こんな果報なことあらへんで! シーナちゃんもほんにめんこい。イチちゃんだって負けずべっぴんさんや! ワテ、幸せや! こんな楽しいのなかなかないでえ! ほんにありがとうな」


 ワーコルは上機嫌も上機嫌。

乗せさえすれば裸で踊りだしそうなほどであったと言う。

しかしこの後、ワーコルはとんでもない事を言うのであった。



 「そんでな、シーナちゃんとイチちゃん。どや?今履いてるパンティ、ワテにくれへんか」


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