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王を評する者


 先日催されたペアグラント侯爵夫人の舞踏会は大盛況だったらしい。


 あろうことかアップルトン家の呪いの令嬢も、どういうわけか何事もなかったかのように出席していた、と報告書には記されていた。しかも元々の婚約者であるフェルナンド家の令息と一緒に、だ。不格好ながらダンスまで披露したらしい。若い者の初々しい姿に侯爵系貴族たちは大いに盛り上がった、か。忌々しい。


 それにしてもフェルナンドとアップルトンの婚約については、


「婚約破棄まで行ったはずだが……」


 どういうことなのか。

 報告書を読み進めると更なる事実に瞠目する。


「勅命で婚約破棄を却下、だと」


 またか。

 また、新国王の仕業だというのか。

 やってくれるではないですか、陛下。


 即位されてからこちら、ずっと気になってはいた。

 新王アルベルト陛下の目配り手配りの良さは驚異的ですらあった。

 王位継承権者の暗殺騒動を切り抜けたかと思えばすぐさま即位。先行きが危ぶまれていた農地開拓を推し進めたかと思えば、名うての盗賊団“蛇の爪(スネイル)”の検挙。オマケに僻地のゾンビ(ハザード)を鎮めたのも陛下の指図によるとかどうとか。


 そして今回、貴族家のゴタゴタを王勅により回避ときた。“呪い”について何かしたとは思えないが、恐ろしいまでの慧眼、辣腕ぶりだ。


 無能のポンコツという、第三王子時代の風評は今なお消えてはいないものの、即位後の留まるところを知らない成果によって上書きされつつある。無能ではなく、能ある鷹が才を隠していたということか。いずれにせよ厄介であることに変わりはない。


「搦め手では埒が明かんということであれば、今少し直截な方法を採るしかあるまい」


 さりとてあまり目立つわけにもいかない。

 となれば採りうる手段は限られてくるわけだが、さて――


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