第31話 マネオ
ひっそりと再開…。
(´-ω-`)
ジョンが王都に来てから一ヶ月が経った。その一ヶ月はとても有意義な時間であり、ダンとの約束である「一ヶ月以内に戻ってくる」という約束を忘れさせるほどであった。
裏社会の実力者であるシロキ。とてもテクニシャンの美女だ。そんな美女と愛人契約を結び、毎日のようにお互いが貪り合う。更に衣食住も提供してもらい、お金まで貰える。最高の環境だ。
更に、それだけではない。シロキはジョンに対して、より多くの女の子の相手をするように勧めている。底の見えないマグナムの潜在能力を、より引き出させる為に…。
ある時、八百屋でバナナを購入したジョンは、その場でバナナを美味しく頂いた。
と、そこに八百屋の常連客であり、バナナ好きの女の子、チヨコが来店した。
しかし、その日最後のバナナはジョンが食べてしまった為、売り切れに。悲しむチヨコ。仕方ないので、ジョンはバナナの代わりにマグナムを差し出した。
バナナ好きのチヨコは大変美味しく、マグナムを味わうのであった。
また、ある時。鰻屋で特上鰻重を注文したジョンは、美味しく鰻重を頂いた。
と、そこに鰻屋の常連客であり、鰻好きの女の子、ウナミが来店した。
しかし、その日最後の鰻はジョンが食べてしまった為、売り切れに。悲しむウナミ。仕方ないので、ジョンは鰻の代わりにマグナムを差し出した。
鰻好きのウナミは大変美味しく、マグナムを味わうのであった。
またまた、ある時。キノコ屋で高級マツタケを注文したジョンは、美味しくマツタケのお吸い物を頂いた。
と、そこにキノコ屋の常連客であり、マツタケ好きの女の子、マツコが来店した。
しかし、その日最後のマツタケはジョンが食べてしまった為、売り切れに。悲しむマツコ。仕方ないので、ジョンはマツタケの代わりにマグナムを差し出した。
マツタケ好きのマツコは大変美味しく、マグナムを味わうのであった。
またまたまた、ある時。漬物屋で茄子の漬物を注文したジョンは、美味しく茄子の漬物を頂いた。
と、そこに漬物屋の常連客であり、茄子好きの女の子、ナスミが来店した。
しかし、その日最後の茄子はジョンが食べてしまった為、売り切れに。悲しむナスミ。仕方ないので、ジョンは茄子の代わりにマグナムを差し出した。
茄子好きのナスミは大変美味しく、マグナムを味わうのであった。
またまたまたまた、ある時。肉便器屋で高級肉便器を注文したジョンは、美味しく高級肉便器を頂いた。
と、そこに肉便器屋の常連客であり、肉便器好きな女の子、レズヨが来店した。
しかし、その日最後の高級肉便器はジョンが食べてしまった為、売り切れに。悲しむレズヨ。仕方ないので、ジョンは高級肉便器の代わりにマグナムを差し出した。
肉便器好きのレズヨは大変美味しく、マグナムを味わうのであった。
またまたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまた…と、そんな生活を送るジョン。そして、夜になれば愛人契約を結んでいるシロキの相手を。
これほど、充実している生活が他にあるだろうか?ダンとの約束を忘れるのも、仕方のない事だ。
…だが、こんな生活を続けていれば、多くの敵を作る事になる。人間としての常識が欠如しているジョンは、その事に全く気が付いていなかった。
見事なまでの30cmマグナムで無双するジョン。女性からは支持をされるかも知れないが、男の立場で考えればどうであろう?これ程、目障りな存在は無い。
特に、裏社会における圧倒的な影響力を持つシロキとの愛人契約。これが最も問題だ。
確かにシロキは立場上、敵が多い。しかし、その敵は殆どが同業者である女達だ。
寧ろ敵が多い反面、支持者も多い。裏社会に生きる男達は、その殆どがシロキを支持しているのだ。
若さと美貌。そしてテクニシャン。夜の店を切り盛りする経営手腕もあれば、裏社会の男達からマドンナ的存在として扱われるのも無理はない。
そんな裏社会のマドンナが、愛人契約をした。相手は30cmマグナム。どの男も太刀打ちできない、見事なまでのマグナムだ。
多くの男達から、マドンナ的存在とされてきたシロキとの愛人契約。更には町の女の子にも、手当たり次第に手を出すしまつ。
…このような存在を、果たして王都の男達は見過ごす事ができるのであろうか?
