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シャイニーフェニックス~落ちこぼれ少女のヒーロー奮闘記~  作者: 影野龍太郎
第7章【出現、シックザールクリスタル!! ブーミ最後の戦い!?】

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第39話 倒せ! 怪人デバッガーメ!!

「Start Up! シャイニーフェニックス!!」

 コールを叫べば私は一瞬で正義のスーパーヒロイン、シャイニーフェニックスへと姿を変える……。

 多分怪人やきらりちゃんにも変身コール聞かれただろうけど気にしない、何故なら彼らが香取みうとシャイニーフェニックスが同一人物だと気づくことは絶対にないからだ。

「なにっ!?」

 煙が晴れ、驚愕に目を開く怪人の瞳に映るのは、シャイニーフェニックスへと姿を変えたこの私、そしてきらりちゃんともう一人、彼女を庇うように立つ『香取みう』の姿。

 何故シャイニーフェニックスと香取みうが同時に出現できるのかと言えば、それは前回の騒動でも使った手を使ったからだ。

 つまり、あっちの香取みうはルビィの変身した姿というわけ。

 怪人が派手に窓ガラスなんて割って飛び込んできたおかげでいち早く危機を察して文字通り飛んできてくれたルビィが目くらましのための煙を発生させ、その中で私はシャイニーフェニックスへと変身し、ルビィは香取みうの姿へと変身することで、見事な入れ替わり作戦を成功させたというわけだ。

 怪人やきらりちゃんからはただシャイニーフェニックスが突然部屋の中に出現したようにしか見えないだろう。

 さて、それはともかく、いつものあれをやらないと!!

「転生の炎は悪を焼き尽くす正義の業火! シャイニーフェニックス、参上!!」

 そう、名乗りだ。敵に自らの存在をアピールし、味方を鼓舞する重要な儀式なのだ! 決して単なるカッコつけでやってるわけじゃないんだからね!

 ポーズを決める私に、みうの姿のルビィはやれやれと小さく首を振り、怪人はポカーンと口を開けて固まっている。

「シャイニーフェニックス……本当にいたんだ……」

 そしてきらりちゃんは呆然とした表情で私の事を見上げていたのだった……! 

 って言うか私の存在認知度まだまだなんだなぁ……本当にいたんだって言い方してるってことはきらりちゃん実在疑ってたって事でしょ。

 ちょっとだけショックかも……。まあそりゃ基本紗印(しゃいん)市でしか活動してないからそうなるかもだけどさ……。

 微妙に傷つく私はさておき、その時ようやく我に返ったのか、怪人は慌てて叫ぶように言った。

「おのれ、シャイニーフェニックス、また唐突に出てきやがって!!」

「正義の味方はどこにだって、いつだって現れるのよ!」

 私はビシッと指を突きつけて宣言した!!

 というか、唐突に出てくることに関してはギーガーク帝国の連中には言われたくない、あいつらどこでも湧いて出てくるもの、まるで黒光りするあの昆虫みたいにさ。

「ふん、まあいい! 貴様が出てくることなど想定済みだ、クリスタルと貴様の命、両方頂くぞ!」

 その言葉と共に、飛び掛かってくる怪人、奴の言葉へのお返しってわけじゃないけどこの攻撃は想定済みだ、私は慌てず騒がず体を回転させ強烈な回し蹴りを叩き込む。

「ぐはっ!」

 叫び声を上げ、壁をぶち抜きながら建物の外へと吹っ飛んでいく怪人、私もそれを追って建物の外へと飛び出した。

 それにしても、窓ガラス割られたり、壁ぶち抜かれたり、今回建物への被害が今までより大きい気がするなぁ。って壁ぶち抜きは私の蹴りが原因だけど……! テレビ局の人、ごめんなさい……!

