表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GREAT HISTORY〜大史伝〜  作者: アイラル
第四部 ミケ将軍バラムーユンタニア決戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

206/213

第百九十八話 世界の正解

――「滅び」こそが愚者への唯一の回答。

執務室に響くミケ天常大将軍の笑い声。それは、救いを求める者に差し伸べられる手ではなく、奈落へと突き落とすための冷徹な宣告でしたにゃ。ミケにとって、タズドットの抵抗や外交的策略は、勇気でも知略でもなく、単なる「世界の理に逆らったエラー」に過ぎません。

「実に、世界はよく出来ている」

その言葉の裏にあるのは、自分を絶対的な「正解」とし、それ以外をすべて「不必要なノイズ」として排除する狂気の完成ですにゃ。レイ将軍がその言葉に圧倒され、ただ沈黙して頭を垂れるしかないように、ミケの支配する世界では「思考」すらも罪。ただひれ伏し、彼の描く残酷な筋書きに従うことだけが、唯一の生存条件となってしまいました。

従わぬ者は、自ら滅びの道を選んだのだと断じ、その死すらも「秩序の証明」として楽しむ。この男の目には、もはや流れる血の赤さも、絶叫の痛みも届きません。ただ、自分という天常ルールが正しく機能しているかどうか……その一点のみが、この地獄の関心事なのですにゃ……。

「全くもって……愚かな選択かと。」


レイがそう呟いた瞬間、

ミケ将軍の口元が愉悦に震えた。


「そうだ……そうだとも、レイ。」


ミケはゆっくりと振り返り、

まるで正解を告げられた教師のように満足げに頷く。


「その反応が聞きたかった。

 我が部下よ、お前達は実に分かっている。」


彼の声音は低く、しかし底の見えぬほど深い。


「当然だろう?

 タズドットが“どうあるべきだったか”。

 本来なら、膝を折り、額を地に擦りつけ、

 我々にサステヒ砦を差し出し――

 命乞いをする以外に選択肢など無かったのだ。」


レイは唾を飲み込みながら答える。


「ですが彼らは……最後の最後まで抵抗を……」


「そうだ!」


ミケは椅子から立ち上がり、

獣の吠え声のような笑いを洩らした。


「何故、タズドットは従わなかったのか。

 何故、無様に足掻き続けたのか。

 何故、己の浅知恵を貫こうとしたのか。」


怒りではない。

失望でもない。


ただ“理解不能な愚者を笑う”声音。


「その答えが……これだ。」


ミケの目が細められた。

冷たく、残酷で、何より底の無い“支配者の目”だった。


「愚者は愚者の道を選び、

 滅ぶべくして滅ぶ――

 実に、世界はよく出来ている。」


その言葉に、レイはただ頭を垂れるしかなかった。

はい、というわけでお届けしました第百九十八話、「世界の正解、あるいは愚者の葬列」!

皆さん、今回のミケさん……。

「脳が震えるほど『選民思想』だにゃぁぁあああ! 自分の思い通りにならない存在を『壊れている』と断定するその冷酷さ……底知れない『異質さ』を感じるにゃ!!」(笑)

どれだけ言葉を尽くしても、どれだけ必死に生きようとしても、圧倒的な力を持つ者に「無意味だ」と一蹴されてしまう絶望。タズドットの人々が繋ごうとした命のバトンを、ミケさんは「走り方が気に入らない」という理由だけで焼き捨てようとしているんだにゃ……。

「ミケ将軍……いや天常大将軍! あんたの言う『よく出来た世界』には、人間の温もりなんて微塵も残ってないにゃ!!」(笑)

次回、「鋼の沈黙、あるいは天常大将軍の決断」。

ついに物語は臨界点へ。ミケ将軍とレイ将軍がバラムーユンタニアに関して語り合います。


お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