ネットダイアリ-4- GNA(ジーナ)
「じゃあ、僕帰ります」
昴は、コンピ研部室を出て、携帯端末をポケットから出し、亮に連絡を入れた。
ちょうど、亮も部活が終わり、帰宅の支度をしているところだった。
昴は、中庭のベンチで亮を待つことにした。
暇つぶしに携帯端末を眺めようとポケットから端末を出したところ、ちょうど亮がやってきた。
「帰るか」
「うい」
二人で帰るときは、お互いの部活動のことや学校での最近のトピックで盛り上がりながら帰宅する。
帰宅して、昴は、いつものようにネットダイアリをつける。最近は、いわゆる「本日のトピック」的なものに絞って、ネットダイアリをつけている。パソコンを立ち上げ、自分でプログラムを書いて作った、自分を見つけて整理するアプリを起動する。時間順、場所毎と2つのキーで整理される。
もちろん、顔認識のプログラムなんて組めるわけではない。単純に顔認識機能は、外部に任せるのだが、時間情報と場所情報は、通常、画像情報内にあるので、単純にそれを整理する程度のプログラムである。もちろん、情報の出所は、ネット環境である。動画は、最初と最後の停止画像を抽出するようにしている。
「どれどれ。コンピ研の画像はどうかな」
パソコンは、教室前方に向いているから、このアプリでは、抽出されない。
「やっぱ、僕の画像は教室に入ってきたときだけか」
ほとんど、昴の頭の後ろしか写っていなかったと思われ、検索に引っ掛からなかったんだろう。
「今日は、意外と少ないぞ」
とはいえ、膨大なデータ量である。
「学校の中は、ほかに影響ありそうだから。結局、登下校になるか・・・・」
昴の登下校は、実質1時間もない。なので、情報量も絞られてしまう。
「寄り道したかなぁ~」
画面を眺めながら、今日の題材を考えていた。
「今日のトピックは、画像ではないかな。ありきたりだけど、亮と帰り道で話した今度のゲームについて書くかな」
次の金曜日に始まると言われる「グラン・ネット・アンダーグラウンド」、通称:GNAは、これまでと違ったタイプのネットゲームであった。
特徴的なのが、パソコン、家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯端末とほとんどのゲーム機用に用意されているゲームであるという点以上に、ゲーム機ごとにゲームへの参加の仕方が違う点である。
パソコンでは、ゲームマップを作成することが出来る「アルケミスト」。マップ上のモンスター類を作成できる「モブシュタイン」。ゲーム上、何が起こっているかを報道する「ライター」の3つの役割が出来る「カミン」。
各領土の領主となり、領土の繁栄や拡大を目指す「トノド」。
一般的なゲームと同じように、キャラを作って遊ぶ「シビリアン」
最後に、基本的にシビリアンの標的となる「モンスター」である。
まあ、やってみないとわからないのだが、大まかに言うとプレイヤーがマップや街を作りながら、新しいモンスターも作る。また、作られたマップ内もしくは他マップも含め、戦略的にシビリアンやモンスターをコントロールするトノド。トノドによってコントロールされたシビリアンとモンスターでの戦い。
そんな感じなのだろう。
登録は、「シビリアン」と「モンスター」のどっちかを選ぶことになっていた。
昴と亮は、一旦「シビリアン」で登録した。
昴はパソコン。亮は、家庭用ゲーム機で登録した。
「公式では、初期マップでもそこそこ広いらしいのに、さらにマップが増えるのかぁ」
昴は、カミンに興味があるわけだが、カミンになるには、選考に受からなければならないらしい。ネットの噂では、ゲーム会社の契約社員の形を取るとか。残念ながら、昴がGNAを見つけたときには、公募は終わっていた。
「トノドは、街づくりゲームみたいなものだろうな。最初は、シビリアンからトノドが選出されるみたいなので、地道に進めるしかないのかな」
「わからないのがモンスターだね。一応携帯端末にインストールしておこう」昴も亮も携帯端末に「モンスター」を登録した。
「来週楽しみだな。でも、携帯端末のモンスター役多くね?」
亮が心配しているようだった。
「まあ、来週になってからわかるって」
昴は、亮と話をしていて、久しぶりに新しいゲームにわくわくしていた。
「今日はこんな感じでしょ」
昴は、ダイアリを閉じた。