 ともかく怪人と私がやってきた場所は、駐車場だった、かなりの広さがありここでなら存分に戦えるだろう。

「なんというパワーだ……。この姿のまま戦おうとしたのが間違いだったな……」

 怪人は呟くとゆらりっと立ち上がる。そして、両腕を顔の前で交差させた。

 あ、やっぱりこいつ変身するんだ……。

 まあ、怪人だもの、人間――岸谷(きしや)の姿が本当の姿のわけがないよね。

 そんな事を考える私の目の前で奴の姿が変わっていく……ヨレヨレのスーツを着た中年男から、まさに怪人と呼ぶにふさわしい姿へと……!

 変身中に攻撃をしないのは別にお約束だからでもマナー的なものがあるからでもなく、奴の周囲を渦巻くエネルギーのせいで今攻撃しても無駄だと思ったからだ。

 効果が薄いとわかってる攻撃を繰り出すよりも、次の攻撃に向けて力を溜める方がいいに決まってる。

「クワアアアッ!!」

 変身が完了し、奴は空に向かって一言吠えた。

 全体的なシルエットとしては、二足歩行の巨大な亀、爬虫類のような鱗の生えた体表に背中には巨大な甲羅を背負っている。

 だけど、顔は亀のそれではなかった、まるでカメラがそのまんま頭部になったかのような、無機質なレンズが嵌った丸い頭だった。

「せっかく変身したとこ悪いけど、一気に決めさせてもらうよ!」

 私はそう叫ぶとジャンプして空中で回転し勢いをつけて蹴りを放った! これがまさにさっき言った奴の変身中に溜めた力で繰り出す攻撃で、その威力はなかなかのもののはず。しかし――

 ガキン!! 鈍い音を立てて弾かれる私のキック! くっ、硬い……!! 怪人は素早く体を回転させ背中の甲羅で私の攻撃を防いだのだ。そしてそのまま反撃とばかりに体当たりを仕掛けてくる。

 咄嗟に両腕を交差させてガードするが、衝撃を殺しきれず吹っ飛ばされる私。地面に叩きつけられしたたか背中を打つ。

 バリアは効いてるからダメージは低いけど痛みそのものを完全に消し去ることは出来なかった。

「いったぁ……なかなかやるじゃない……!」

 私は腕で口元を拭いながら立ち上がる。そんな私に怪人は背中を向けたまま横顔だけをこちらに向けて笑う。

「はっはっはっ、甘く見るな。俺の防御は完璧よ、貴様の攻撃など通用せんわ!!」

 確かにあの甲羅の防御力は厄介だ、だけど、それはともかく……その姿、凄くカッコ悪いです……。

 いつ攻撃されてもいいように背中を向けてるんだろうけど、せめて勝ち誇る時ぐらいは真正面を向いて欲しいなぁ……なんて思ってしまうのだった……。

 そんな私の心中を察したのか、はたまた単なる偶然か、突然怪人がこちらに向き直る……! その瞬間――バシュッと奴の瞳……なのかなあれは? 頭部のレンズが輝いたかと思うと、私の全身を衝撃が貫く! まるで雷に打たれたかのような強烈な一撃だった……!! そしてそのまま吹っ飛ばされる私!!

 なんとか空中で体勢を立て直し着地するものの、ダメージは大きく膝をつく。

 くっ、間抜けな姿に対する油断もあって今の一撃は結構効いた……かなりのダメージを受けてしまったみたい……このままではまずいかも!? しかし、敵は待ってはくれなかった、奴は再び体を回転させると、その勢いのまま尻尾による攻撃を繰り出してくる。

「ひゃっ、とっ、このっ!」

 なんとか弾いたりかわしたりしながら反撃の機会を窺うものの、相手は素早くてなかなか捉えられない……! もうっ、亀みたいな見た目してるくせに素早いなんて反則だよ!!

 まあ亀ってイメージほど鈍くはないらしいけどね。ってどうでもいい話。

「バーニングブロウ!」

 それでも何とか隙を突き、私は拳に炎を宿らせる必殺拳を繰り出す。

 ガッキィィン!!

「い、い、い、いったあああああい!!」

 私の拳は、奴が素早くこちらに向けた背中の甲羅によって防がれてしまった! あいたた……手が痺れるぅ……!!

