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百七話 守護騎士たちの秘密会議②

あとがきに人気投票中間発表。


 二匹がそろって白い目を向けてくるので、アレンは強引に話を戻した。まだ一週間しか経っていないため、恋人と自称するのはけっこう勇気が必要だった。

 それはともかくとして。

 

「奴について、それとなく聞き込みしたところ……どうやらリカルドは一ヶ月ほど前からあの街にいたらしい」

『そんな前からあそこにいて、いまごろママをねらうのか?』

「いたのはあいつ一人だけだ。手下どもは大抵別行動で、探りを入れていたらしいな」

 

 まず、頭目のリカルドが標的を探る。

 そうしてじっくりと観察して……狩れると判断した場合に手下たちへと召集をかけ、集団で獲物を狙う。

 それが彼らのやり方らしい。

 

「そしてここ数日、街ではリカルドのような獣人の姿が増えているらしい。どうやら近々仕掛けるつもりのようだ」

『ふうん……ルゥたちがいるっていうのに、なめられたもんだね』

 

 ルゥはぐるる、と唸る。

 実際のところシャーロットのそばにいるのはアレンにフェンリル、そして地獄カピバラだ。

 いくら集団でかかるとはいえ、かなり荷が重い相手だと自分でも思う。

 ゴウセツも顎をなでて「ふーむ」と天井を仰ぐ。


『ダメ元の特攻か、それともそれ相応の自信があるか……どちらかでございますな』

「そう。だから俺たちで片付けるしかない」

『猫のおねーちゃんとか、あのデカブツたちにはたよらないの?』

「あいつらはリカルドの殺気に気付けなかった。対処できるのは俺たちだけだ」

 

 あの場にいた者たちの中で、リカルドに気付いたのはこの三名だけだ。

 ミアハたちを巻き込んでも、むやみに危険に晒すだけになる。それだけはなんとしてでも避けなければならなかった。

 

(エルーカや叔父上、それに叔母上に協力を求めるのも悪くはないが……時間が掛かるだろうしなあ)

 

 エルーカには調べ物を任せている最中だし、義両親は忙しい身だ。

 いくらアレンの頼みとはいえ、すぐに動いてもらうことは不可能だろう。

 ゆえに実働部隊はここにいる三人だけ。そして、勝負を仕掛けるなら――早い方がいい。

 

「ひとまず明日……勝負に出ようと思う」

『あした……? あしたって、まさか……』

「その、まさかだ」

 

 ルゥがハッと息を飲む。

 どうやらアレンの言いたいことを察したらしい。ふっと不敵な笑みを浮かべて、堂々と宣言する。

 

「明日、シャーロットとデートをしながら敵をおびき出し……向かってくるやつらをすべて生け捕りにする! もちろんシャーロットに気付かれないようになあ!」

『バカなのおまえ!?』

「何を言うか。色々考えたが、これが一番手っ取り早いんだ」

 

 敵がいつ仕掛けてくるか分からないのなら、こちらから隙を作ってやればいい。その方が対処もしやすいし、一網打尽にできるはず。

 それならデートはうってつけだ。ふたりきりになるし、さぞかし浮かれた油断オーラが振りまけるはずだろう。


 そう告げると、ゴウセツはすっと目をすがめてみせた。

 

『しかしそれは……シャーロット様を餌にする、ということに他なりませぬが?』

「それは否定しない。俺が全力で守るが、危険には変わりないだろう」

 

 アレンは肩をすくめるしかない。

 この作戦はシャーロットを囮にするようなものだ。

 本当なら安全が確保できるまで自宅待機が望ましいが……そうも言っていられないわけがある。

 アレンは額を押さえ、呻くように言う。

 

「あいつ……明日のデートを楽しみにしていただろう。それを賞金稼ぎどもが狙っているから無期限延期、なんて言えるか?」

『ああ……たしかに』

 

 ゴウセツはしごく納得とばかりにかぶりを振る。


 明日デートしようと告げてから、ずっとシャーロットはそわそわし続けていた。

 食事中も上の空で、アレンと目が会うたびハッと顔を赤らめて口を噤んでしまう始末。きわめつけには早々とお風呂に入り――。

 

「明日は、その…………ふ、ふつつか者ですが、よろしくおねがいします!」

 

 そう言って、逃げるように自室へこもってしまった。

 ルゥも渋い顔をしてみせる。

 

『たしかにママ……ねる前まであしたの服とかアクセサリー、すっごくなやんでたものね……』

『ドキドキして寝付けないからと、儂に子守唄をせがむほどでしたな』

「そうだろ、そうだろう……まったく、本当に……はあ」

 

 アレンは天井を仰ぎ、晴れ晴れとした顔でこぼす。

 

「俺の恋人がかわいすぎて辛い」

『ねえ、おばあちゃん。こいつそろそろかじっていい?』

『いけませんぞ、ルゥどの。こんなのでも貴重な戦力でありますゆえ』

 

 グルルと唸るルゥのことを、ゴウセツはぽんっと叩いて宥めてみせた。

続きは10月21日(月)更新します。


人気投票の中間集計発表を以下に掲載しておきます。

一位二位はわりと予想通りでした。さあどちらが一位か!一位はオフの日SSを書き下ろします。書籍用店舗特典SSとはまた別です。


今月いっぱいで締め切る予定ではございますが、ゆるゆるお付き合いください。さめに投じてくださった方々にも感謝です。なんでや。

また、コメントは終わってから一部抜粋して返信させていただきます。すべて目を通しております。ありがとうございます。



【人気投票中間集計発表】


一位 ?? 89票

二位 ?? 61票

三位 ミアハ 22票

四位 ゴウセツ 18票

五位 ルゥ 15票

六位 エルーカ 7票

七位 ふか田さめたろう 3票

八位 ナタリア(シャーロットの妹)&『ユノハ・リゾーツ』人魚のコンシェルジュ 1票



それと人気投票とは別に特典SSのリクエストも募集しております!

頼みますのでネタをください。どのキャラのどんなシーンが見たい等々なんでもいいです。よろしくお願いいたします!


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コミカライズ十巻発売!
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― 新着の感想 ―
[気になる点] さっすがミアハさん!!!3位だぁ!!ん?その下...ゴウセツさん?!?!!?!!!??!?!?!??!! [一言] 囮作戦かぁ...腹黒王子のやってたやつを思い出してしまう...失敗し…
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