第6話 街の中!
とりあえずウチら一行は何とかおっかない夜が来る前に街の前迄来る事が出来た。
そして、今勇者君がお金の無いウチら二人に変わり街から危ない何かを守る門番にお金を渡している。
別段勇者君が賄賂を渡しているわけじゃ無い、と言うか賄賂何て出来そうな人間じゃないしね。
勇者君がやっているのは、街の住民カードが無い人が街に入る為の通行料だ。
通行料は銀貨一枚らしい、ウチら二人には銀貨一枚がどれほど価値があるのかは分からないが、一般人も通っているから高くはない筈……少し高いかも知れないが。
そして、程なくしてウチらが街の中に入る事を許可された。
結局の所最後の最後迄、門番さんはウチの事を不審な目付きで見ていた、勇者君が居なかったらこの街に入れなかったかも。
流石にこんなゴツいパワードスーツを着てたら誰でも怪しむけど……因みに本来なら両手で持っているM61は手には無い。
森を歩いている際に勇者君が教えてくれた、魔法『ボックス』これは此処とは違う空間を開き、物の収納が出来る魔法で聞く限りヤバそうだが、危険は無く比較簡単な魔法らしい。
つまりその一見ヤバそうだがヤバくない魔法を使い、M61を収納したんだ。
「「うわぁ…!」」
ウチと奏が街に入った途端にそう感激する様な声を発した。
それもそうだろう、中は昔の西洋諸国の様な建物が立ち並び人間で溢れかえっていたのだ、今迄見たことがない位の賑わいだ、人間特に好奇心が旺盛が人間ならば初めて見た奇妙な物に凄まじい反応を示すらしい。
ウチは兎も角、奏もウチ同様興奮した様な声を上げた…なんで珍しい…奏自身異世界とかそう言うのは好きらしいから、真っ当な反応なのかも知れない。
この街の光景を見た事でウチは恐らくやっと此処が異世界であるという事を認識した気がする。
「とりあえず、此処に留まるより移動しよう夕御飯時だし丁度いい宿があるから案内するよ」
「おっと…勇者君やい、ウチらは当然ながら金なんてものは無いよ……まさかその宿でウチらとまっピンクな事をしようなんて考えてない?」
「神無…」
ガスンと奏がドスの効いた声を発し、ウチの足を蹴るが今のウチはガチガチのパワードスーツを着ていて、そんな脚を蹴ろうものなら。
「〜〜‼︎」
言わんこっちゃない、とても痛そうに悶絶する奏を見ながら取り敢えずしゃがみこみ足をさすっていく。
「痛いの痛いの〜勇者君に飛んでいけ〜」
「え⁉︎」
「飛んでけ〜」
日本に伝わるおまじないを言った途端、奏が痛い足を引きずりながら勇者君の顔を思い切り殴り付けた。
お前が飛んでってどうする。
「いっいきなり何するのさ⁉︎」
殴れた勇者君は驚きながらそんな事を言うが痛がっている様子は見られない、流石勇者君だ。
「〜〜‼︎……お前が…アタシらに変な事しようとするからだ…」
対して奏はかなり痛がりながら、苦悶しながらそんな事を言う。
人間の顔なんて思い切り殴り付けたらそりゃ痛いさ、ましてやか弱い女の子が殴るとなると。
「全くなんてお馬鹿さんなんだいアンタは、人の顔を殴る時はタオルを巻けって言われなかったかい?」
「せんせータオルがないですー」
「そん時は素手で殴れ素手で」
「えー」
「因みに奏よ、今のはお姉さんなりの冗談だよそアネジョーク」
「死ね」
………か弱い女の子が中指立てて来ましたよ、この子中指立てて来ましたよ!なんて野蛮なんでしょう。
「因みに……神無さん?今のジョークの意味は?」
困惑しながらそんな事を聞く勇者君、まさか意味を知らないとはお姉さん…お兄さんビックリだ。
「あー……つまり…アレよアレ…金の代わりにお兄さんとセックスしよって内容を簡単にしたジョークよ」
すると、勇者君の顔が真っ赤に染まり口をパクパクさせる。
こんなに耐性とか無いものなのね、案外ムッツリとか思ってたけど……その前にあんまりにもドストレート過ぎて周りがザワザワと煩くなってきた。
異世界でもセックスの意味は同じなのか。
「あー……取り敢えず勇者君、君の言ういい宿まで案内して欲しいな因みにまだウチはセックスする気は無いよ、暫く処女を守るつもりさ、すまんね」
「神無‼︎このドクサレビッチ!本当死ね‼︎」
未だ赤い顔の勇者君と顔を怒りで真っ赤にし、過激な言葉を捲し立てる奏の手を握りそのまま走り出す。
一体ウチは何処に向かっているのだろう?




