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雪
貴方の家が見えた。
トウヒの丸太で出来た丸太小屋。
鬱蒼と生い茂る白樺の森の真ん中にぽつんとある。
煙突からは料理をしているのか、煙が出ている。
小屋から老人が出てくる。
山の麓にある村に住んでいる老人で、名を大善という。
「大善、どうした」
「墓参りついでに、な」
この山の山頂には墓地があり、大善の妻の墓もそこにある。
「この家に用かい?」
大善は親指で小屋を指して言う。
「ちょっとね」
大善は再び山に登って行った。
家の中に入る。
貴方は微笑んでそのままコップに紅茶を注ぎ始める。
おかえりと貴方は言った。
椅子に座ると、木の匂いがした。
紅茶が入ったコップが私の前に置かれる。
「有難う」
紅茶は、暖かかった。
雪が降ってきた。
やっぱり。そう貴方は呟く。
「何故分かったの?」
雪起こしが、あったんだ。
雪起こし・・・?雷は、聞かなかった。
駱駝色の紅茶が冷めないうちに。私は紅茶をすすった。




