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~初等科3年生の始業式~

今日は始業式です。

私は初等科3年生、お兄様は高等科2年生になりました。クラス替えが楽しみです。

初等科3年生になりました。

今年はクラス替えがあります。始業式の前に新クラスの手紙が配布され、その指示に従い、各クラス男女1列ずつで並びます。並び方は初めのうちは名前順で並びますが、身体測定以降は身長が低い子が前、高い子が後ろに並びます。


配布されたプリントを見ると、私は『南』組でした。姫峰会で同じクラスの子は、『吉野(よしの) 桜子(さくらこ)』ちゃんと『(みなもと) 袈蓮(かれん)』ちゃんです。

更に、君鸞会の男子で『南』組の子は、『加藤(かとう) 慶伍(けいご)』君と『九条(くじょう) 高士郎(こうしろう)』君です。


始業式が始まりました。

理事長や校長先生のお話があり、来賓(らいひん)紹介、国家・校歌斉唱、PTA会長のお話…と続き、終盤に各クラスの担任発表がありました。

『南』組の担任の先生は『磯貝(いそがい) 則昌(のりまさ)』先生です。磯貝先生は、目が大きく(ひたい)の広い中年男性です。去年磯貝先生のクラスだった子に聴くと、彼は時々面白い事を言ったり、休み時間には一緒に遊んでくれたりと、先生方の中でもかなり子供好きのようです。

私は、とても先生に恵まれています。初等科中学年も楽しく過ごせそうなので何よりです。


始業式が終わり、私たちは教室へ行きました。

沢山のプリントを配布され、新しい教科書も配られました。私は大きな紙袋を持ってきたので、それに教科書を入れました。3年生からは『理科』『社会』が登場し、時間割りも最大が6時間授業になります。6時間授業の日は、月曜日、火曜日、木曜日となります。水曜日と金曜日は5時間授業のままです。水曜日は職員会議等で先生方が忙しく、逆に金曜日は週末にアウトドアに出かける子が多い事を考慮したのだと思います。更に、月に1回は土曜日に午前中だけ授業があります。『土曜授業』と言うのだそうです。

この学園のカリキュラムの特徴としては、副教科に力を入れている事です。ほぼ全ての子が大学まで内部進学することが確定しているので、わざわざ中学受験を意識した中流階級に人気な詰め込み型の勉強ではなく、様々な文化や教養(きょうよう)を大切にしていき、豊かな精神を育む教育方針なのです。ですので、帝鸞学園の子は、男の子も含め、ほとんどの子が「茶道」「お琴」「剣道」等の日本の文化や礼儀作法に関する習い事を1つはしています。逆に、私のように学習塾に通う子は男の子でもあまりいません。更に男の子では、水泳や剣道を習っている子が多いです。普通の考えでは、帝鸞に通う子ならゴルフ等のもっとお金のかかる習い事をするのかと思いますが、それは勝手な思い込みです。上流階級の子弟は、スポーツの習い事は『水泳』 『剣道』『テニス』辺りが多いのです。さすがに野球やサッカーを習っている子はほとんどいませんでした。

『水泳』は全身運動で持久力を高めますし、『剣道』は男の子らしい精神を育成します。『テニス』も、最後まで諦めない事の大切さ、紳士的なスポーツマン・シップを育成します。どの子も、比較的多くのお金を掛けて習わせてもらっているので、中々の腕前なのです。

それに対して帝鸞の女の子に人気な習い事は『お琴』『ヴァイオリン』『ピアノ』等の器楽、『日本舞踊』『茶道』『華道』等の日本文化、『スケート』『バレエ』『社交ダンス』等の西欧文化に分類されます。器楽では男の子も『お琴』を習っている子が多く、圧倒的に人気です。その次にヴァイオリンとピアノが続きます。ちなみに『(みなもと) 袈蓮(かれん)』ちゃんは、お琴とヴァイオリンとピアノを3つとも習っているそうです。日本文化はどれも同じくらいいて、西欧文化の習い事では『社交ダンス』が圧倒的です。間違ってもロックやポップス等のダンスは皆無でした。

そして帝鸞の子には、地域の合唱団に入っている子も多く、上流階級の親は自分の子を早くから社会に様々な形で貢献させることに熱心です。家族でボランティア活動等を主宰する方もいて、ある国で起きた自然災害の被災地に生活物資を提供した家庭もありました。


副教科としては、初等科3年生から『美術』『技術・家庭』が始まります。『図画工作』という漠然とした物はありません。『音楽』と『体育』はもちろん1年生からありました。『音楽』ではリコーダーや鍵盤ハーモニカ等という玩具は使いません。初等科のうちからオルガンやトランペットを習います。中には、ヴァイオリンやチェロを希望する子もいました。楽器の種類がとても豊富なので、何も困ることはありません。歌の時間には、合唱曲を沢山練習します。初等科では流石に混声合唱はできませんが、できるだけ多くの曲をマスターします。合唱曲の他には、イタリア語やドイツ語の歌や、日本の演歌等も習います。発声練習も本格的で、帝鸞には歌が上手な子が多いです。『美術』では初等科から水彩画や油絵、彫刻を造ります。最初は先生がほとんど教えてくれる感じなのですが、高学年では様々な美術の大会に出品して、表彰される子も多いということです。『技術』では簡単なラジオを組み立てたりします。「はんだごて」を使い、間違えないように線を繋いでいきます。他にも、木材を使って本棚を作ったり、パソコンの授業も始まります。『家庭科』では、エプロンの付け方から始まり、調理実習やアイロンがけ、衣類の選び方・管理の仕方等を習います。けっしてお裁縫等の現在ではほとんど使わない内容はありません。

そんな、豊かな精神を育む教育方針は、明治時代の創立から受け継がれており、帝鸞に通う子の親もまた帝鸞出身の方が圧倒的なのです。例え、帝鸞大学より学力の高い大学に合格できる場合でも、大学まで帝鸞学園を選択する方もかなりいたそうです。他の大学では、文化の担い手が主に中流階級になってしまうので、卑屈な事や下世話な事が嫌いな帝鸞生にとっては苦痛なのです。更に、そんな文化の違いから、他の大学では、帝鸞出身の子には、誰も隣に座ってくれないという話もあるそうです。やはり、帝鸞学園は、どこかが他と異なる事は確かなようです。そして、私もその世界に入り込んでから丸2年が経過しています。大学まで通うと、16年間、帝鸞学園に通うことになるので、確実に精神が『貴族』になってしまうのです。


そんな所に私は居るのだと再認識した日でもありました。

それではごきげんよう♪

とても楽しそうなクラスでした。

更に、帝鸞出身の方は上品な方ばかりです。私もそうなれるように教育されるのですね。嬉しいやら、不安なのやら……よく解らないのです。でも私は色々なことを頑張ります。応援していて下さい♪


作者より、

今回は、妃袈が今後の人生の大雑把な流れを見つめる事をテーマにしました。女の子の場合、3年生になる頃には、計画を立てる能力が育ち始めます。ですのでこの場所に持ってきたのです。

今後もお楽しみ下さい。それではごきげんよう♪

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