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始まり
仕事帰りの帰り道
真っ直ぐ帰りたくない日もある。
電車に乗り席に座る。朝のラッシュ時間より、帰りの時間帯は乗客が少ない。
『あー、疲れた。』と、バックを抱え座る。
乗車時間40分。周りの人達は、スマホ片手に下を向く。パソコンを一日中触っている私は、スマホを見る気にはなれない。沈黙の空間。
「降りたら、街中歩いてから帰ろう。」
ドアを開け出ると、改札口に向かう人々が行き交っていた。
あてもなく歩いていると、こじんまりとした雑貨屋が目に入った。「入ってみよう。」
木目調の店内はいろんな小物が置かれていた。
文具コーナーが目にはいる。万年筆、カラフルなインク瓶、レターセット。
「手紙かぁ。全然書いてないなぁ。」手に取るも戻す。カラフルなハンカチが、仕切りのボックスに並べられ、広げて見ては柄を見て戻す。歩き進めていくと、何か視線を感じ後ろを振り向くと浴用コーナーが壁側にあった。視線の先にあったのは、木の桶に豆絞りの布と一緒にアヒルが2つ。アヒルの目と目が合ってしまった!
あの黒く丸い目に惹かれるように足が動いていた。「懐かし~いなぁ。」手に取り見ていると、もう1つのアヒルが私に目で訴えていた。いや、そう感じた。
私は2つのアヒルを手に取りレジに向かった。




