5-2話 私が◯◯を辞めた理由
店に足を入れるなり
「いらっしゃいませ」
とキラキラした笑顔のイケメン定員に足が一瞬止まってしまったがカウンター席を通されようやく椅子に座り脚を休める事にした。
(あんなイケメンがいるなんて人気店なわけだ)
女性客が多いのに納得してると朗らかな女性の定員がお茶とメニュー表を持って来てくれた。
いつも昼食は家は作るか冷凍か、仕事中はコンビニか駅のファーストフード持ち帰りで休憩室で食べていたから久々のランチ外食にテンションが上がる。
華は、おすすめのレディースセットを注文した。
唐揚げはサクサクで和風の味付けで味噌汁も具材たっぷりでサラダも食べやすい量で小鉢にはカットしたフルーツが入っていて実に美味しかった。
欲を言うなれば回転率は早めなのでもっとゆっくりしたいが食べ終わり席を立って会計する。
会計はあのイケメン定員で緊張した。
「よかったら夜は別のお店をしてますので」
よろしくお願いしますとショップカードをもらってまたドキドキしてしまった。
夜もまだあの定員さんがいるのだろうか。
渡されたショップカードには魔窟と言う文字に洋風なのか北欧なのかいろんな料理とお酒の写真が載っていてすぐに行きたくなってしまった。
しかしそれまでまだ時間はある。
新居に必要な物と日用品や食材を買わなければ。
日用品や食材は商店街やスーパーで買うとして雑貨、インテリア類は駅に行かなきゃだから少し歩く。
こうなって来ると帰りはきついかもな。
歩いて商店街を見れるのは楽しいが・・・ 。
いっそ自転車を買ってしまおうか?と考えたがこの辺にあったかな?商店街に置き場あるかなと考え
やっぱり駅近がよかったかな。
と引越し先に後悔し始めた。
仕事をするという事を考えずに今のとこに来たのだ。
(そう。今の私には3千万という資産がある)
たまたまバイト先の同期が彼氏からもらったけどともらった宝くじが化たのだ。
宝くじは事故に遭う確率よりも低い当選率だ。
銀行に行って手続きをし銀行員に説明されながら当選金を受け取り口座を沢山作るのに苦労した。
一番悩んだのは同棲しているコウに言うかどうかだ。
しかし言ったのが間違いだった。
「じゃあ、華ちゃん店建てれんじゃん」
とコウに言われ自信がない私は言ったのだ。
「いや、無理だって。
それよりこれはさ、結婚資金とか」なんちゃって
と言って意外にも喜ぶかもと思った彼氏の顔はどこか残念そうだった。
そしたら気になるじゃないか。
私と結婚する気はないんじゃないかって。
そうでなくても一応当たった金だが資産はある。
喜んでくれたっていいじゃん。
コウは最後まで私の3千万については触れなかった。
しかし少しづつ一緒に帰れない日が続き
「忙しいなら言ってほしい」と言ったらコウの転勤話が出てきた。
てっきりついてきてほしいと言われるかと期待した。
しかし彼は前から決めていたみたいに
「俺一人で行くよ」
そう言われコウは駅での仕事が終えたら本当に一人で出て行ってしまった。
数週間前の出来事だ。
もし当たったなんて言わなかったら、そもそも当たらなかったら未来は違っただろうか。