血気盛んな裏社会の男達が、その不満をいち早く爆発させる。
そして、その爆発の中心地にいたのは…他の誰でも無い、シロキの右腕として活躍している、マネージャーのマネオであった。
シロキに対して絶対的な忠誠を誓う男が嫉妬に狂い…遂には、シロキの最も大切にしている男に対して、牙を剥くのであった…。
◆
「どうですか、気分の程は?」
シロキの右腕としてセントラル・フォックスを切り盛りするマネオ。
その顔はもう、店内での営業スマイルでのマネオなどでは無かった。額に青筋を浮かべた裏社会の住人の顔、そのものである。
「あ、あの…マネオさん?これは一体、どういう事ですか?」
状況がよく掴めていないジョン。寝込みを襲われ、気が付いたら王都から離れた、夜の森の中に。
手足を縛られ、木の枝に吊るされ…まるで蓑虫の様な有様だ。
そんな蓑虫となったジョンを、マネオを含む六人の強面が取り囲む。悪い予感しかしない。
「ふうー。どういうことか…分からないと?なるほど。こんな時でも空気が読めないんですね」
マネオは吸っていたタバコを足元に捨て、力強く踏みにじる。まるで内なる怒りが溢れ出る様に、グリグリとタバコの吸殻を踏みにじる。
殺気立つマネオ。他の五人も同様に、ジョンの態度に苛つきを覚える。
何故このような状況になったのか、全く理解できないジョンは、そのまま黙りこむ。何かを話せば、逆に相手を苛立たせるように感じたからだ。
そんな黙するジョンに対し、マネオは淡々と話し始めた。
「シロキ様は…とても素晴らしいお方だ。あの美貌に聡明さ。圧倒的なカリスマに、裏社会でも一歩も引かない胆力。そしてテクニシャン。まさに女帝の名に相応しいお方!」
シロキを褒め称えるマネオは、恍惚とした笑みを浮かべている。しかし、そのシロキと愛人契約をした男の話になると、途端に鬼の形相となる。
「そのぉぉぉぉぉ!素晴らしき女帝にぃぃぃぃぃ!悪い虫が着いたらぁぁぁぁぁ!許されると思うかぁぁぁぁぁ⁉︎」
マネオの雄叫びにジョンがビクリとする。
悪い虫…それが何なのかは分からなかったが、話の流れかすると自分のことなのではないかと、何とか理解する。
「あの、マネオさん…僕が悪い虫ってのは、一体…?」
「お前がぁぁぁぁぁ!シロキ様と愛人契約を結んだのはぁぁぁぁぁ!まだ我慢できたがぁぁぁぁぁ!たとえ、シロキ様の命令であってもぉぉぉぉぉ!町の女にまで手当たり次第に手を出してぇぇぇぇぇ!世の男どもがぁぁぁぁぁ!黙ってると思ったのかぁぁぁぁぁ⁉︎」
マネオの鉄拳がジョンの鳩尾にめり込む。
「ぐはっ!」
呼吸が出来なくなる程の一撃にジョンは目を白黒とさせるが、こんなものはこれから始まる私刑の序章に過ぎなかった。
シロキと愛人契約をしている男を拉致し、私刑をする。これはあからさまな、シロキに対する反逆行為である。
たとえマネオがどの様な言い訳を並べたところで、シロキからの信頼を踏みにじる行為に変わりはないのだ。
…それを理解しながら、それでもジョンを拉致したのだ。
つまり、マネオは自分が今まで築き上げてきた全てのものを失う覚悟で、ここにいる。
殺す覚悟と死ぬ覚悟。その双方をもっての私刑だ。一撃の重さは鉄よりも重い。
今回の私刑に参加した他の五人の強面の男達…裏社会でも、それなりの地位にある男達だ。
マドンナであるシロキと愛人契約したジョンに対して、人一倍殺意を抱いた五人。マネオ同様、今回の拉致に参加したのは、それなりの覚悟があってのこと。
死ぬ覚悟はないが、殺す覚悟はある。そんな覚悟の強面の五人。
そのうちの一人の強面が、ジョンの髪を掴み上げ、殺意を剥き出しにしながら吐き捨てる。
「てめぇ…俺らのマドンナ、シロキさんに手ぇ出してよぉ…他の男共が黙ってると思ってんのかっ⁉︎」
そのまま男の鉄拳がジョンの顔を殴りつける。蓑虫の様に吊り上げられたジョンは、そのまま反対方向へと振り子の様に吹き飛ばされる。
そんな吹き飛ばされたジョンを、今度は別の男がキャッチ。胸ぐらを掴み、同じ様に吐き捨てる。
「俺達のシロキさんはよぉ!てめぇみてぇな、ただデカイだけの男に寝取られる様な女じゃねぇんだよ!気紛れで相手にしてもらっただけで、調子こいてんじゃねぇよ!」
男の鉄拳が脇腹にめり込み、肋骨にピキピキとヒビが入る。そして再び別の男に掴まれ、暴言を吐かれると殴り飛ばされる。
それが永遠と続く。殺意に満ちた私刑。
生まれて初めて本気で殺しにかかってくる者の殺意と悪意。その恐怖にジョンは必死で命乞いをする。
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!許して下さい!僕が悪かったです!もう、やめて下さい!これ以上殴られたら、僕は死んじゃいます!助けて下さい!」
