ギルドマスターとの対話
割と手抜きです。
あの昇格試験、もとい調査依頼が終了してから4日目。今日はある兆候を感じ取り、視て確認したので、それが起こるまでギルドに行き、ギルドマスターと話すことにする。
なぜ俺が対処しないかって? 面白いからに決まっているじゃないか。流石の俺でも、ここまで刺激がないと暇になって来る。
ってなわけでギルドに行こうとしたら、エルとトアに出くわした。
「あれ、先輩、どこか行くんですか?」
俺が無心流の道場の出口に向かって歩いているのが分かったようで、エルが何処に行くのか聞いてきた。
「ああ、ちょっとギルドにね」
「依頼でもするんですか?」
「いや、別の用事だよ」
エルばかりが喋っていて、若干トアが膨れている気がするが、気にしない。と言うか、何となく心視てみたら、俺について行きたいらしい。二人共素直に言えばいいのに。
「一緒に行くか?」
俺が苦笑しながら聞くと、二人は嬉しそうにして、
「邪魔にならないですか?」
「全然」
この応酬があり、少し準備してきます、と言って走って行った。
それから約五分後、二人は調査依頼の時と同じ格好をして戻ってきた。
「お待たせしました」
その後は二人を連れてギルドへ向かった。
ギルドについて中に入ると、相変わらず俺に気付かない者が多い。
気づいた奴は俺の方を見ないようにしてくるから分かりやすいんだよな。
俺はそのまま受付まで進み、受付嬢に用件を伝えた。
「ギルドマスターに会いたい」
「すみませんが、お名前をお伺いしても宜しいでしょうか?」
「ネオ」
「ッ! 分かりました。今は誰も来ていないので大丈夫です」
俺はそこまで聞くと階段の方に向かって歩いて行った。
横の方でエルとトアが驚いていたけど気にしない。
階段を上り廊下をまっすぐ進み、ギルマスの執務室の前に来た。礼儀として一応ノックしておく。
「入れ」
中から返事が返ってきたのでエルとトアを連れて中に入る。
「お、ネオじゃないか。どうしたんだ?」
「いや、久々に話をしようと思ってな」
入って早々話しかけられた。後ろの二人が緊張しているが、俺には関係ないので放置しておく。
「ん? なあ、後ろの二人はなんだ? お前の連れか?」
「ああ、こっちがエルで、こっちがトアだ」
俺が二人を指さしながら紹介する。
「「よ、よろしくお願いします」」
二人はいまだに緊張した様子だが、しっかりとあいさつは出来たようだ。
「あ、俺がこれを終わらすまでそこに座っていてくれ」
ギルマスは椅子を指さしながら言い、エルとトアはそれに従って座った。
「なあ、何してんだ?」
「ああ、最近魔物が増えたらしくてな、その報告書だ。見るか?」
「いや、いい。理由は分かっているから」
俺がそう言った瞬間にギルマスは目を見開いて驚いた。
「......は? いやいや、何言ってんだよ?」
「だから、魔物が増えた原因を知ってるって」
ギルマスは数秒程固まると、
「教えてくれるんだろ? ていうか、教えろ!」
いや、俺が教える必要ないんじゃないか?そろそろ報告に来る頃だろうし。
「ギルドマスター!! 至急報告したい事がございます!!」
そう言って一人の冒険者が入ってきた。
「なんだ。何があった」
ギルマスはその冒険者の尋常ではない様子に話を聞くことにしたようだ。
「ス.........」
「ス?」
「魔物氾濫が発生しました!!」
その瞬間ギルドマスターは時が止まったように固まった。




