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魔剣蒐集録Ⅱ  作者: 健康な人
3章:飽和と正しさの寓話
26/50

【盲点と呼ばれる背景】

【背景と呼ばれる理由】


 ある所に、非常に優れた絵描きが居た。

 ただこの絵描き、その能力が評価されない。

 嘘偽りなく掛け値なしに、本当にこの絵描きは優れているのだ。

 しかし、誰も絵描きの本音に気付かない。

 その理由は、絵描きが絵を描く光景を見れば理解できる。


 ――この森は、静かな森にしよう。静謐な霧を書き入れるのもいいかもしれない。


 ――大地は、美しい緑色にするべきだろうか。霧のつゆが、涙のように零れていると雰囲気に合うな。


 ――時間帯は、朝が良いかもしれない。朝露に濡れた雰囲気が、きっとこの物語を仕上げてくれる。


 そうして絵描きは、素早く景色を描き上げた。

 美しく、繊細な、躍動している物語である。

 そんな会心の出来である絵を持って、今度こそはと絵描きは商店にやってきた。


 ――なるほど、こりゃどこでも合う良い絵だ! いくらで売ってくれるんだ!?


 やはり、この「絵」は売れるらしい。

 実はこの絵描き、自称ではあるのだが「作家」である。

 何時になれば売れるのだと嘆きながら、彼は持ち込んだ絵を売った。

 意味は伝わるが、相変わらず意図は伝わらなかった。



 ~~~~~~~~~~~~~~~


 この絵は、とある絵描きが書いたらしい。

 そして絵描きは、こう言い残している。

 ――背景とは、本質的に空白であるべきなのだ。


 しかし、この絵はどこを見ても美しい。

 まるで背景など、どこにもないかのように。


 ~~~~~~~~~~~~~~~




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