表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫を追いかけて異世界  作者: ふー
異世界召喚編
PR
23/112

固有能力

 保護した親子は、次の街で医者に診てもらった。

 親子の体を見ると医師はひどく動揺し始める。

「衰弱は激しいが命には別状はありません。栄養のあるものを食べさせればすぐに自分で歩けるようになるでしょう。」

 そう言うと逃げるように立ち去ろうとする。


 ドアを開けようとする医師の手をアーカネが掴む。

 エンデがドアを閉める。

「な、何を」

 怯えで目が泳ぐ医師。


「それはこちらが聞きたい。何にそんなに動揺しているのです?」


「動揺など・・」

(ものすごく動揺していますよ。)


「この親子が貴重種だからでしょう?」


「知っているなら聞くな!帰してくれ。」


「どうしてそう怯えるのですか?」


「帰してくれ!こいつらは」

 と寝ている親子に指を指す。

「医師を志す者に対して、敵だ。」

 そういうとアーカネの手を振り切って出ていった。

 アーカネは医師の言う意味がわかったので離したのだ。


「医師を志す者にとって敵って?」

 沙耶が聞く。


「ご迷惑をおかけして・・・」

 か細い声がベッドからする。

 振り返ると母親が体を起こそうとしていた。


「寝ていたほうがいいですよ。」

 折れてしまいそうな体を、再び寝かす。


「あなた様は?」


「この方は戦神子様だ。」


「え!」

 母親はまた身を起こそうとする。


「だから、起きてはダメです。」


「・・・お願いいたします。私たちを一緒にお連れください。御子様にお使えさせてください。」

 それだけ言うと、母親はまた気絶した。


「アーカネ、知っていることを教えて。」


「連れて行くのか?」


「聞いてから考える。」


「おそらくあの親子はキンヨンダです。」


「キンヨンダって?」


「カメレオンです。」

 親子の世話のためについていたクレイが言う。

 顔色が悪い。


「カメレオンのどこが医師のてきなの?」


「キンヨンダの固有能力の問題です。まだ生きているキンヨンダがいたとは驚きです。」


「・・・動物混じり《ミクスチャー》の中でも差別するの?」


「そういうわけでは、ないのです。」

 クレイが怯えながら言う。


「外で話しましょうか。」


「私も。」

 とクレイが言う。

「あなたは残っていなさい。エンデがいるから大丈夫です。」








 クレイがあんなに怯えるなんて。

「キンヨンダという能力は、怖いものなの?」


「クレイ《うさぎ》ですか?あれは種としてのいきさつがあったので怯えているだけです。」


「どういう能力なの?」


「貴重ですよ。是非連れて行ったほうがいい。今なら恩を売れます。」


「だから、聞いてから考えます。はやくいえ。このすかし陰険メガネ。」

 こいつに遠慮は無用にする。


 アーカネは何故か嬉しそうに笑うと、真面目な顔になって説明し始めた。



 カメレオン。

 沙耶の世界ではペットにする人がいるほど馴染みのあるどうぶつである。

 行動は止まって見えるほど遅いが、そのながいしたを目に止まらない速さで伸ばし昆虫を捕食する。

 体色を周りの色に変えることもできる。

 その能力が固有能力ならすごいだけで、医師が敵視するほどのことではない。


 この世界のカメレオンは沙耶の世界の神話の力を引き継いでいる。

 カメレオンの神話の力。

 死者蘇生。


 神よりカメレオンは人に死んでも復活することを告げるようにと使いに出された。

 しかしカメレオンはその足の遅さゆえにいっこうにつかなかった。

 神はうさぎをあとから使いに出した。

 うさぎは嬉しくて急いだ。

 カメレオンを追い越して人のもとに行ったが、神より言われたことを忘れてしまった。

 そして人は死んだらそのままだと伝えてしまった。

 カメレオンはその事を申し訳ないと思い人のそばに生き、自分の持っている知恵を人に授けていった。


 それがカメレオンにまつわる神話だ。

 この世界のキンヨンダの能力は、死と生を入れ替えることだ。


「どういうことですか?」


「生き返らせることができるのです。」


「すごいじゃないですか。」


「すごい能力です。死を代償にしなくてもいいのなら。」


「生き返らすには犠牲が必要ということ?」


「そうです。でも、敵の命と味方の命の交換でもいいのですから、キンヨンダはこの世界で囲い込まれました。」



 そして当然キンヨンダ同士の戦いになる。

 同じ種族での戦いは種族の先細りを意味するものなので、キンヨンダは団結して世界に挑み始めた。

 だが世界に挑むのは流石に無謀だった。

 世界はゆるさなかった。

 キンヨンダは人の世界のキマイラと呼ばれて忌み嫌われるようになった。



「わかりました。とりあえず母親の意志を尊重します。」


「連れて行くのですね。」

 アーカネが念を押す。


「すぐに動かすのは辛いでしょうから、少し時間を頂戴。」


「そういうことなら、すぐに出発した方がいいでしょう。あの医師が人を集めないうちに。」


 ウェイ隊長たちが、物資を補給し終えて居たので出発には問題なかった。

 一行はこうして最初の街を慌ただしく出発することになった。





 シロのもふもふベッドに寝っころがりながらティルルにメールを送った。


 かめれおんだった。

 いっしょにつれていくことになるとおもうが、

 きけんだとみんながいう

 どうぶつまじりのなかでも さべつをする



 すぐに返信がきた。




 めいしんかもしれない

 せんにゅうかんをもつな

 のうりょくをつかうのはじぶんじしんだ

 ひとをみろ



 上から目線だけど言っていることはとっても正論。

 はあ~とため息をつく。

 まず、この一行の意識を変えることからするとしますか。

 アビスの3人は問題なさそうなんだけど・・・


いくらなんでも危険すぎる能力です。

カメレオンの神話はアフリカに実際にあります。

うさぎと亀ならぬ うさぎとカメレオンです。

でも何故アフリカなのにインパラとカメレオンとかチーターとカメレオンじゃないのでしょう

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