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デッドマンズ・クロニクル  作者: 白銀シュウ
第零章   Prologue of Chronicle
9/12

【1‐6】  Bloody Scientist

この物語は、実在もしくは歴史上の人物、団体、国家とかその他固有名称で特定される全てのものとは、何の関係もありません。

あと、作者はVRMMOに疎い方ですので結構、やりたい放題です。

 直樹と真央は次の町『ヤマタ』に辿り着いた。

 『アマテラス』を出た頃は朝だったというのにも関わらず、時刻は既に午後である。


「けっこう遠かったんだな」

「ですね」


 直樹は木製の門を超えると村の中を見回す。


「太平洋…というか、東海岸に面している『アマテラス』に物資や文化が運ばれるためには必ずこの『ヤマタ』を通過しないといけないので、ここには行商人といったアマテラスに用がある人たちが多く駐留する場所だそうですよ?」

「成程…」


 アマテラスに用があるのかプレイヤーの姿が結構沢山見られる。


「とにかく、友達を探してみないとな…」

「片っ端から宿を探してみます?」

「そうだな…まずはそこから─」



「何をしているの? 藤元」



 頭の上から聞きなれた声が聞こえた。

 直樹は声のした方向を向く。


「なんでアナタがこんな場所にいるの? 確かVRMMOには登録していなかったハズじゃあ─」

「宮野!」


 直樹は嬉しそうな声をあげると屋根の上に座っている女性に向かって手を振る。

 真央は隣でポカーンとした表情をしている。

 直樹に呼ばれた女性は屋根から飛び降りて“美しい”と呼ぶにふさわしい着地をすると直樹の元へと歩み寄ってきた。


「良かった! 『アヌビス』まで探しにいく手間が省けたぜ!」

「……成程。あの男、アナタがここに来ることを見越して私達に召集をかけていた訳ね」

「?」

「あなたの友人よ。彼が私達に『ヤマタ』に集まれって手紙を寄越してきたのよ」


 直樹は友人に感謝した。


「そっか。あのアホには後でお礼をしねーとな」

「…それにしても、アナタも運が悪いわね。このデスゲームに取り残されてしまうなんて」

「まーな。…っと、忘れてた」


 直樹は真央の方を振り向いて女性の紹介をする。


「小林、コイツは俺と同じ高校で生徒会長をやっている『宮野(みやの) 亜衣(あい)』っていうんだ」

「あ、はい。…初めまして、小林真央と言います」


 真央は亜衣と握手する。


「初めまして。藤元が紹介してくれた通りだけど、「宮野 亜衣」と言うわ。職業は【バーサーカー】。よろしくね」


 2人の握手が終わると直樹は亜衣の容姿をジロジロと観察し始める。

 ふとももまで届く黒色のパーカーに白色の縦ラインが両端に流れている。

 亜衣は全く動じていない。


「亜衣、お前…【バーサーカー】っていう割には獣っぽくねーな」

「そりゃ…私はジョブ・チェンジしているもの」

「えぇ!?」


 真央は驚愕する。


「流石は半年前からゲームやってるだけはあるな」

「まぁね。…ほら」


 亜衣は自分のステータスを頭上に表示させる。

 レベルは40で、ドラゴンポイントは100。


「100?」

「道中で1匹見つけたから狩ってきたの。ちなみに赤骸(デッドマンズ)は5人」

「…バケモノじゃねーか」

「余裕よ。これ使えば」


 亜衣は首からかけているペンダントを見せつける。

 いや、ペンダントというよりは物をぶら下げていると表現する方が正しいかもしれない。


「何コレ」

「小瓶」


 3cmくらいの小さな小瓶が吊るされている。

 中には赤色の液体が注がれている。


「俺が聞いてるのは中身」

「人間の血だけど?」

「「ギャアアアアアアアア!!」」


 2人は亜衣から一瞬で距離をとった。

 亜衣は不服そうな顔をして2人に説明した。


「私は【バーサーカー(幻想種)】なのよ?」

「獣って力を発揮するのに血が要るのか…」

「いや、私限定」


 亜衣は小瓶を見せつけると二カッと笑って説明した。


「私は幻想種の中でも稀少な存在…『吸血鬼』だから血液が必要なの」

「吸血鬼…」

「あぁ、大丈夫。この血って店で売ってるものだから」


 直樹は心臓に悪いと呟く。


「…それにしても、藤元先輩って人脈豊富なんですね。少し見直しました」


 見直すも何も初対面から一日も経過していないだろう、と心の中で直樹はツッコんだ。

 亜衣は人の悪そうな微笑みを見せると真央に話しかけた。


「小林さん、アナタが思っている程この男はいい男じゃないからね?」

「聞いてます。暴力事件を起こして剣道連盟から永久追放を喰らったって」

「ちなみに小林よ、お前の目の前にいる女も普通の人間じゃないからな」

「…え?」


 直樹は亜衣を指差しながら説明する。


「コイツは両親が科学者なんだ」

「普通じゃないですか」

「そこで終わるなら、な。長いから事情は省くが、幼少期から神童と呼ばれたコイツは激しいイジメに遭ったんだ。そしたらどうしたと思う?」

「?」

「コイツ、虐めたヤツを殺して実験材料にしちまったんだぜ? 解剖とかホルマリン漬けとか」


 亜衣は自身の素性をばらされても全く動じていなかった。

 真央は動揺しながら直樹に尋ねる。


「じ、実験…? そ、そんなことしたら犯罪じゃ…」

「普通はな。政府としても優秀な科学者を子供の事件というスキャンダルで手放したくなかったんで隠蔽されたそうだ。それに、人体実験ってさ…かなりメリットがあったみたいだし? いやぁ、恐ろしい恐ろしい」


 他人事なので笑い飛ばす直樹。


「…一体藤元先輩って何者なんですか」

「コイツと私は東京にあるとある問題児ばかりを集めた高校の学生よ? まぁ、表向きは普通の高校なんだけど」

「…私、このパーティがすごく不安になりました」


 真央は真顔で問題発言をした目の前の女に対する信頼が急速に失われていくのを感じた。


〓 Lv.01 Hujimoto Naoki(Samurai)

Point:00030/10000


〓 Lv.01 Kobayashi Mao(Sniper)

Point:00030/10000


〓 Lv.40 Miyano Ai(Berserker)

Point:00100/10000

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