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たんぽぽ的哲学  作者: 出入弦杜
初等講座
21/23

『オスカー=ワイルド』

「少し将来の話をしてみよう。


 君達の殆どは、そう遠くないうちに仕事に就くでしょう。


 そして、恐らくは思い悩む時が来るでしょう。

 給料の安さは別として、職場の人間関係に、仕事の責任の重さに、失敗が積み重なる不甲斐なさに、やり甲斐の無さに、積み重なる仕事の量に。


 うつ病にも似た状態に陥るかもしれません。


 しかし、似たような状況に置かれたとしても、皆がそうなるわけではありません。


 アイルランド出身の詩人オスカー=ワイルドはこう言っています。


『楽観主義者はドーナツを見、

  悲観主義者はドーナツの穴を見る』


 楽観主義者は物事を良い風に捉えて将来を想像します。一方、悲観主義者は物事を悪い風に捉えて将来を想像します。

 実態としては同じものであっても、考え方一つで大きく変わるものです。困難を自分を成長させるための糧と取るのかどうかですね。


 もっとも、悲観主義者が全くダメだと言っているわけではありません。

 楽観主義も度を過ぎれば、いい加減な仕事をするようになりますので、何事もバランスが大事でしょうね。


 第三者を自分の立場に置き換えてみた時に、大したことがない状況だと思えるのなら、何も悩むことはありません。逆に大したことがある状況だと思えるなら、仕事を辞めるなり、そこから抜け出すための対策を取る必要があります。


 生きるために仕事をしているのに、十分に生きることが出来ないなら、仕事に縋り付く意味もないですからね。

 

 仕事の一つや二つ、辞めたところで何とでもなるものです」


「先生はずっと楽観主義に見えますね」

 女学生三輪来栖が言った。


「ええ。結婚してからは、仕事の悩みは全て吹き飛びました」


「涙が出そうです」


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