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【選ばれしものを選ぶ箱】
【選ばれしものを選ぶ箱】
今日は面白い物を持ってきたよ。
なんと、選ばれしものを選ぶって箱さ。
この箱に、名前を書いて入れる。
そしたら自分の魔力が、ちょっとだけ名前を書いた人に渡るんだ。
力を預けるみたいな感じだね。
――うん? それの何が面白いのかって?
面白いじゃないか。
だって、例えばお前さんだって勇者になれるかもしれないんだぞ?
もしかしたら英雄になれるかもしれん。
いやぁ、夢が広がらないかい?
ただ、残念ながらあんまり売れなくてね。
ま、在庫処分みたいなもんさ。
――なんで売れないのかって?
実はこの箱、自分の名前を書けないんだよ。
まあこんな時代だ。
人に力を渡したくないってのは、俺だってわかるよ。
で、要るかい?
――はぁ……やっぱり売れないのか。
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タダ同然で商人に押し付けられた、箱の形をした魔剣。
自分の力を他人に渡すと言う、
デメリットの塊のような代償を持っている。
ただ……実は商人には言わなかったが、使ってみたい気持ちはあるのだ。
力を渡したいやつを見つけられないのが、売れない原因ではなかろか?
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