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調査終了

「エルちゃん、起きて」

「は~い」


 朝、姉さんに起こされて私は起きた。いつもと同じ日が昇る前に起きたが、昨日は姉さんが変な事を言ったせいで中々寝付けなかった。おかげでいつもより少し眠い。それに体の疲れもまだ残ってる。


 私たちは先輩から渡された毛布を畳んでからテントを出た。時間が早かったので、見張りをやっている人以外起きていなかった。


 と思ったら昨日と同じ木に先輩は座っていた。ずっとここにいたのかな?眠らずに警戒してたとか。


「あ、お兄さん! おはようございます!」


 姉さんが気付いて挨拶すると、先輩は木から降りて私たちの方に歩いてきた。


「二人共おはよう」


 今は私たち以外誰もいないから表情を変えて言ってきた。


「......おはようございます」


 つい顔をそらしてしまった。けど仕方ないと思う。初めて先輩を見たら男って言われても女って言われても信じるかもしれない。そう思うほど綺麗だ。ステータスの魅力の値どのくらいなんだろう?気になる。


 それから私たちはこの森について話をしていると、他の冒険者の人が起きだしてきた。先輩はそれを見ると表情を無くした。


 その後はテントを片付けて、森を出るために進みだした。私のそばには先輩と姉さんがいる。他の人たちは私たちから距離を取っている。正確には先輩から距離を取っている。何したんだろ?先輩。


 しばらくして私は違和感に気付いた。私以外にも姉さんや前の方にいる実力のある人は気付いたようだ。先輩は気付いていたと思う。無表情で分かりにくいけど。


 私は気になって[気配感知]と[魔力感知]を使うと、とても大きな気配がこっちに近づいているのが分かった。冒険者の人や姉さんも気付いたようで、緊張感が漂う。


 そして現れた魔物を見て誰かが叫び声を上げた。


「お、オークキングだー!!」


 その声が聞こえた瞬間に私たちの前からオークキングやオークなどが迫ってくるのが見えた。そしてその中に一体だけ明らかに違う魔物が混ざっていた。


「あ、あれはもしかして、オーガソルジャーッ!!」


 その瞬間に冒険者の間に諦めや絶望と言った感情が表情に現れた。


 私と姉さんが行こうとすると、先輩が前に歩いて行った。


「ちょ! 先輩!! 危険です!!」

「お兄さん!!」


 私と姉さんが叫んで止めようとするが、先輩はただ真っ直ぐ歩いて行く。


 先輩が魔物たちの前に来ると、全ての魔物が動きを止めて警戒した。魔物は先輩に対して一斉に襲い掛かる。姉さんと私は魔法を放とうとするが、その前に先輩の姿が消えた。


 次の瞬間襲ってきたすべての魔物の頭が無くなり、光の粒になった。残ったのはオークキングとオーガソルジャーの二体だけ。私と姉さんは動きを止めて、冒険者の人も先輩に視線が行った。


 先輩は目の前の二体を見ると、


「弱い」


 そう呟き、その瞬間に姿が掻き消えた。そしてまた二体の魔物の頭は消え、光の粒になった。後に残ったのは魔物のドロップアイテムだけだった。


 先輩は呆然としている冒険者の人の事は無視して私たちのところに歩いてきた。その先輩の動きは音一つ立てることない動きで、先程の魔物の血もどこにも付いてなかった。


「先輩、どうやってあの魔物を倒したんですか?」


 私はつい興味本位で聞いてしまった。すると先輩は、


「少し早く動いて、頭を蹴った」


 何でもない様に言った。姉さんは驚いて目を見開いていて、私は言葉が出てこなかった。そんな私たちを見ながら、


「あの迷宮にいた魔物より弱い。なら簡単に倒せる」


 そう言った。先輩は今までどんな事をしてきたのか、どんな魔物と戦っていたのか気になったが、聞くことはできなかった。聞いたらダメな気がしたから。


 その後は冒険者たちも気が付き、魔物のドロップアイテムを拾ってから、何事もなく無事に森を抜け出した。


 そしてギルドに報告すると、皆驚いていたが、ギルドの職員さんは先輩を見て納得したような顔をして落ち着いていた。本当に、先輩は何をしたんだろう?


 報酬を貰って私と姉さんと先輩は無心流の道場に戻った。


 ルカナ様はこの依頼の結果を聞いた時、先輩にお礼を言って、私たちに謝ってきた。とても驚いたけど、ルカナ様のせいじゃないと言ったら落ち着いてくれた。


 この道場に付いた時には夜になっていたので、私と姉さんは自分の部屋に戻った。その時先輩はどうするのかと思ったけど、聞くのはやめた。いつも次の日になったら普通に此処に来るので、大丈夫だろうと考えることにした。


 そして部屋に着いた私と姉さんは、疲労がたまっていたようで、すぐに寝てしまった。










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