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絶体絶命悪役令嬢  作者: 8D
絶体絶命下町少女
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終章 気に食わない女

 不機嫌さを隠す事もなく、むしろそれを知らしめるように顔を顰め、私は宛がわれた執務室へ帰った。


 あんなお嬢様に、初めての敗戦を喫するとはな……。


「くそ……っ!」


 ドアへ手をかけ、思わず悪態が口から漏れ出る。


「淑女らしからぬ言葉遣いだ」


 まさか、指摘の言葉が返ってくると思わず、驚いて声のした方を見る。

 すると、そこには一人の男がいた。


 執務机の角に腰掛け、男は視線をこちらに向けていた。


「久しぶりだね。アリシア」

「何でいるんだ? てめぇ……」

「君らしからぬ言葉だ」

「これが今の私だよ」


 男は机から腰を上げる。


「実は知っていた」


 その態度が、癪に障る。


「その上で気になる事があるんだが……。君の筋書きは、真犯人の可能性を指摘された時点で破綻していたはずだ。それでも、食い下がったのはどうしてだい?」

「……負けたくなかった。それ以外にあるか?」

「それにしても、機嫌が悪そうだ」


 機嫌が悪い、か。

 その通りだ。


 この不機嫌の理由は、負けた事だけじゃない。

 負けた相手が、一番の理由だ。


『真実が隠され、罪のない人間が罰を受ける事が私には許せません』


 あの言葉が、頭から離れない。

 鼻につく。


 気に食わない女だ。

 アリシャ・プローヴァ。


 次の機会があれば、潰してやる。

 これで絶体絶命下町少女は完結です。

 またいずれ、お会いしましょう。

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― 新着の感想 ―
[気になる点]  続く、のか…? [一言]  気づいたら読み終わってました。すごく面白かったです。
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