 私はその場を飛び退き、奴から離れると、赤く腫れあがる自分の手にフーフーと息を吹きかけたのだった……。

「言っただろ! 俺の防御は完璧だと。たとえ核ミサイルの直撃を受けてもこの甲羅はビクともしないぞ」

 確かに私の技の中でもかなりの物理的威力を誇るバーングブロウでも傷一つつかないところを見てもそれは決して言いすぎではないのだろう。

 だけど、私はすでに対処方法を思いついていた。

 さっきからこの怪人は私の攻撃を背中で受け止めている。今も背中を向けたまま横顔だけをこちらに向けるというカッコ悪い、かつ苦しい体勢を取り続けているのだ。

 それは正面からの攻撃を怖れているということに他ならない。つまり、甲羅以外の部分になら攻撃が通じる可能性が高いということだ。

「ファイアショット!!」

 私の指先から放たれる火炎弾が、奴の甲羅に直撃する。火の粉が舞い散り当たった部分が一瞬だけ赤くなるが、やはり効果はない。

「頭の悪い奴だ! 効かんと言うのがわからんのか!!」

 馬鹿にするように叫ぶ怪人に、私は戸惑うふりをしつつ一歩後退する。

 今のはただの布石、本命は、こっち!!

「ウイングカッター!!

 私は今度は背中についてる翼状のパーツを取り外し、投げつける! しかし高い切断力を持つそれは、奴に当たることなく、その横をすり抜け飛んで行った。

「どうした、狙いもまともに付けられないほどに疲労しているのか? もっとも当たったところで意味はなかっただろうがな」

 奴は一歩一歩背中を向けた体勢のままこちらに近づきながら余裕たっぷりに言い放つ。

 だが、次の瞬間!

「ぎゃああああっ!!」

 奴が絶叫を上げる! よしっ、上手くいった!!

「な、なにが……!?」

 そう言って奴は自分の腹に目をやる。そこにはさっき奴の後方に飛んで行ったウイングカッターが深々と突き刺さっていた。

「あなたにもう少し注意力があったら、()()()()()()気づいたかもね?」

 ウイングカッターは二枚の翼をくっ付けたV字型をしている。そう、ブーメラン型って奴だ。つまり、上手く投げれば戻ってくるのである……!

 狙い通り空中で軌道を変えたウイングカッターは、防御力の低い奴の腹に突き刺さったのだ……!!

「ぐ、くそっ……!」

 腹に刺さったウイングカッターを抜こうと奴は手を伸ばす……。今!!

 私はその隙を見逃さずダッシュを掛けると、奴の身体をむんずと掴む。

「竜・巻・投げーー!!」

 そしてそのままグルグル回転し勢いを付けると、思いっきり空高く放り投げた!

「うわああああっ!!」

 悲鳴を上げながら宙を舞う怪人デバッガーメ! 私は地上から腹部を下に向けた体勢で飛ぶその姿を見上げつつ両手を掲げてエネルギーを集中する。

「必殺! シャイニーファイナルエクスプロージョン!!」

 私の手から放たれた光弾が、上空の怪人と接触した瞬間。

 ドッゴオオオオオン!!

 凄まじい大爆発が巻き起こる! 爆発が収まった後には怪人の姿は影も形もなくなっていた……。

 ふっ……またつまらぬものを爆発させてしまった……なんてね。

 ヒューン ガン!

 その時私の背後そんな音を立てて何かが落ちてきた。ちょっとだけビクッとしつつ振り返るとそれは怪人の甲羅だった。

 一瞬中身入りかと思ったけどそうでなくて一安心、中身を失った甲羅のみが降ってきただけだったみたい。

 それにしても確かに硬いわ……。あの大爆発でも傷一つない……。甲羅の防御力一点特化型の怪人だったようね。下手をしたらもっと苦戦させられてたかも……。比較的あっさり倒せてよかった。

 そう思いながら感心したような呆れたような顔で見ている私の目の前で、その甲羅はブクブクと泡を立てて溶け消えていく。

 本体が倒されたことで、甲羅もその存在を維持するエネルギーを失い消滅したのだろう。私はふうと一息吐くと、その場にへたり込んだのだった。

お読みいただきありがとうございました。

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