新たなメンバー
ぼちぼち使い方がわかってきた。・・・遅いって!
思うにこの世界に来てから、旅の連続です。
いわゆる転生物や召喚ものだと、冒険者とかになって街から街へと移動するけど、それは自由意思で移動のわけで、宿屋で美味しいものを食べたり温泉を堪能したり、旅を楽しむって要素があるじゃないですか。(誰に言っている?)
命令であっちに行け、こっちに行けと思うように遊べないんですよ。
なんか営業職になっている気分。
あ、元の世界も営業見習い中だったっけ。
ともあれ自由が効かないといっても、初めての土地へ行くのはやっぱり楽しい。
キマイラも出ないし、のんびり行ける。
それから、命名『無能な戦神子とそのご一行様』のメンツは契約してから変わりました。
前からのスライド
アーカネ(もはや遠慮なしの間柄)、ジャード(私には癒し系)、エンデ(寡黙な力持ち)のアビス組が正式に私の直属になった。
レシュ、クレイ、セリーンの侍女さんたちにシオ(彼は好敵手)
契約して後参加の諸国漫遊組(水戸の印籠持つ御一行みたい)
カッチャ(猟犬)で護衛隊長のカルガーイ
苦みばしったいい男そのもの。段取りはいいし、タフだし、小回りは利くし頼りになります。
モンテス(山猫)のギイル
細身のちょっと中性的な感じ。でも男には興味がないって言っていた。シロと仲良し。
ヒッポス(馬)のゼート
ちょっと神経質で慎重派。基本行ってしまえという御一行なのでこういうタイプがひとりいると助かる。
キーラ(羊)のルルス
金色のくるくる巻き毛、イメージとしてはギリシャ神話の神様。ナルシー。女性の敵、でも旅のあいだは毒牙にかかった女性の差し入れで潤う。
ベア(くま)のタウロス
でっかい。ジャードと双璧をなす癒し系。ギイル曰く 怒らすと一番怖い だそうだ。
そして医者のビボラ(毒蛇)のウルドイア
目はまんま爬虫類の目。一見怖そうだが、話してみると沈着冷静穏やかな人。でもアーカネと友達なところを見るとやっぱり怖い人かも。医者で毒蛇・・・ありえんと思った
それと今回限定で、常識知らずの私のためにユリル先生がご同行くださいました。
純血種は動物混じりの中では、『塀の中の住人』と呼ばれていて、一生街から出ない人もいるとか。
ユリル先生も聖都に行くのは初めてというのでテンションが高めです。
馬車に揺られながら講義の時間。
大司教の名前の“ロ”はマエール国教の聖職者の階級を表す。
下っ端は皆グレーの長衣で階級名はない。
次が司祭で “レ” 黒の長衣
『色付き』と言われる上級職
司教で “ロ” 藍色の長衣
枢機卿 “エ” 朱の長衣“
教皇 “ア” 白の長衣
名前と衣で相手の役職がわかるようだ。
名前がこの世界では身分証明書代わりみたいだと思うのは私だけだろうか。
聖都マエールまでは帝都から一ヶ月、国内や自分のことでいっぱいだったので後回しにしていた世界事情というものもをレクチャーしてもらいました。
今の5大国の元首と戦神子について
そう言えば5大国って言うからには、小国もあるらしいです。
ただ小国は戦神子を召喚する財力がないので、奈落との境界にあった国は皆滅んだり、属州になったりしているそうだ。
どんだけお金をとっているんだか・・・・
国として存続しているのは、各国の国境や緩衝地帯にあった国々で通商の拠点になっている立ち位置にいる国がほとんど。
国教会に上納金を収めて保護国となっている国もある。
さて寄り道はそれくらいにして、
マッシュール王国、国王は現在47才。ウガリッド=シンミャ=マッシュール。ラールヴェルと同じような気候・風土を持つ。治世が長く、境界も安定している。
戦神子は『金剛のスサノオ』の異名を持つクラウス=ミコト=バール。70才くらいということだ
(スサノオって名前は明らかに日本人ではないのに・・・この世界の人はスサノオ自体知らないから自分で付けたんだろうな。やっぱり戦神子って変わってる。)
エリドゥ帝国、女帝の国だ。奈落との境界のほとんどが海で、国土自体の被害が少ないので安定した国である。ガランティア=ディーナ=エリドゥ、40は過ぎているだろうが明らかにしていないのは女心と公言している。
ガランティアのガランを取って『お前はガランだ。』というのは計算高く、守銭奴という意味の隠語になっている。
戦神子は10代前半の男の子。まだあどけない年頃ながら『無垢の残虐者』の異名がある。
(なんて恐ろしい国。)
