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訓練場

 俺は今、オルガと一緒に城門の前に居た。


 いやさ、依頼受けて直ぐに此処に来るとかどんな行動力してんの? このギルマス。


 俺が追っかけてきただけだしね。


 子供かよ。いや、好奇心旺盛って言えばいいのか? 欲望に忠実とも言えるけど。


 それにしても、俺の眼にはこの城に居る国王と王女を捉えようと動くが、ダメだな。


 黒い靄の様な物は見えるが、彼方此方(あちこち)に散らばっていて見つけられない。


 面倒だな。[世界眼]と[真理眼]を並列使用しても見つからないとか、アイツ等だろうな。


 うん。絶対そうだ。


「よし。ネオ、入るぞ!」


 門番と話をつけてきたオルガが俺に笑顔で言ってきた。


 仕事が早いね。まあ、権力的には俺の方が上らしいけど。


 そんなこんなで俺達は城に入り、訓練場へと向かった。


 え? 国王との謁見は良いのかって? やだなー。こっちの居るのは元SSランク冒険者とSSSランク冒険者だよ?


 会う必要は無いんだよ。


 それに今回の依頼者はルイさんだしね。


 後、この時間は全員が訓練場にいる。なんか、ルイさんが集めたらしい。


 かなり不満があるようだが。そいつらはルイさんに勝てないので、仕方なく、仕方な~く従っているっぽい。


 俺の隣に居るオルガは何かソワソワしてる。


 戦闘狂は抑えられないようだ。


 少し歩いて、訓練場まで来た。


 中では全員が集まっていて、ルイさんとエレスさんが纏めていた。


 俺達が近付いて行くと、ルイさんとカイトが先に気付きそれから全員がこっちの視線を向けてきた。


 なんか、オルガに邪(よこしま)な視線を向ける愚か者が居るな。


 あ、オルガが一瞬だけ黒く笑った。


 取り敢えずそいつらはご愁傷様。


「ネオ。よく来てくれた。まさかオルガも来るとは思わなかったが」


 先にルイさんが声を掛けてきた。


 と言うか、軽く呼び捨てなのな。いや、年下だから仕方ないけど。


「オレは勇者サマの事が気になったから来ただけだぞ。後、勇者サマに便上してネオと戦いたいからだ」


 いや、ブレないね。


「すみませんルイさん。そちらの方々を紹介してもらっても良いですか?」


 シンドウがルイさんに聞いてきた。


 いや、俺、こいつ、えっと、うん、もういいや。


「ああ。こっちが元SSランク冒険者にしてこの王都のギルドのギルドマスター、≪紅焔鬼(グルモニオ)≫のオルガ。でこっちがSランク......だったか? 取り敢えず、こっちはネオだ」


 おい。適当過ぎだ。しかも俺の冒険者ランク疑ってるし。


「そうなんですか。僕の名前はカミヤ・シンドウといいます。よろしくお願いします」


 ハッハッハッ。秘儀、イケメンスマイルか? 残念だったな俺には効かんのだよ。


 っと、巫山戯(ふざけ)過ぎたよ。


 うん。俺は大丈夫。オルガも大丈夫。


 なんか残念イケメンにしか見えなくなった。可哀想に。


「よろしく」

「おう! よろしくな。オマエが勇者サマだろ?」


 シンドウの事はオルガに任せて、俺は元クラスメイト達を見る。


 俺とオルガを見ながら話している皆。


 多分、こいつらそこら辺の冒険者より弱いと思う。


 あれ? 俺に疑惑の視線が。


 そこにはサヤとリンの姿が。


 俺の姿に疑問でも抱いたのかな? 流石【賢者】と【聖女】だね。


 その様子を見つけたカイトとエレスさんが二人に近付いた。


 二人に小声で何か話してるね。聞こえてるけど。


 俺の聴力を舐めちゃいけない。割と何でも聴く事は出来るからね。


 表情が変化した二人。エレスさんはその場に残っておくようだけど、カイトとサヤとリンが俺の所に来た。


 周りの奴らも何事かと見ている。


 いや本当、君達はもうちょっと腹芸とか覚えた方が良いと思う。


「ごめんなさいネオさん。私はサヤ・サカモリと言います。少し聞きたい事があるんですが、良いですか?」

「何」


 あ~、正体バレになる可能性は無いな。俺がバラさない限り分かることは無いか。


「ネオさんはコウ・セイランと言う人を知っていますか?」


 お~、【聖女】と【賢者】に働きかけて違和感を抱かせてみたけど、ここまで近い答えを持ってくるとは。


 流石。お飾りの【勇者】とは訳が違うってね。


 そして俺が口を開こうとした時、訓練場の上空から声が聞こえた。


「貴様等が忌々しい勇者共か」


 はあ、本当、面倒なタイミングで現れてくれる。


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