ジョンは必死に泣き叫んだが、既にその命乞いが通じる状況では無かった。
死ぬ覚悟と殺す覚悟で拉致したマネオ。今更、自分の命なんぞ惜しくはないし、殺すことへの躊躇いすら無い。
寧ろ泣き叫ぶジョンの更なる悲鳴が聞きたくて、私刑はどんどんエスカレートする。ジョンの全身の骨はみるみるヒビが入り、そのまま砕け、一部の骨は肉を突き破り、顔を覗かせている。
◆
小一時間の私刑により、ジョンの全身の骨は砕け、血に塗れ、肌は紫色を通り越して黒ずみ、生きているのが不思議なぐらいの致命傷を負っている。
だが、そんな全身傷塗れのジョンの体の中で、唯一無傷な場所がある。それが、マグナムだ。
恨みが人一倍向けられている筈のマグナム。それが無傷。その理由をマネオが遂に語り出す。
「…シロキ様を誑かした、そのマグナム。これからどんな目に合うか分かるか?」
「…?う…あ…う…あ…」
肉塊となった体では、マトモに喋ることも出来なくなっていた。そんなジョンを無視してマネオは話を続ける。
「俺達はちょうど六人。だったら一人5cmづつ、分け合えるんじゃないか?」
そう言うと、六人全員が一斉にナイフを取り出す。30cmマグナムを六人で切り落とせば、一人5cmの計算になる。そう言うことであろう。
私刑のメインディッシュにマグナムの切断。それを理解したジョンは全身ボロボロの状態でも、必死でもがいて命乞い。
「う…あ…あう…ええ…」
涙がポロポロと流れ落ちるが、マネオが態度を変える事はない。ただ、淡々とこれからのジョンの行く末を語る。
「これから俺達はお前のマグナムを切り落とす。仲良く六当分だ。その後、お前はどうなると思う?」
「…?」
「安心しろ。町に返してやる」
ニコリと笑うマネオ。ひょっとして助けてくれるのかと、一瞬ジョンは期待を持ったが、それは突き落とすためにあえて放った、非情なる言葉だった。
「マグナムを切り落とされたお前を見て…さて、誰がお前を助けてくれると思う?町の男達は誰もがお前を恨み、女達は肝心のマグナムを失ったお前を見て、助けてくれると思うか?男も、女も、マグナムを失ったお前なんか、だーれも相手にするわけねぇだろうが!ズタボロのまま、お前は野垂れ死ぬんだよ!理解できたか⁉︎」
残酷なまでのジョンの末路。不可避の死。自分は一体、どこで道を間違えたのか?
死の淵にあるジョンは、走馬灯の様に脳裏に現れる過去の記憶を見ながら、己の不甲斐なさを呪うのであった…。
2020年2月19日に運営から性描写があると、クレームが。いや、医療行為やスパルタ教育などと書いてあるけど、性描写は無いよ?
性描写については時間を飛ばしてますから、描写なんかしておりません。でもクレームが来たので従うしかありません。迷惑な話です。
この作品を発表する時に、毎日更新という制約を設けて、二ヶ月分のストックもでき、良い調子で執筆していたのに、突然嫌がらせを受けて毎日更新をやめました。
これを書いているのはクレームが来た日です。どこに問題があるのだと、運営に問い合わせても、自分で探せの一点張り。いや、問題が無いのにあるとか言うから、どこだと聞いてるんだよ?
正直、凄く楽しんで書けてたのに、たった一度の嫌がらせで創作意欲が激減して、ふてくされてます。本当に迷惑…。
今後のストーリーについても、嫌がらせに近いクレームが来るかと思います。「マグナムで無双する」とか「マグナムを味わう」とか、問題は無いと思われる描写に対しても、難癖をつけられる可能性があるからです。
売れてる作家さんが嫌がらせを受けるのは分かります。嫉妬している連中とか、世の中には沢山いますから。
でも、僕みたいな底辺作家にまで嫌がらせをするって、どれだけ暇なの?アホらし…。
この作品に対しては、「小説家になろう」のみでの投稿予定でしたが、別のサイトでの投稿も視野に入れてます。
アカウントが凍結する可能性もありますからね。避難場所を設けるようしておきます。
作品は必ず完結させますが、ここで完結が無理なら、他所で完結させます。その時は、そちらでご覧下さい。
現在(2020年2月19日)、二ヶ月分ジャスト予約投稿をしてあります。これから一時間毎に、二ヶ月分を投稿します。
更に書き溜めが増えていれば、三ヶ月分以上、投稿されるかも知れません。
再び運営や一部の読者からの嫌がらせで、読めなくなるかも知れませんので、応援してくれてる読者の方は、早目に読んでやって下さい。
では、一時間毎の更新…始まるよ!
(๑و•̀ω•́)و