この二カ国の戦神子と会うことになる。
楽しみにしていたはずなのに気が重くなってくる。
マッシュール王国はラールヴェル帝国ともう一つ国境を接している国がある。
それがメドー公国。公国というだけに5大国の中では一番面積が小さいが、南に位置しており豊かな穀倉地帯を有する。ランス=シンミャ=メドー大公、67才。5大国元首の中の最年長である。
戦神子は2代目で『3元竜マジ・ダハーカ』の異名がある。
そして最大最強と言われるエステリオ王国。プエブロ=シンミャ=エ=エステリオ国王。“エ”つまりマエール国教会の枢機卿を兼ねている。50才。そして戦神子は『冷徹なる宣告者』。
海にも面しているため、両方から産物を得ることが出来る。国土が広いだけ境界も多く接することになるが、戦神子が境界線全体に結界をしいている。
また、国王の寿命も伸ばしたという噂がある。
沙耶はますます気が重くなってくる。4人の戦神子はそれぞれ異名を持つほどの実力と功績がある。
沙耶はシロにおんぶに抱っこだ。
しかも、シロのほうが先に異名が付いているし・・・『ラールヴェルの白き守護獣』だって・・・
羨ましくなんてないけど・・・・
沙耶は自分にも『ルイーズの女神』という異名が付きつつあるのをまだ知らない。
気が重いまま、順調に旅は続いた。
既に気心もわかってきている者たちとの旅なので、気楽だ。
途中の山越えでチーズを使ってホンデューを作ったら、あっという間にカラになりこれは商売になると早速チーズを帝都に運ぶ算段した。
帝都では養豚は盛んだけど、牛とかヤギのように乳を出す家畜の牧場は少ないし、そのままの生乳で使用するのがほとんどで、今までバターとかチーズを使ったのを見たことがなかった。
(食が貧しいのよね。)
食材の種類が少ないのだ。
スパイスなどは胡椒、辛くらい。カレーも作れない。
(思い出した。カレーが食べたい。)
聖都マエールは世界の中心であると言われているので、きっと食材も各地から集まってきているだろう。
お金もたくさん持っているだろうし、贅沢し放題だったりして、どうもコルテリオ大司教のイメージが悪すぎてマエール国教会自体にも波及している。
戦神子にも会うので、その時に他国の産物を聞いて輸入させて貰う手もある。
この世界に来て、『うま~い、おかわり!』をしたことがないのが不満だ。
着きました。
聖都マエール。
想像と違っていました。
想像していたのは、行ったことはないけどバチカン市国。
そしてローマの街。
現実は、
青い湖の真ん中にそびえる3本の塔を持つ大聖堂。
(世界遺産、認定だわ。)
その建物が鏡のような湖面に映る、一服の絵のような美しさだ。
観光地という雰囲気はない。全く。
黒い長衣を身にまとった人がちらほらいるだけで、一般人はほとんどいない。
大聖堂へ渡る道は一つ。
白い石で作られた橋だ。
ただの橋ではない。
幅は30メーターほどの広さを持ち、欄干にはいろんな動物の姿が造形されている。
そのどれもが実物とは少々異なっているのだが、特徴をバランスのとれた形でデフォルメされており、美術関連の才能も(も、というのが悲しい)ない沙耶にとっても素晴らしいものだとわかった。
橋の手前で一行は止まる。
大聖堂へ入れるのは、聖職者と元首と戦神子それと数人の随行員というので、沙耶はカルガーイ、レシュ、ウルドイアの3人を連れて行くことになった。
人選をしたのはアーカネ。
護衛と諜報を兼ねた人選だそうだ。
説明しよう。
3人の持っている固有能力によるものだ。
カルガーイは猟犬なので、能力は索敵と嘘発見器。
ナノレベルの嗅覚なので、発汗や呼吸による体臭の変化でお見通しなのだ。
馬鹿な私が騙されないように(アーカネ曰く)付いてくる。
レシュは幻惑が出来る。
もし不慮の事態になったとき、無能な(アーカネ曰く)戦神子を無事脱出させるために役に立つ。
ウルドイア。
お医者さんなのに、毒蛇。
赤外線探知で索敵できるほかに、手当もできる。
極めつけは体内で薬を生成することができる。
麻酔薬、自白剤、麻薬、毒薬、解熱剤、エトセトラ。
パソコンを持ち込めないただの神子に(アーカネ曰く!)付き添わせないわけにはいかない。
落ち込むばかりだよ。
アーカネ、いつか閃光で目を焼いてやる。
今はまだ、懐中電灯クラスだけど。
お読みくださりありがとうございます。
暑いです。
クーラーのないところで打っているので、手がネトネトです。




