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ネットダイアリ-45-  期末テストの終わりに

「いや~、終わった、終わった~」

 まだ、最後の数学のテストを集めた先生が教室から出ないうちに、亮は座ったままで両手を大きく上げて、期末テストの終了に歓喜していた。

 昴はといえば、テスト期間ということもあり、少しでもGNA関連の事件のことを忘れることができた期間が終わったという感じである。

「また、GNAのごたごたに巻き込まれるのか」

 そんな感じであった。


 テスト期間中であっても、昴は、いつもどおり、パソコンを点け、確認作業はやっていた。

 グランソフトには、特に問題が起きない限り、テスト勉強に集中するということでお休みをもらっていた。

 もちろん、亮も、である。


 ネット攻撃、偽者の昴、ネットダイアリの改ざん。これらのことでおっちゃんやツェットからも連絡がないことから、何も進展してないのだろうなと思われる。


 GNAの仲間には、テスト期間は、プレイできないことを伝えてあった。

「GNAはどこまで、変わっているかな」

 期待をする一方、また、何か起きるのではないかという不安もあった。


「昴、久しぶりに行くんだろ」

「うん、行って見るよ」

「今日は、部活自主練だから一緒に行けると思う。先輩にバイトに行くって報告してくる」

「教室で待っているよ」

「グランソフト」という単語を抜いて話すことに慣れてきた。


 昴は、教室で待っている間、携帯でGNAのモンスターを操作してみた。

「ウルフソルジャーが増えているな」


 GNAでのモンスターの数は、携帯でプレイヤーが選ぶモンスター数に比例している。大まかに言って、1プレイヤーで7~10体のモンスターが出現するようだ。携帯のモンスターは、今は、初期モンスターしか選べばないが、運営によると、将来的には、上級のモンスターを選べるらしい。やはり、その辺はお金が必要になると思われる。


 クラスの男子数人がやってきて、昴に声をかけてきた。

「黒野は、なに育てているんだ」

「ウルフ。今は、ウルフソルジャーになった」

「おお、すげぇ。俺たちは熊をやっているけどさ、こいつが武装したゴブリンに会ったって、パチこいていてさ」

「僕も会ったよ。後ろからやられた」

「え、マジ!」

「ほら、いたでしょ」

 と首根っこを捕まえられてたやつが言った。

「黒野、GNA詳しいよな」

「パソコンでシビリアンやっているからね」

「熊も武装できるのか」

「がんばれば出来ると書いてあるよ」

「よ~し、みんなでゴブリン退治に行こう」

 やはり、携帯派は仲良しグループでやっているのだろう。

「確かに、一人だと続かないよね」


「運営のうまさかな。武装ゴブリンは、携帯のモンスター連中の刺激になるのか」

 と昴は思い、また、ウルフソルジャーで遊んでいた。


 1時間ほど経ったのだろう。

「亮は遅いな」

 先輩への報告にそんなに時間かかるのだろうかと昴は疑問に感じた。

「そういえば、亮、なに部だっけ」

 亮からは、運動系の部活とだけ聞いていただけで具体的な部活名は聞いていなかった。

 探すにも探す当てがなかったが、このまま待っていても仕方がないと思い、亮宛にメールを入れて、グラウンドへ出てみた。

 亮のことだから、走る関係の部活だと思う。亮は、昔っから足が速いから何でも出来る。しかも体力もあると来る。


「期末テスト明けで、張り切って身体を動かしている人が多いな」

 活発な学生たちを見て感心した。

 あたりを見回したが、亮の姿はいない。

「運動着に着替えてないから、すぐに見つかると思ったんだが・・・」


 昴は体育館のほうに向った。


 体育館の中では、バスケット、バドミントン、卓球などのスポーツに、壇上では演劇部がいた。だが、亮はいなかった。


 仕方なく、教室に戻ると亮がいた。

「トイレ終わったか?」

「いや、亮を探しにいったんだよ」

「うん。メールもらったから知っているけど、さっき会ったときトイレ行くって言ってたじゃん」

 亮の言葉に昴は声が出なかった。例の偽者ではないか。


「どこで会った?」

 いきなり、亮に向って怒鳴っていた。

「なんだよ。いきなり」

 亮は怒りはしなかったが、半分、

「なに言ってんだ、こいつ」

 という感じの顔をして

「おい、なんだよ」とまた、聞いてきた。

「僕がトイレに行くって言ったときの場所はどこ?」

「なに言ってんの?さっきのことじゃん」

「ごめん。もう一度教えてほしい」

 昴の必死さに真面目なんだなと感じた亮は

「ここの階のトイレ前だ」

「わかった」

 と言って、昴は教室を走って出て行った。


「トイレの前と言ってたけど、もういないだろうな」

 と思いつつ、昴はトイレ前と男子トイレを探す。

 やはり、もういない。


 すぐに、このことをおっちゃんに連絡した。

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