#9 まさかのエロ回!?
ホテルの一室に若い男女が一組。
「──ヤッちゃう?」
「あぁ、成り行きってやつ──」
興奮しているのか、そう答える男の息は少し荒いっぽい。
「──ま、いいわ。気持ちよさそうだし」
「そうこなくちゃな。んじゃイクぞ──」
「あっ──」
今夜は激しくなりそうだ。
✣ ✣ ✣ ✣ ✣
スタジアムを後にした俺達は、先の戦闘で血塗れになった美沙の要望により、シャワーを浴びれる施設に向かっていた。
「それにしても、くっさいな」
「それにしても、くっさいわね」
美沙の全身についたレヴェの血は、時間と共に乾燥し、今では酷い悪臭を放っている。
「それ本当に血の臭いか?」
「何が言いたいのよ」
「まさか汗臭だったり……」
「……殺っちゃうわよ?」
「冗談だよ」
美沙が言うには、廃墟となったこの街にも様々な発電方法により、電気が使える施設があるらしい。
温水のシャワーが浴びれるらしく、お気に入りの場所だと言う。
「着いたわ。ここよ」
「へー、ここが……」
お城のような豪華な外装。煌びやかに光っていたであろうネオンプレート。
かなり廃れてしまっているが、そこがどのような場所かは、一目瞭然だった。
「へー……あっ、ふーん」
「どうしたのよ?」
「……誘ってんの?」
俺はエロい目で美沙を見つめる。
「何言ってるのよ、違うわよ。……ちょ待って目がキモい」
「はー、そうなの? ふぅーん。ま、とりあえず入ろうぜ」
俺は大人だ。突然のことにも紳士な態度で事を進め、事に至らせる。
──ゥァァァヴォォ!
と、その時だった。自動じゃない自動ドアを抜けた瞬間、かなり体格のいいレヴェが掴みかかってきた。
「うっ、わ。くっ……そ。ちょ、助けて」
そのレヴェは元はここの従業員だったらしく、それっぽい制服を着用している。しかしそれもサイズが合ってるのか不安になるくらいはち切れそうになっている。
「ふふっ、いいじゃない。多分そのレヴェ誘ってると思うわよ?」
美沙は助けてくれそうになさそうだ。
俺は全身に力を込め、なんとかレヴェを押しとどめる。
「ふっ……うぐっ……ん?」
レヴェの様子がおかしい。身体を不自然なくらい小刻みに震わせている。力を込めているだけじゃこうはならないだろう。
「ちょ、そろそろ限界か──え?」
それは突然のことだった。あんなに体格の良かったレヴェの身体がみるみる細くなり、変わりに膨らんだ頬から、大量の吐瀉物が放出されていく。
「ウボッ、おっ、オエーッ、ガボッ、ゲボッ、う、ウエッ、おぇーっ」
「ふっ、うふふっ、ふふっ、あっはっはっはっは! あーっ、はっはっは!」
そんな俺のえづきと美沙の笑い声の異種コーラスが周囲に響き渡った。
✣ ✣ ✣ ✣ ✣
吐瀉物の滝での修行を終えた俺の前にレヴェはもういなかった。
その後、俺は部屋へと走り、すぐにシャワーを浴び、身体を綺麗にした。
「ちょ、ふふっ、大丈夫?」
「まだ笑ってんのかよ」
シャワーから出てきた美沙は、髪を拭きながら俺にそう話しかけてきた。
「あいつは絶対に許さねぇからな。制服の名札も見たから名前も覚えたしな」
「名前まで覚えたの.......殺っちゃう?」
「あぁ、〝成之〟ってやつ。あいつだけはぶっ殺してやる.......手伝ってくれるか?」
「そこは一人でやりなさいよ.......ま、いいわ。気持ちよさそうだし」
「そうこなくちゃな。んじゃ行くぞ!」
「あっ、これだけ言っとくわ。見た感じあのレヴェ結構強いと思うからそこだけ注意した方がいいわよ」
「……まじで?」
今日のとこは勘弁しといてやろうかな。
早くもネタが尽きました。




