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魔剣蒐集録Ⅱ  作者: 健康な人
5章:当然と構造の寓話
49/50

【歪んだ鏡】

【恐ろしい鏡】


 ある所に、一枚の鏡があった。

 この鏡は、ありのままの自分を映してくれるそうだ。

 そして、自分らしくなると褒め言葉を投げかけてくれるという。


 例えば髭は、鬣のようだねとか。

 目が少しだけ大きて、かわいいねだとか。

 笑えば、白い歯が見えて綺麗だねとか。


 まあ、自分の長所をちょっとだけ褒めてくれる映る鏡である。

 多くの人はその鏡を見て、驚いたり喜んだりするそうだ。

 何にしても楽しんで欲しくて作ったのだから、

 鏡の製作者は喜ぶだろう。


 しかしこの鏡を見続けていると、不思議な考えを持つようになる。

 何故か、何度も鏡を覗きたくなるのだ。

 そして鏡を覗いていると、やがて自分に自信が持てるようになってくる。

 そう考えるほど、鏡の中の己は特別になっていく。

 やがて、鏡はこう笑いかけるそうだ。


 ――ああ。君はとっても自分らしい。


 その言葉が、どうしてこんなにも恐ろしいんだろう。



 ~~~~~~~~~~~~~~~


 この鏡の中に映った自分は、とても自分らしい。

 なのに鏡が笑いかける確認の言葉で、

 人は鏡の中の己を恐れるようになる。

 まるで、それこそが自分であると気付いてしまうように。


 ~~~~~~~~~~~~~~~



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