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山道
いつもより遅く山道に出る。
貴方の家はこの山道を半里程歩く所にある。
山道の脇には大きな川が流れる。
釣竿の忘れ物に魚が水をかける。
植えられたばかりの苗木を見る。
数百年後にはこの辺りは森になっているのだろうかと思いふける。
山道は何人もの人が歩いたのだろう。
踏み固められた地面は私の足をしっかり支えている。
子供の頃、貴方に手を取られてこの道を歩いた事を思い出す。
所々に置かれた光源は、昨日の夜の満月のようだった。
昼の太陽を見る。
中々来ない私を、貴方は心配していないだろうか。
昨日の夜、貴方に別れを告げたその時から、貴方の事を思いふける。
そろそろ、貴方の家が見えるころだ。




