第71話 不幸の巨乳
『やあ、クギーちゃん!よくぞいらっしゃいました、我がダンジョンへ!ビコーちゃん同様、大歓迎だよ!』
裸にされ、亀の甲羅の様に縛られ、自決用の毒薬も取り除かれたクギー。大歓迎だと言われたところで、覇気は無い。
そんな意気消沈なクギーに、パイから尋問がなされる。
「それじゃあ、早速尋問ね。クギー、あなたの知ってる情報について、洗いざらい白状しなさい」
「あの…やはりパイア王女様は魔族に通じてたんですね」
「私の事はいいのよ。まずはあなたの事を話しなさい。嘘をつけば、どうなるかは…分かるわよね?」
観念したクギーは、自身がどうしてここに来たのか、その経緯を説明。パイとダンは黙ってそれを聞く。
「…つまり、他に手がなかったんです。人質交換さえ成功すれば、自由になれたのに…セクシーな格好をしてでも成功させようと、必死で努力したのに…全てが無駄に…」
『いや、その努力は無駄じゃないよ!僕ちんはクギーちゃんのセクシーな格好を見て、極力傷つけない様、捕縛する事に専念したからね!』
ダンが必死に巨乳を讃えるが、クギーは意気消沈している。そこでパイが提案する。
「ちょっとダン、あなたの触手責めで元気にしてあげたら?」
『え?いいの⁉︎』
「いいわよ。その触手責めに対するクギーの対応次第で、今後のことも考えるからね」
『なんだかよく分からないけど、パイちゃんの許可も貰ったし、さあ!クギーちゃん!楽しい触手責めの時間だよ!』
パイの許可はあるが、クギーの許可は無い。それでもダンはクギーに対して、触手責めを開始するのであった!
◆
一時間程の触手責め。ダンは御満悦だが、クギーの意気消沈は変わらない。
『ほ〜ら、どうだいクギーちゃん!僕ちんの触手、気持ちが良いでしょ⁉︎』
「……」
何も答えられないクギー。そこでパイが質問する。
「クギー、正直に答えなさい。今の気持ちを素直に表すなら…なんて答える?」
「…気持ち悪いです」
「でしょうね」
『ちょっと〜!!クギーちゃん!パイちゃん!それは、おかしいでしょ⁉︎え?こんなに必死で触手責めして、気持ち悪いは無いでしょうが!』
ダンは必死に触手をウネウネさせるが、パイは無視して話を進める。
「もし、クギーが心にも無い言葉でダンを拐かそうとしたら、私はあなたを信じる事は出来ず、仲間に迎える事も拒否したところよ。まあ、ただの肉便器として、残りの余生を過ごすところだったでしょうね」
『え?パイちゃん、どういう事?』
「クギーがこの巨乳を使ってダンを誘惑したら…間違いなく、籠絡されるでしょ?」
『あ、はい。その自信はあります』
「保身のために、あなたに嘘をついて取り入ろうとするなら、わたしは許さなかった。でも、今のクギーは正直に気持ちが悪いと、素直な気持ちを吐いた。つまり、戦意喪失して敵意は無いと、判断できるわけよ」
『えーと、それはおかしくない?仲間になるなら、気持ちが良いって言うはずだし…』
「嘘をついて媚を売る奴より、正直者の方が信頼はおけるわよ。クギーは捕虜になってから、一度も嘘をついてないし、少なくとも今は信頼できるはず」
『なんか、納得は出来ないけど…まあ、パイちゃんが納得したなら、それでいいかな?』
「これだけの巨乳でありながら、ダンみたいなスケベな男の籠絡に使わないのよ?てっきり、売女としての本領発揮すると思ったんだけどね」
と、そこでクギーが反論。
「私は…この胸のせいでずっと辛い思いをしてきました。子供の頃に弓の才に気が付き、必死になって努力して弓術を磨いてきたのに、どんどんオッパイが大きくなって、弓が使えなくなるし!」
『クギーちゃん、それは自慢話だよ』
ダンのツッコミに、クギーは無視して話を続ける。
「弓の代わりになる魔法を鍛えて冒険者になったのに、一緒にパーティを組もうとする人は、誰もがこのオッパイを見て声をかけてくるし!女の冒険者は嫉妬して組んでくれないし!」
『うーん、魔性の巨乳だね!』
「冒険者ギルドに勤めて、必死になって仕事をこなして出世したら、巨乳を使って出世してるとか陰口を叩かれるし…」
『確かにクギーちゃんにパフパフして貰ったら、誰だって出世させちゃうよね!』
「王族とのコネクションを作っても、ナーム女王もパイア王女も、どちらも血も涙もない冷血人間だし!」
『おおっと⁉︎ここでそれとなく、パイちゃんディスり⁉︎』
「新人冒険者専用依頼は次期教皇がいて捕虜になるし、ギルドの金庫は襲われるし、銀行に預けてたお金も取り返せないし、逃げ出そうとしたら捕まってダンジョンとの交渉に使われるし、捕まったら変態に触手責めにされるし…もう、この巨乳は嫌なの!私にとって災しか呼び込まないんだもの!」
『途中から巨乳は関係無い話になってたけど…まあ、理解したよ。クギーちゃんが大変だった事はね』
クギーの悩みを聞いたダンとパイ。二人は今後について、クギーと話す事にした。
「私としては、クギーは信用できないと思ってたけど…話を聞いた限りじゃ、仲間にしても問題は無さそうね」
『パイちゃんの公認も頂いたし、これでクギーちゃんはハーレム第一号だね♪』
「え?ハーレム?何のことですか、それは?」
そこでダンは説明した。自身が人間から魔族になったこと。それとパイとの契約、王都への襲撃について、全てを語った。
◆
「そんな話…信じたくはありませんが…多分、本当なんでしょうね」
半信半疑のクギーに、パイが説明する。
「私はこれから親の仇であるナームとアミ、その他大勢と構えるつもりよ。ダンの力で魔族になってね。そこでクギー、あなたはどうする?私はあなたを仲間に迎えるのに、反対の立場だったけど…あなたの態度を見て、仲間になるのを賛成するわ。どう?同じ魔族にならない?」
「…拒否した場合は、どうなりますか?」
「ダンは元人間で、女には特に優しいからね。拒否しても殺されたりはしないわよ。まあ、外に逃すわけには行かないから、このダンジョン内で暮らすしか無いけどね」
「…なら、少し時間を下さい。一応、前向きには検討してみます」
『いやっほ〜い!眼鏡巨乳のクギーちゃんがハーレム第一号に決定したぜ〜!』
大喜びをするダンであったが、パイが冷静にクギーの気持ちを読み取る。
「時間をかけて検討するってのは…あれが嫌だからでしょ?」
「あ、はい。そうです。何で私がハーレムの第一号に?それにあれだけ巨乳が嫌だって言ったのに、眼鏡巨乳とか呼ぶし…」
呆れるパイとクギー。そんな事は気にせず、触手をウネウネとさせながら、大喜びをするダンなのであった。
第5章 完
これにて第5章、終了です。
予約投稿で二ヶ月分、後書きに「毎日更新頑張ってますので、応援お願いします!」なんて書いたりしてたのにね…。
クレーム来たせいで毎日更新をやめて、予約投稿を全て打ち直し、後書きも全て修正…。
愚痴を書きたいけど、応援してくれてる読者にしてみれば読みたくも無いだろうから、愚痴はグッと我慢。うん、ツライ。




