おまけ5 その後
バレンタインなのでイチャラブ回をどうぞ(❁´◡`❁)
私はオーディナル様に頼みこんで結婚式を延ばしてもらった。
いくらなんでも20歳前の男の子に手を出す勇気が出なかったからね。
「婚約者同士の雰囲気をもっと味わいたいの」
そう言い訳したけど信憑性はないだろうなー
「あのさ、デートしない」
たとえばある日、オーディナルの誘いで観劇することになった。
「ヴァルールのほど豪華じゃじゃないけど、我が国だって劇場くらいあるし」
そうだろうけれど、ボックス席に座ってからずっと指をからめられているのはなぜなのかな?
演劇に集中したいのだけど。
ほどこうとしてもつかまれる。
「もっと恋人らしくしたいんだ」
耳元でささやくなあ!
しかしせっかくの劇だ。私は心を無にしてお芝居に没入した。
指はいつの間にかほどかれていた。
たとえば別の日、美術館デートの時は彼など放って油彩画に食い入った。
レストランに二人で行っても『あーん』は全力で拒否したし、ショッピングで「何か買ってあげるよ」の申し出も断ってしまった。
彼には申し訳ないけど。私溺愛系苦手なのだ。
(2人きりになるのはなるべく避けよう)
「婚約者と言えど、節度は守らなければー」
もっともらしく彼から逃げる。
しかしタイムリミットが来るのは早かった。
彼の20歳の誕生日、結婚式は執り行われてしまう。
王家と公爵家の縁組だから豪勢に。
疲れ切ったけど、それは予想できていたので準備も十分だったし無事乗りこえた。
困ったのはその後である。
「レジーナ、僕のレジーナ、僕だけを見て」
ベタベタ度合いがレベルアップしやがった。
結婚式のその日から、気がつくとすぐそばに忍びより触りにくる。
彼のことは好きだけど、私、長時間のイチャイチャには耐えられないんだよ。
今まで守ってくれたフローラルもお嫁に行っちゃったし。
「君のために今まで待ったのは分かってる?」
「ええい、離れて下さいまし」
(なでるな、もむな、嗅ぐなぁ!)
過度な接触は嫌いだから、クマのぬいぐるみを買って渡した。
「これをわたくしの代わりに触っていなさい」
「く、子ども扱いするな!」
怒った割には抱きしめてるじゃん。
‥クマはたった数日でボロボロになった。
(これは何か対策を考えなくては)
私は自分1人の時間が欲しいんだよ。
(そりゃ、だからって浮気は嫌だけどさ)
私は鍵を閉めた自室で考えこむ。
自分に都合の良いことだけ押しつけるなんて相手に失礼だ。
夫婦なのだからお互いの妥協点は探るべき。
(考えろ私、なぜオーディナルは私に触りたがる?)
愛情故なことは理解していた。
私だって時々であれば彼のスキンシップが嬉しい。
しかしあれは少々度が過ぎている。
前世で学んだ心理学の知識を総動員した私は、一つの結論に達した。
(愛着障害だ)
間違いない。
愛着障害は幼少期に受ける愛情やスキンシップが足りないせいで、不安を感じやすくなる症例だ。
子供の頃の傷は深い。大人になっても引きずる人はいる。
オーディナルの幼少期、王族であればスキンシップは少なかっただろう。
私には彼を家族から引き離してしまった前科もある。
愛着障害を治すやり方は知らないけれど、要は彼が惜しみなく愛情を捧げる対象を増やせば良いのではないか?
私は作戦を立てた。
「レジーナ、おはよう」
今朝も彼は両腕を広げて私を待ち構えてくる。
「オーディー、おはよう」
昨日までの私は軽くハグするだけだったが、今日はしっかり抱きしめた。
お、いつもより幸せそうだ。
「ねえ、オーディーは犬と猫ならどっちが好き?」
「なんだい急に? 僕はどっちも好きだけど」
うむ、良い答えである。
「私も」
「ニャーン」
そして私はすぐ猫を飼った。
元から好きだったのだけど、今までは領地経営の勉強が大変で飼育のタイミングを逃していた。
その前は寮暮らしだったし、さらにその前は子育てしてたし。
ある意味ちょうど良かったかもしれない。
「なんなんだ、この愛らしいモフモフは!」
さっそくオーディナルもメロメロに。
抱きしめて顔をうずめている。慣れたら犬を飼っても良いな。
計画通り、付きまとわれることは減った。
それでも‥日に数回は濃厚なスキンシップをされるのと、2代目のぬいぐるみ(ウサギ)がすでにくたびれているのはなぜなんだ?
謎の解明には時間がかかるのかもしれない‥




