『妹の様子』~城常院 弘貴~
皆様ごきげんよう。
僕は妃袈の兄、城常院弘貴です。学園に入学してからの妹の様子が以前と少し変わったような気がするので、彼女の事で、気になる点や驚いた点を述べていきます。
最近、妹の様子で気になることがある。
今までは一方的にワガママなことを言っているだけの単純な女の子だったのだが、帝鸞学園に入学してからはかなり世渡りの面で優秀になったように思える。
僕の最近の趣味はそんな妹を観察することだ。
あるとき、家庭教師ではなく塾に行きたいと言い出したのは、絶対に何か裏があると思う。そして『姫峰会』という呪文で見事にあのお母様を説得してしまった。更に、学校では学級委員になったりしていて、友達どうしではリーダー格のようだ。
しかし、相変わらずドジなのは変わらない。お母様は怒らせると面倒だから、日焼け止めをちゃんと塗るように言ったのに、日焼けはしてしまうし、なぜ塾にこだわるのかを聞くと、少し考えてからありきたりな事を言い、「嘘をつくときには目が右上を向くよ」と言うと、案の定、間抜けな埴輪のように固まってしまった。それがまた可愛いのだが。
何よりも驚いたのは、彼女が泥深い池に落ちてしまった事だ。雨の日は長靴が履けて嬉しいのか、いつもテンションが高い。そんな日に限って派手なドジをしてくれる。
彼女が溺れそうになった事を聞くと、最初はとても心配したが、「赤いカチューシャ」「髪の毛」「色白な顔」「白いセーラー服」「赤いリボン」「白い靴下」「赤い傘」「赤い長靴」を全て泥だらけにしてしまい、全身真っ黒になったあまりにも無様な妹を見たとき、笑いをこらえるのに必死であった。しかも、泣くこともできずに30分も泥にはまりながら必死にもがいていたと聞き、彼女の生命力を感じた。
とにかく、無事で何よりである事は確かだが。
その後、制服を泥だらけにしてしまった彼女が、お母様にどれほどしかられるかが恐ろしかったが、意外とお母様は静かであった。(呆れている可能性が高い)
そして、案の定 妃袈は お母様のお人形のように『乙女刈り』にされてしまった。「火垂るの墓」の節子みたいでとても可愛い。少しからかってみたら「デリカシーが無い!」と言われてしまった。
やはり女の子は髪の毛を短く切られた後はヒステリーになりやすい。おそらく彼女のヒステリーはお母様の遺伝であろう。
妹はとにかくお母様のミニチュア版になっている。やたらと難しい事を知っていたり、逆に誰もがわかるような常識には少し疎い。
そして、夏休みはかなり振り回されたりもしたが、可愛いからなんでも許せてしまう。
猫なで声を出したり、ウィンクをしたりと既に『女』としての技術を身に付けはじめているのが恐ろしい。
これから、どのように成長していくのかがとても楽しみだ。
それでは今日はこの辺りで失礼。
妹の成長を見守っていて下さい。
作者より、
皆様ごきげんよう。
今回は、これまでの妃袈のことを兄、弘貴からの客観的な目線でまとめてみました。
このような形式を、今後も予定しております。物語の大筋を理解するのに活用できる利点があるので、是非参考にして下さい。
次回もお楽しみに♪




