最終話。そして二人は
「ふぅ。疲れたよ今日も」
ネクタイを解きながら待ち合わせ場所の席に着く。
とりあえず、二人分の飲み物と軽食を注文しておく。あの子も疲れて腹を空かせているだろうし。
しばらくの後、待ち人が慌てた様子でやって来た。
「ごめん!待った?」
「いいや。さっき着いたところだから気にしないで」
大人としての余裕を見せる。まぁ、ヌルくなったコーヒーのせいで待ち時間とかバレたけどな。
「さっきニュースで回って来たけど、また怪人が現れたんだって? お疲れ様」
「大したことないよ。何たって私は強いんだから!」
「油断してると足元掬われるぞキラリ」
「べー。アスカの意地悪」
奇跡の魔法が発動した日から数日。ただの魔法少女好きなおっさんになった俺からキラリちゃんに告白した。
元相棒から告白されるとか軽いホラーじゃないのか?と思ったけど、キラリちゃん曰く 「ダイヤはダイヤ。アスカさんはアスカさんのつもりで接したいと思います」 とのことだ。
今も魔法少女の必要性は高い。
そこで俺は交友のある妖精や元魔法少女たちと会社を立ち上げた。
魔法少女マネジメント事務所。【ダイヤの卵】
新しい魔法少女のスカウトや今いる魔法少女のサポートを主に行っている。
社名は将来的に伝説の魔法少女マジカル・ダイヤを超えて欲しいという願いを込めて。
キラリちゃんも今は事務所に所属の魔法少女として活躍してもらってはいるが、いずれはマネジメントする側になってもらうつもりだ。
「私が変身できなくなったらね?」
「おいおい、いつまで現役でいるつもりなんだよ。20超えたら少女って歳じゃないだろ」
「ふふん。マジカル・ミンキーは生涯現役だよ!そうじゃなくても10年は活躍しないとね?」
「生涯現役とか……キラリなら本当にやりそうで怖いな」
どんどん強くなっていくマジカル・ミンキー。先月は地球に落下してきた巨大隕石を消し飛ばしたからな。
「でも、そうなると色々と困るな」
「何が困るのかね?アスカくん」
「いやね、キラリが働き詰めだと新婚旅行とか育児問題とか考える暇ないかな〜って」
「はい!その時は休みますから!だから諦めないで下さい」
「善処しよう」
軽い冗談のつもりだったけど、物凄く真剣な目で訴えてきた。
さらりと流したけど、結婚と子どものことも視野に入れてるのね。
「アスカ、ニヤニヤして不気味だよ」
「不気味とは失礼な。俺はニコニコしてたんだよ」
「でもやっぱり、こうしてみると細かいクセもダイヤと同じだったんだね」
「同一人物ですから……あぁ、たまには疲れ知らずのピチピチなボディになりたい」
二人で他愛もない話を続けていると、俺とキラリちゃんのスマホが鳴る。
『もしもしお二人さん? デート中悪いが、新人がちょっとピンチなんだ。ミンキーは至急、応援に向かって欲しいクマ』
顔を合わせて頷き合う。お互いの考えていることなんてお見通しだ。
「行ってきます、アスカ」
「行ってらっしゃいキラリ。愛してるよ」
別れのキスをして彼女を見送る。
今できることをしよう。これまでできなかった好きを伝えて。
魔法少女。それは人々の希望であり、俺にとっては人生そのものだから。
【魔法少女とおっさん 完】
これにて完結です。短い間でしたがお付き合いいただきありがとうございました。
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では、またいつか




