Hello,World
目が覚めた。
どうやら気を失っていたらしい。
腕の中の波瑚は無事に息はあるが
目は覚めてない。
周りを見回すと一面が草原だった。
兄貴の姿と莉愛の姿もあったが、
ここで違和感を感じた。
もう一人いるこれは莉瑚だ?
いや、草原の時点で突っ込めよ。
というかここは本当にどこだ?
たしかサーバールームに居たはずだ。
一先ずみんなを起こして。
状況を整理しよう。
幹人「お、おーい。波瑚さんやーい。」
頬をペチつかせて、声をかける。
波瑚「ん?パパ?」
ゆっくり目を開けると辺りを
見まわした。
波瑚「ここどこ?」
幹人「い、痛っ!!!!」
波瑚が目を覚まして安心したのか、
自分の全身にヒビが入ったかと
錯覚するような痛みが走った。
波瑚「大丈夫?パパ?」
幹人「あーなんとか大丈夫そう」
強がってなんとか平気そうにした。
そんな大声や会話に反応したのか、
兄貴も目を覚ました。
兄貴「どこだ?ここは?」
目覚めて辺りを見渡して、
莉瑚に反応した。
兄貴「なんで莉瑚が具現化してる!?」
そんな大声に覆いかぶさるように
意識を失っていた莉愛も目を覚ました。
莉愛「キャッ!?」
普段出さなさそうな声を出しながら
兄貴から離れて、辺りを見た。
莉愛「ドドドド、ドコここ?!」
兄貴にくっついていたせいか
動揺してドリルみたいになっていた。
兄貴「まるでドリルだな!?笑」
莉愛「だ、誰がドリルよ?!」
さすがの兄貴でも怒られた。
そんなやり取りの後に
全員同じことを思ったのか、
みんなで莉瑚の寝てる?
ところに移動した。
幹人「とにかく、触れるか波瑚試してみてくれ。」
波瑚が莉瑚に近づき指で
ちょんと突いた。
波瑚がこっちを向きながら言った。
波瑚「さ、触れる。かなりモッチモチ。」
おお!っとみんなテンションが上がって
みんなで頬をつつき回した。
顔をみんなにプニられた、
莉瑚がようやく目を覚ました。
莉瑚「もー!やめてよもー!」
辺りを見渡すと、こう言った。
莉瑚「あー第一階層だね!」
幹人「第一階層?」
兄貴「そうか!ここはディバクロの中だと思う。」
幹人「え?」
言われてみれば
ディバクロのサーバーで
大地震に巻き込まれて
全く見覚えのない草原。
非現実的だが一応は辻褄が合う。
そんな気がする。
幹人「じゃあ誤作動して、ゲーム内に入ってしまったってことかな?兄貴何かゲームのメニューを開くような言葉は無いのか?」
兄貴「すまない。正直に言うとわからないんだ。」
幹人「オープン!オープンクロニクル!クロニクルオープン!」
しかし何も起こらない。
幹人「くそっ!ダメか!」
波瑚「普通に考えると莉瑚に聞くべきでは?」
幹人「あっ!そうか!ヘイ!莉瑚メニュー開いて!」
莉瑚「そんなのないよ♪」
幹人「じゃあログアウト!ログアウトさせてくれ!」
莉瑚「それもないよ♪」
莉愛「じゃあ分かることを教えてよ!」
莉瑚「オッケー!莉瑚のスキルは鑑定スキルだよ♪」
幹人「それなら鑑定してくれ!」
莉瑚「いいよー♪サーチアイ!」
莉瑚「ムムム、これは♪」
莉瑚「パパさんのステータスはレベルが1、職業がブレイバーでスキルが【闇から出ずる勇気】(ダークブレイブ)ステータスは・・・」
幹人「ちょ、ちょっと待った!ブレイバーって勇者だろ?なんでそんな勇者っぽく無い名前なんだ?」
莉瑚「知らなーい♪そんなの分かるわけないじゃん!ただスキルがそう教えてくれてるだけだよー」
幹人「そうか。腑に落ちないけど、そうなんだなー、それで具体的にはどういうスキルなんだ?」
