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勇者先生 ~教え子が化物や宇宙人や謎の組織と戦っている件~  作者: 次佐 駆人


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45章 勇者と魔王 03

『魔王』が居を構える『惑星X-0192』。


 その惑星は、地球に対する月のような、2つの衛星を従えていた。


 そして今、『ウロボロス』の正面モニターには、それら2つの衛星の表面に開いた多数の巨大洞穴から、超巨大モンスターが続々と出てくる様子が映し出されている。さすがの勇者も想定していなかった光景である。


『宇宙空間で行動できる、戦艦にも匹敵するほどの大きさのモンスター。なんと恐ろしいものを作り出したのでしょうか、かの「魔王」は』


 サブモニターの向こうでメンタードレーダ議長が身体を震わせた。


 まあさすがにこれは俺も驚いた。あの『魔王』のことだ、隠し玉の一つ二つはあるだろうと思っていたが、まさかここまでの力業を見せてくるとは思っていなかった。


 穴から出てくるモンスターの数は増え続け、2つの衛星両方から出現した数はすでに400を超えている。


 全長500メートル近いそいつらだが、基本的にサメに近い形をしていた。


 形状は個々で微妙に異なり、一般的にサメといって連想されるホオジロザメに似てるものや、頭が金槌みたいになってるシュモクザメ、鼻先がノコギリみたいになってるノコギリザメなどに近いもの、さらには頭が二つになっているものや、ヒレが異様に発達しているもの、中には腕が生えている意味不明のものまでいる。


 もちろんサメそのものではなく、表面は金属的な鱗に包まれていて、目は左右に5個ずつついてたりする。しかも体の表面にコバンザメみたいな小さい――といっても30メートルくらいはあるが――モンスターをくっつけているものもいる。


 見ていると、何匹かは口から直径が数十メートルありそうな火の玉を吐いてドローンを攻撃しているものがいる。幸い火の玉の速度は遅くドローンは回避をしているが、それでも驚愕の光景である。


『出現したモンスターは492体いるようでっす。すべてがこちらに向かって進んできていまっす。ただし、ラムダジャンプやマギジャンプのようなものは持っていないと推定されますので、現在の速度なら接敵までは10時間ほどかかりまっす』


『ウロボちゃん』の報告は宇宙規模でわかりにくいが、そもそも彼我の距離が20万キロとかあるので、通常航行だとそれくらい掛かるということだろう。


 それでも普通に音速の20倍とか出てるはずなので、あんなのが体当たりしてきたらさすがにこの『ウロボロス』でもひとたまりもない。


「『ウロボロス』、あれと戦うとしたらどんな感じになりそうだ?」


『先日の艦隊戦と同じ感じになると思いまっす。「ソリッドマギキャノン」や「ソリッドキャノン」で遠距離戦を行ったあと、相対速度を合わせての射撃戦という感じですね~』


「体当たりは警戒するんだな?」


『あの形状からすると、体当たりや噛みつきのような攻撃は当然想定されまっす。もっとも避けるべきはその攻撃になりまっす』


 その話をモニターの向こうで聞いていたメンタードレーダ議長も、


『こちらも同じ戦法を取ることになりました。合わせて攻撃をいたしましょう』


 と伝えてきた。


『ただしこちらの攻撃がどの程度有効か、それによっては退却も考えます。数の差は無視できませんので』


「そうですね。こちらもそのつもりで行きましょう。ただし、時間をかけるとあのモンスターも増える一方だと思いますので、なんとか今回でケリは付けたいですね」


『確かに……。あのモンスターが繁殖するようなことがあれば事ですね。向こうはモンスターをラムダジャンプで運搬する技術も持っているようですし』


 そうなのだ、あの繭みたいなものを使えば、連中はこの巨大モンスターを惑星攻略にも使えるようになるのである。ズワウルとその艦隊を失ったとはいえ、時間をかければ奴らは力をすぐに取り戻すだろう。ここで退くというのは悪手でしかない。


「とりあえずぶち当たって、敵の群れに大穴を開けたら『ウロボロス』だけでも惑星に突入しますよ。『魔王』さえやってしまえばモンスターが増えることはなくなると思いますから」


『強行突入するのですね。わかりました、宇宙モンスターはこちらが相手をしましょう。苦戦するようなら逃げながら引き付けておきます。モンスターも向こうにはまだ敵艦隊も残っていますし、ミスターアイバは艦隊を率いて中央突破を試みてください。惑星降下をするにも、大陸全土にモンスターがいるなら艦隊が必要でしょう』


「ありがとうございます。それで行かせてもらいますよ」


 ということで作戦は決まった。結局は力ずくでの突破だが、その方がわかりやすいし勇者らしい。


 俺は艦長席を下り、青奥寺たちの方を向いた。


「というわけで、これから一当たりして敵を蹴散らしつつ、俺たちはそのまま惑星に突入。残りの敵はメンタードレーダ議長の艦隊が引き受けるという作戦を行います。惑星突入後、『魔王城』周辺のモンスターを艦砲射撃で消し飛ばした後、俺を中心にした降下部隊は地上に降下、そのまま『魔王城』に突入します。艦隊は上空で待機しつつ、周囲から集まってくるモンスターを駆逐してもらいます。突入部隊が『魔王』を倒せればモンスターたちの力は弱まるはずです。そんな感じですが質問はありますか?」


 俺の適当な説明に皆うなずくだけで、質問は特にないようだった。降下部隊の選別はすでに終わっているし、装備ももう完璧だ。そもそも途中の過程がちょっと変更になっただけで、やることは最初から変わっていない。


「ではメンタードレーダ議長、作戦開始は1時間後でいいでしょうかね」


『了解しました。こちらも準備はできています。今から1時間後作戦を決行します』


 さて、いよいよ始まる『魔王城』攻略。


 最初のステップは敵中突破&惑星降下だ。


 問題はあの宇宙モンスターがどの程度の強さなのかだが……。


 まさか特Ⅲ型を超えるとは思えないし、巨体の方が弱い説が通用すればいいんだが。

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― 新着の感想 ―
もうこうなったら勇者も光の巨人に…
鮫か、やはり宇宙でも鮫が出てくるんだな
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