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ネットダイアリ-8-   GNA始まる -2-

「まあ、この時間ならお前はパソコンの前だなと思っていた」

 チャットといっても、あきらの顔が画面の右下に表示され、音声での会話のビデオチャットである。

 すばるの画面は、大きく、ビデオチャット画面が表示されるのが右端なので、すばるがそのままビデオチャットをすると、相手から見たすばるは、下向きに見える。そのため、すばるは、チャット画面を画面中央に持ってきた。

「ゲームのことかな」

「そそ。ネットの解説読んでいても、わかんないんだよね」

「だね。僕なりに考えたことは・・・・」

 と長々とすばるは、ゲームの解説をした。


「そか、俺は、カミンになれないのか」

「まあ、そうだね」

「カミンって、おこづかいを稼げるというから、期待していたんだけど、自分専用のパソコンを買うとなると、今、おこづかいがない・・・」

 あきらは、自分専用のパソコンを持ってないのである。

「パソコンがあっても、カミンの選考は、終わっているから、もう遅いよ」

「選考って何?。そんなのあんの」

「お前も知らなかったんだ。僕も、登録のときに初めて知ったんだ」

「そか~。すばるならカミンも登録するんだろうな、と思っていた」

「そそ、そのつもりだったんだけど。登録するときに、気がついたんだ」

「おまえ好きそうだからな」

「いや~、僕、画才ないから、カミンの機能の半分も使えないよ」

「でも、ゲームの記事を書くことなんて得意そうじゃん」

「まあそうかも知れないけど、まずは、プレイヤーでいたいかな」

「そういえばさぁ。グラン・ネット・アンダーグラウンドという名前なのになんでGNAジーナなんだろう。アンダーグラウンドって、ユー からはじまるんじゃね。「地下」って意味なのに、ゲーム内容を見るとどこにも地下世界みたいなとこが出てこないんだけど、なにかが間違っているの」

「ああ~~、それね。最初にゲームの名前聞いたときに思った。原題は、Grand Net and our Ground だそうだ」

 チャット画面上に、原題の綴りを打ち込んだ。

「お~~、なるほどね」

 あきらは綴りを見て納得したようだ。

「カミンが自分で創造する大地をネットワーク上につなげて遊ぶイメージ、からなんじゃないかな。このゲームのメインコンセプトみたいだし。そういう意味では、カミンは魅力的だよね」

「俺には無理。俺はやはりシビリアンだね」

 ゲーム話で時間が過ぎていくのを忘れていた二人。

「もうこんな時間か。明日は授業中寝ないようにしないと」

「いや、あきらいつも寝てるし」

 すばるはそう言って、ビデオチャットを終えた。


 週があけて、月曜日。いつもどおり、あきらと話しながら登校。

「先週の土曜日は、コンピ研でネット対戦しててね・・・・」

 先週の試合について、あきらに話した。

「俺も一緒にやってみたいな」

「いや、あきら下手だから。でも部長に聞いてみて、コンピュータ室を使っていいなら、放課後、一緒にやろうか」

「さすが、すばる。でも、部活の時間が」

「大丈夫、大丈夫。ただ、あきらと一緒の野良試合となるとレベルが合わないかな」

 野良試合とは、ネット上無作為に対戦相手が決まるネット対戦である。

 無作為と入っても、例のネット対戦は、プレイヤーごとにレベルがあって、同程度のレベルが対戦するようになっている。新規に始める人でも、下手な人でも楽しめるというコンセプトに基づき、運営しているゲームである。なので、戸村とむらみたいな、神プレイヤーと対戦することがないような仕組みになっている。そうしないとゲームとして成り立たなくなるから。

 すばるは、戸村とむらとともに経験を積んでいるため、ある程度、上位レベルの人と試合することになる。あきらはというと、まだ経験が浅く、例えば、今のすばると一緒にゲームするとチーム内でひどく足を引っ張る存在となる。そのため、普段は、あきらと組んでこのネット対戦はしてないのである。


 いつものことだが、このゲームをあきらと一緒に遊ぶときには、毎回、新規登録者として始めることにしている。ただし、新規に登録しても、すばるのゲームの手腕は変わらない。すばるは適当に手を抜きながら、対戦する。

 放課後、あきらの部活が始まる前までには、一試合出来る時間は十分あるかな。すばるの腕からすれば、難しいことではない。


 いつものコンピ研の人たちが来る時間に、あきらがやってきた。

「今日、友達と対戦ゲームをやるんです。クラスの神崎かんざきです」

 あきらがペコリと頭を下げる。

「おぉ」とか「やぁ」とか手を挙げ、そっけない感じで挨拶が返ってきた。

 いつもどおりなのだが、

「俺って、歓迎されてない?」

 あきらが心配そうな顔ですばるの顔をのぞく。

「いつもあんな感じだから大丈夫だよ。はじめようか」

 今日は、戸村とむらが来てないから食いついて来る人はいない。


 戸村とむらさんのようにはいかなかったが、25分ちょっとで試合を終え、あきらも楽しめたようだった。

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