第4章:真実の忘却と誓い
なんとか今日中に出せましたー。 みなさん1コメ頂きました。できる限りコメントには返信しますのでどんどんして下さい。(上からすぎるかな?) どうかこれからも主人公の活躍を見守ってください。それでは五章の添削に入ります。
翌朝、私たちは家に戻った。ミアはよほど疲れていたのかソファで眠り、私は父の立ち入り禁止の書斎に向かった。バールで鍵をこじ開けると、机の上には父の焦った筆跡の日記があった。「ラジオを聴くな、事件の真相を知りたかったらロードアイランド州の沿岸送信所の小屋へ行け、そして奴らを信用しすぎるな」と書かれていた。
真相を知りたい気持ちと、命の危険を感じながらも、私はミアを起こした。最後の貯金をはたいて、物流ドライバーをしている親友のルーグに頼んで目的地に向かった。連邦政府のインフラ部門に勤めているというルーグは、ほぼ報酬無しで引き受けてくれた。
ロードアイランドまでの大陸横断の旅は、過酷で不安に満ちた2日間を要した。ルーグは、食事も睡眠も取らず、ハンドルを握りしめていた。ミアは深い恐怖で体を硬直させ、私は道路を見つめていた。ルーグに休憩を提案しても、後少しと軽く返してきた。トラックの中の静寂は張り詰めていた。
私は景色を眺めながら、ここ最近起きた出来事を整理した。打撲や骨折を負ったにもかかわらず、なぜか動けた。普通は何ヶ月かのリハビリが必要なはずだ。だが私は動けた。多少痛みが伴ったが、自分の身体が自分のものではないような、奇妙な頑丈さを感じていた。
ミアにも不可解な点が多い。ミアは、息も切らさず、汗もかかず、時折無機質な横顔を見せる時があった。たまに見せるその顔に少し怖くなる。
街に近づくと、寒さが増した。雪が降って辺りを白くしている。ミアは少しはしゃいでいた。その時ばかりは幼く見えた。
ようやくロードアイランドの海岸沿いにある小屋にたどり着き、ミアを車に残し、小屋の中を探した。隠された壁の金庫には、血痕のついた設計図が一枚だけ入っていた。それは武器の設計図ではなく、1999年のワシントン放送塔のメンテナンス記録だった。
「この中で出てくるオッドナンバーとは自然的に能力を開花した人物達の名称。イーベンナンバーとは人工的に能力を開花させたもの達の名称。
プロトタイプ1391208(MIATH)は局所的な魂マッピングを用いて人間の感情マトリックスの移植に成功した高度な生体合成フレームワーク。魂移植後オッドナンバーとして覚醒、能力詳細は二枚目に。被験者は記憶の上書き後、名前をミアに変え、施設から脱走し、現在は行方不明。
プロトタイプ1494675(ROGKA)は、ミアと同じように魂の移植に成功したが、能力覚醒に失敗。プロトタイプの名はルーグに変更。現在:正常稼働中
プロトタイプ1は異分子。オッドナンバーで能力は..........
プロトタイプ達の研究室はワシントンD.C.の放送局。」
私はよろめきながら後ずさりした。ミアはただの少女ではなく、プロトタイプMIATH、外にいた運転手ルーグはROGKA。二人は人間でありながら、半分は人工の器に魂を囚われた生体合成体だ。設計図に記されている、一番の説明には、消せない血痕が付いていた。まるで意図的に付けられたかの様に不自然だ。わずかな文字からは試作品達の本拠地がワシントン放送局であることを示していた。
その時、小屋のドアが爆発し、黒ずんだチタン製の巨大な機械アームが現れた。出入り口に立っていたのはルーグだったが、彼の皮膚は濡れた紙のように剥がれ落ち、金属製のシャーシが露わになっていた。彼の胸部からは耳をつんざくような高音のブザー音が鳴り響き、この音波は私の脳から記憶を、まるで物理的に黒いインクで塗りつぶしていくかのようだった。
私は床板の上に膝をつき、頭を抱えた。目の奥に、真っ白に熱くなった激痛が走った。何かを考えて、何かを掴んで、心の中は一瞬でパニックに陥り、必死に心の拠り所を求めた。
父の顔の記憶を探した。だが、さっきまで覚えていたことが思い出せない。唯一思い出せたぼやけた輪郭も、溶けるように無くなっていった。その顔は灰色で特徴のないぼやけた塊へと変化した。恐怖が胸を締め付ける。
パニックに陥った私は、幼い頃から封印してきた母の声、あの笑い声を掴もうとした。しかし、その音は引き伸ばされ、歪み、そして消えた。何もかもが奪われていく感覚に、息の仕方も分からなくなる。
自分の胸の中、頭の中に、ブラックホールのような空虚な空間が広がっていくのを感じた。空っぽの頭の中で方向がわからないような感覚だった。自分の存在意義を求めて、自分の名前を叫ぼうとした。叫び声は喉の奥で引き裂かれ、名は意識が捉える前に灰になって消え去った。内側から空洞にされ、私の存在全体が、空虚でこだまが響く廊下へと変わっていった。
最後の、必死の思いで、小屋のガラス窓を突き破って、鋭く岩だらけの海岸に転がり落ちた。
額を外の岩だらけの地面に打ち付けた時、額から血が流れた。「僕」は自分自身の存在すらよくわからなくなった。13年間の記憶――幼少期、父の顔、母の声、長年積み重ねてきたはずの私自身の過去は、完全に消し去られていた。
僕は白紙の状態になり、冷たく空虚な心だけがそこにあった。パニックの後に訪れたのは、感情が麻痺したような静けさだった。
僕は四つん尋になってトラックまで這って戻った。ルーグはまだ小屋の中にいて、曲がった関節を大きな音を立てて元に戻していた。あの金属の擦れる音が、耳の奥で不快に響く。
運転席に戻ると、ミアは全く反応がなく、目は虚ろで、寝ているようだった。僕はミアを助手席から引きずり出した。
ミアの正体を知って、本当はここに置いていきたかった。関わりたくない、一人になりたいという恐怖と拒絶が頭をよぎる。しかし、胸の奥底に深く刻まれた、消し去ることのできない「何か」が、彼女を置いていくと後悔すると告げていた。たとえ自分の身元が分からなくても、彼女を守ろうとする本能は、私の魂の奥底に消えない事実として刻み込まれていた。私は彼女を背中に担ぎ、歯を食いしばり、暗い高速道路へと走り出した。
砂漠へと南下する貨物トラックの荷台に飛び乗ると、震える血まみれの自分の手を見下ろした。過去を失った。名も失った。しかし、トラックが荒野へと走り去るにつれ、私の空虚な心に新たな誓いが芽生えた。
私は必ず自らの存在を消した人物を探し出し、自分の存在を取り戻す。
初コメ貰った時の感覚と反応(うおおぉぉぉぉ、一コメえええぇ、誰ええぇぇ、嬉しいいいぃぃ、え。お母さんなの? なーんだあはははは。) こんなでした。




