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ネットダイアリ-5-   コンピ研イベント -1-

 休日のイベントがあるときのコンピ研は、朝が早く、特に今日のような対外試合になると戸村とむらの作戦会議が長い。


 今日のメンバーは、戸村とむら江原えばら有坂ありさか、こういうときに呼び出される佐藤、そしてすばるの5人である。出来れば、コーチというか監督のような、ゲームをプレイしていない人がいるといいのだが、戸村とむら以上に、采配が出来る人物を見つけることは難しいだろう。


「前回、17分47秒で更科高専を破ったわけだが」

 戸村とむらの説明が始まった。

 相手チームは、オーソドックスな攻め方をするチームであったわけだが、前回の対戦でこちらの特徴をつかんだと思われる。ただ、戸村とむらの話からは、従来どおり、戸村とむらを中心とした、相手プレイヤー殲滅戦で行くようだ。

 相手との対戦は、ネットを介して、双方の部室内で行われる。そのため、お互いの会話、というより叫び声と言ったほうがいいのだろうか、部室内は大騒ぎになる。うちのコンピ研では、戸村とむらが中心となるのだが、戸村とむらにも増して熱くなる人物がいる。対戦のときだけ加わる佐藤は、普段無口で存在感がない人物なのだが、こんなひとがいたのかと思うくらい、熱くなり、時々、戸村とむらがたじろぐこともある。


 今回の対戦は、先に2勝したほうが勝ちとすることになった。試合は、1戦ごとに10分程度の休憩を挟むことにした。

 対戦時間前になり、ネットで相手から連絡が入った。もちろん、相手の顔が見えるネット通話である。参加選手は、お互い自己紹介する。自己紹介後、お互いの参加選手は、ネットを介して見えるようにして、お互いの会話が聞こえないようパソコンを設定する。対戦中の会話を消すのは、対戦中の指示が相手に伝わらないようにするためである。


「さて、今日も相手をどんどん潰しに行くぞ」

 戸村とむらが掛け声をかけて、みんなは自分のパソコンの前に座る。

 席順は、戸村とむらが廊下寄りに座り、隣は、江原えばら、真ん中には砂糖である。すばるは、戸村とむらから一番離れた窓よりのパソコンの前に座った。もちろん、隣は、有坂ありさかである。

 単なるゲームとはいえ、緊張するものだ。特に対戦相手がいて、しかも、顔が見えるというのは、なんか気まずい。もともと文化系人間のすばるは、競争が苦手だ。突き詰めれば、文化系であっても、競争は存在するのだが、目の前に競争相手がいるのとそうでないのとでは、全然、気持ちが違う。そんな緊張を感じながら、自分の操作を頭の中で整理していく。

 戸村とむらの掛け声以降、コンピ研の面々は、集中モードに入り、パソコンの機械音だけが聞こえるような静けさの中に飲み込まれる。


 カウントダウンが始まり、お互いのゲームキャラを操作しだす。戸村とむらの動きを目で追いながら、ゲームキャラを戸村とむらシフトに配置して、相手の出方を待つ。戦闘の始まりだ。

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