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第四話 見えないもの

 暗くて前が見えないな。アリア、大丈夫か?

 

 「大丈夫だよ。ってアホなの?サカくん。

 炎か雷の魔法使いなよ。」

 

 ナチュラルな暴言に目が眩む。暗いけど。

 

 そうだったな。悪い、頭の回転鈍くて。


 「M」

 ▼サンダー

 ▼ポイズン

 ▼ファイヤー

 ▼粘着

 ▼変身

 ▼暗視


 さっきの敵の魔法は暗視だったのか。まあ一人で使うのも忍びないしファイヤーにするか。


 「サカくん。暗視でいいよ。」


 なんで?それじゃあアリアが転んだときに危ないぞ。


 「そ、そうだね。じゃあファイヤーでお願いするね。」


 二人は洞窟の奥へ進んでいく。


 

 あれ、敵じゃないか?

 

 「そうだね。炎スライムが二体。戦おう、サカくん。」


 ああ。


 「M」

 ポイズン、ノビチョク!

 

 あれ?アリア?

 俺、片方にしか攻撃してないのにもう片方にもダメージ入ってるぞ?

 アリア攻撃した?


 「してないよ、サカ。

 もしかして、共有ポーションを使ってるんじゃないかな?」


 共有ポーション?


 「共有ポーションはね、飲むと好きな一人を指定してその人と全ステータスを共有できるの。でも効果は一時的なんだよね。」

 「ちなみに私が仕入れた情報によると共有ポーション使用中の敵を倒すと90%の確率で共有ポーションがドロップするらしいよ。」

 

 そうなのか。

 共有ポーションが手に入ると暗視魔法の共有もできるんだよな?


 うん。

 

 なら、さっさと倒そう!

 「S」

 関係値のスペシャリゼーションを発動。

 関係値 36→823

 共闘ゲージMAX、エクストラオーディナルモードに移行!


 「おらああぁぁぁぁ!」

 「はあああぁぁぁぁ!」


 

 「倒したぞ、アリア!大好きだ!」

 

 「私もだよ、サカ!」


 エクストラオーディナルモードを解除。

 

 ……まーたやっちまった。

 関係値の上昇エグいな。

 アリア、ごめんな。恥ずかしい思いさせちゃって。


 前髪を触れながらサカが言う。


 アリアはまたもや赤面している。

 「う、う、ううん。大丈夫だよ。」


 そうか。ならよかった。

 おっ、やっぱ何かドロップしてるっぽいぞ?


 「ドロップ品は以下の通りです。」

 ・共有ポーション

 ・婚約指輪


 

 婚約指輪?

 まさかあの二体、婚約してたのか?

 スライムの世界にも、結婚があったのか。


 「さあ、共有ポーション使おう!サカくん!」

 暗い洞窟では白い肌と髪がよく映える。


 ああ。

 

 ポーションは、視界の右下のハンドチェストに入っているはずだ。

 ハンドチェストを開くには…

 「C」を目でなぞればいいのか。

 

 持ち物

 ・共有ポーション


 共有ポーションを選択。


 共有ポーションを使用しますか?

 

 効果:このポーションを飲んだ後、指定した一人と、魔法、関係値以外のステータス、持ち物を共有する。効果時間は3時間。


 使用。

 アリアを指定。


 よし、これで……


 「M」

 暗視魔法発動!

 もう見えるか?アリア?


 「うん!見える!さっきより全然明るくて視野も広いよ!」


 それじゃあ良かった。

 見えすぎて俺のイケメンフェイスに気を取られないようにな!


 「きもっ。」


 ご指摘ありがとうございます。以後気を付けます。


 「もう、ふざけてないで進むよ!

 早くレベル上げたいでしょ?」


 ああ。早くここから出たいからな。

 

 そんなこと言ってるけど、以外とこんな世界も悪くないかもな。

 可愛い女の子と二人で冒険。それだけじゃなくてゲームの中に入ったみたいだ。地球ではずっとRPGをやっていたからその世界に入ったみたいで新鮮だし、心が踊る。

 だから、少しずつ、少しずつ進めて行こう。もっと新しいもの、大切なものに出会えるかも知れない。


 「ほら、サカくん!こっちこっち!」


 洞窟に響く無邪気な声。サカの顔が綻ぶ。


 「ああ、今行く!」

 「どっちが先に最深部に行けるか競争な!」


 サカの人生が、二回目の始まりを告げる。

 

 

 


 


 

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