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『 井上靖』
「『努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
全てのケースで当てはまる訳ではありませんが、大体のケースでは当てはまります。
同じ状況に置かれても、怠ける人は不満を口にし、努力する人はそうはならない。
では努力する人と、怠ける人の大きな違いは何なのか。
私が思うに、努力する人は、目的とそれを叶えようとする意志を合わせて持っていて、怠ける人は目的もしくは叶えようとする意志のどちらか又はどちらも持っていない人。
つまり、努力する人は目的に近づいていっている最中であり、未来に光を見ている。
怠ける人は目的が無いので未来に視線を向けることなく、現在だけを見ている。
そこに大きな違いがある。
だから希望を語りたい人には、努力することをお勧めしよう」
「その口ぶりでは、先生は努力しない人ですか?」
男子学生磯城遼一が聞いた。
「怠けていても希望を語る。そんな人に私はなりたい」