莉瑚「恐れを抱けば抱くほど、怒りや憤りを抱くほど強い力が出せるみたいだよん♪」
幹人「ますます勇者っぽくないなー、何でそんなスキル何だろう?まあ何でもいいか!」
兄貴「でも良いじゃねーか!勇者なんて誰でも一度は憧れるだろ?しかもダークヒーローとか厨二っぽくて最高だろ!」
幹人「そうかな?まあ兄貴が言うなら俺も良い気がしてきたよ!」
莉瑚「じゃあ次は兄貴を見ようかな?めんどくさいから職業とスキルだけ見ちゃうねー♪」
莉瑚「兄貴の職業はフール、スキル名が【愚者の迷い道】(フールロード)だよ♪」
幹人「兄貴が愚者?そんなイメージは無いけど、ひょうきんというか明るいイメージはあるんだが・・・」
兄貴「いや、真面目ぶってるだけで結構適当というかちゃらんぽらん、遊び人の方がしっくりくるなー!」
兄貴「それで具体的にはどんなスキルか教えてくれるか?」
莉瑚「んーとねぇ、迷えば迷うほどに失敗すればするほどに力が増していくみたいだよ?」
兄貴「なんかあんまりカッコよくないけど俺らしい気がするな!」
兄貴「しかしゲームの割には抽象的というかふわっとしたスキルだな?」
波瑚「それでナコはどんなジョブとスキルなの?」
莉瑚「なこちーは職業がウィッチでスキルが【魔女の喪失】(ロストマギア)だよ♪」
莉瑚「魔力を失えば失うほどに魔力や魔法の威力が増してくみたい♪」
波瑚「なんか普通だね?」
幹人「でも魔法使えるのは熱いよ!俺たちも使えるかもしれないけど、今のところは魔法は波瑚だよりになりそうだ!」
莉愛「波瑚たんウィッチ爆誕ね!ガンガン魔法使ってもらって私達で守れば良いのね♪」
莉愛「それで最後は私かしら?」
莉瑚「任せてエイヤー♪ふむふむ!職業はテイマーでスキルは【困難の調教者】(パニックテイマー)だよー!!」
莉瑚「困れば困るほどに難しい状況でも強い力を発揮できるって♪」
幹人「テイマーか普通に考えたら、モンスターを手懐けられるのかな?」
兄貴「そうなんじゃないか?」
莉愛「それじゃあまずは波瑚たんからテイムしちゃおうかな?」
波瑚「いや、それは無理です。ごめんなさい。」
莉愛「そういうところもかわちいのよね!さすが天使!さす天ナブル」
兄貴「ちょっと何言ってるかわからない。一旦これで全員の職業とスキルは把握出来たが、ここからどうするか?」
幹人「そもそもこのゲームって第一階層って言うぐらいだからダンジョンの中にいるんだろうけど、ダンジョンの外は無いのか?」
兄貴「ああ。たしかにここがメインダンジョンだとしたら、100階層が最深部になるはずだ。」
幹人「100?!そんなこんな草原みたいなバカ広いダンジョンを100階層まで攻略しないといけないのか?」
兄貴「いや、ダンジョンは25階層毎に分けられているから、25階層に辿り着けばダンジョンの外に出られるはずだ。」
兄貴「そうだよな?莉瑚。」
莉瑚「たぶん?わかんないけどそうだと思うよ♪」
幹人「そもそもの話。なんでここが第一階層だってわかったんだ?」
莉瑚「さあ?知ってたから知ってたとしか言えないよ?」
訳がわからないよ。
でもおそらく愛莉が
なんらかの方法で
俺たちをこのゲームに
誘ったのは明らかだ。
莉瑚の大部分を作ったのだから
このゲームのことについて
仕込まれていたのだろう。
幹人「ところで莉瑚は何の職業なんだ?」
莉瑚「ウォッチャーだよ♪」
観測者はそう言った。
無事に現実世界に帰れるだろうか。
俺たちの冒険が今はじまる。
???「時が来た。」




